ルテインの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法
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ルテインの基本情報、種類、効果・働き、不足・欠乏・過剰摂取による影響、多く含む食品、効率よく摂取する方法について解説します。
ルテインとは
ルテイン(lutein)とは、植物由来の色素成分であるカロテノイドの1種です。
カロテノイドは、β-カロテンやリコピンなどのカロテン類と、アスタキサンチンやルテインなどのキサントフィル類に分類されます。どちらも黄色または赤色の色素成分で、強力な抗酸化作用をもっていることが特徴です。抗酸化作用の強い食品は、老化・動脈硬化・がんを予防する効果があると考えられています。
人間の身体では、目・皮膚・子宮・脳に存在しています。とくに、目の黄斑部や水晶体と呼ばれる部分に多く存在する物質です。
ルテインは脂質に溶けやすい性質をもっているため、ルテインが豊富な食品は炒め物や揚げ物にするとよいでしょう。熱に強い性質があり、加熱調理しても栄養素が損なわれにくいこともメリットです。
ルテインの種類
ルテインには、食品に含まれる天然ルテインと人工的に合成された合成ルテインがあります。
サプリメントのなかには、天然ルテインではなく合成ルテインを用いているものもあり、違いを理解しておくことが重要です。
天然ルテイン
天然ルテインとは、食品に含まれる成分を抽出した自然由来のルテインです。
人工物がほとんど含まれないため、副作用の少ないことが特徴。ただし、精製コストがかかるため、合成ルテインのサプリメントよりも高価な傾向があります。
合成ルテイン
合成ルテインとは、主に石油を原料として人工的に作ったルテインです。
天然ルテインよりも安価なため、毎日飲むサプリメントのコストを下げられます。しかし副作用も報告されており、摂取量には注意が必要です。
ルテインと類似成分の違い
ルテインと類似する栄養素・成分との違いを解説します。
ビタミンA
ビタミンAはレチノイドとも呼ばれ、レチノール・レチナール・レチノイン酸を総称した名称です。
ルテインと同じカロテノイドの1種であるβ-カロテンは、体内でビタミンAへ変換されます。しかし、ルテインはビタミンAになることはありません。
ビタミンAもルテインと同じように、目の健康維持に関わる栄養素です。
目の粘膜を健康に保ったり、視機能を改善したりする働きをします。とくに光の明暗を見分けるロドプシンと呼ばれる成分は、ビタミンAが主成分として働きます。
ビタミンAの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・おすすめレシピ|NANIWA SUPLI MEDIA
アントシアニン
アントシアニンとは、ブルーベリーやプルーンに多く含まれるポリフェノールの1種です。ルテインと同じ植物色素の1種ですが、アントシアニンは青紫色を作っています。
強力な抗酸化作用をもっているため、眼精疲労を軽減する働きがあります。また、目の健康を維持して、眼病を予防する効果ももつ栄養素です。
アントシアニンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
アスタキサンチン
アスタキサンチンとは、ルテインと同じカロテノイドのキサントフィル類に分類される栄養素です。赤い色素成分をもち、エビやカニの赤色を作っています。
抗酸化作用をもっているため、眼精疲労に効果的です。眼球周囲の筋肉疲労を緩和したり、目のダメージを防いだりする効果があります。
ルテインの効果・働き
ルテインの効果・効能について解説します。
光や紫外線から目を守る
ルテインの強い抗酸化作用は、目が外部から受けるダメージを軽減させる効果があります。
紫外線や電気やスマートフォンなどの光が目に入ると、目の粘膜や内部構造の黄斑がダメージを受けます。継続的なダメージは、目の細胞を壊して視力低下や加齢性黄斑変性を引き起こす原因になります。
ルテインは光を通す水晶体や黄斑部に存在し、ダメージによって生成される活性酵素を除去します。活性酵素は細胞がダメージを受ける原因物質のため、ルテインが除去することで目を守ります。
目に良い食べ物・飲み物と目に良い生活習慣|NANIWA SUPLI MEDIA
白内障を予防する
ルテインには、白内障を予防する効果もあると考えられています。
白内障は加齢や紫外線、糖尿病、喫煙などが原因で起こります。酸化ストレスと呼ばれる血中の糖とタンパク質の結合物質が原因です。酸化ストレスは、白内障を引き起こすことが知られています。
予防には抗酸化作用の強い栄養素の摂取が効果的で、日本白内障学会でもルテインやビタミンを多く含む食事の摂取を推奨しています。
眼精疲労・ドライアイを軽減する
ルテインには、眼精疲労やドライアイの症状を軽減する効果もあります。
そもそもドライアイとは、涙の量が不足して乾き、目の表面に傷ができてしまった状態を指します。ドライアイが起こる原因は、眼精疲労やコンタクトの使用などです。
ルテインには目の表面を保護する働きがあるため、ドライアイによって涙の量が減って傷ができるのを防ぎます。
美容・美肌効果もある
ルテインは目への効果が大きく取り上げられますが、皮膚にも存在する成分です。皮膚の表面を健康に保ち、ダメージを軽減します。
強い抗酸化作用をもつルテインは、紫外線や外部からの刺激によって合成される活性酵素を除去します。
活性酵素とは、過剰な酸化ストレスによって産生される物質です。活性酵素が過剰産生されると、老化・がん・動脈硬化のリスクが高まります。
ルテインは過剰産生された活性酵素を除去するため、アンチエイジングにも効果的です。
アンチエイジングにおすすめの抗酸化作用のある食べ物・飲み物 | NANIWA SUPLI MEDIA
ルテインが不足・欠乏すると起こる症状
ルテインは主に目の健康維持に働くため、不足すると目に症状が現れます。ルテインが不足・欠乏すると起こりやすくなる症状は次の通りです。
- 白内障:レンズとなる水晶体が白く濁って、見えにくくなる病気。加齢とともに発症しやすい病気で、目のかすみ・眩しさ・視力の低下が起こります。
- 加齢黄斑変性:加齢によって、目の黄斑と呼ばれる部位が損傷を受けて視力低下を引き起こす病気。歪んで見える・視野の中心が暗くなるなどの症状を起こします。
- 緑内障:視覚情報を脳へ伝える神経系に異常が起こる病気。視野が欠けて見えるのが特徴で、治療の遅れが失明につながるケースもあります。
ルテインを過剰摂取すると起こる副作用
食品からルテインを摂取する場合は、過剰摂取の心配はないと考えられています。しかし、サプリメントとして摂取する場合は、摂取量に注意が必要です。
とくに、石油を原料とした合成ルテインは、安価な一方で副作用を生じる可能性もあります。合成ルテインの過剰摂取で起こる症状は次のとおりです。
- 目の痒み
- 目の腫れ
- 咳
- 嘔吐
また、ルテイン以外の栄養素を含有するサプリメントの場合は、その他栄養素の摂取上限量にも注意しましょう。
ルテインの1日の摂取目安量
ルテインの1日摂取量は、明確に定められていません。
FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)では、アフリカン・マリーゴールド由来のルテインの1日摂取許容量を体重1kgあたり0〜2mgに設定しています。
たとえば、体重60kgの人なら1日摂取許容量は0〜120mgです。
1日摂取許容量を超えてルテインを摂取すると、副作用が起こる可能性もあります。
ルテインを多く含む食品
ルテインは、野菜に多く含まれます。とくに、ルテインを多く含む野菜は次の通りです。
食品名 | 成分量100gあたりmg |
赤じそ | 14.25 |
モロヘイヤ | 13.63 |
よもぎ | 11.26 |
パセリ | 10.01 |
ペパーミント | 8.48 |
バジル | 8.11 |
小松菜 | 7.59 |
ルッコラ | 5.78 |
せり | 5.78 |
チンゲンサイ | 5.46 |
上記以外には、ケールやほうれん草、かぼちゃにもルテインが豊富に含まれます。
よもぎやパセリ、ペパーミントなどは大量に摂取するのが難しいため、モロヘイヤ・小松菜・ケール・チンゲンサイを中心に食べるとよいでしょう。
ケールの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
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モロヘイヤの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
ルテインを効率よく摂取する方法
ルテインを効率よく摂取したい場合に、試したい摂取方法を紹介します。
脂質の多い食品と一緒に摂取すると吸収率アップ
脂溶性ビタミンの仲間でもあるルテインは、油と一緒に摂取すると吸収率アップになります。
ルテインは水に溶けにくく、油に溶けやすい性質をもった栄養素です。そのため、ごま油やオリーブオイルなどの植物油と一緒に摂取すると、より効率よく体内に取り入れられます。
植物油を使って、炒め物や揚げ物にして食べるのがおすすめです。
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加熱しても栄養は損なわれないので炒め物や揚げ物でもOK
ルテインは加熱しても栄養素が損なわれにくいため、生野菜で食べる必要はありません。
生野菜が苦手な場合は、炒め物や揚げ物など加熱調理して食べるとよいでしょう。ルテインが豊富なかぼちゃやにんじんをホットサラダにしたり、ほうれん草やチンゲンサイをお浸しにしたりするのがおすすめです。