糖質の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法
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糖質の基本情報、種類、効果・働き、不足・欠乏・過剰摂取による影響、多く含む食品、効率よく摂取する方法について解説します。
糖質とは
糖質(available carbohydrate)とは、タンパク質や脂質と同じ三大栄養素の1つです。
炭水化物と同じ意味で使われることもありますが、正確に表すと糖質は炭水化物から食物繊維を除いたものを指します。つまり、糖質と食物繊維を合わせたものが炭水化物です。
糖質は米や麦などの穀類に多く含まれる栄養素で、糖質1gは4kcalのエネルギーへ変換されます。構造によって糖質は細かく分類されますが、どの糖質も1g当たり4kcalのエネルギー源になることは変わりません。
体内に吸収された糖質はブドウ糖へと分解され、血中を流れて全身の細胞に運ばれます。エネルギー源として余った場合は、グリコーゲンと呼ばれる形に姿を変えて、肝臓や筋肉に貯蔵されます。
エネルギーが必要になると、肝臓や筋肉で再びブドウ糖に変換されて血中へと送り出される仕組みです。
炭水化物の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA
ブドウ糖の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA
糖質の種類
糖質は、化学構造の違いによって単糖類・少糖類・多糖類に分類されます。
糖質と糖類は混同されがちですが、糖質の分類のひとつとして糖類があるイメージです。単糖類や少糖類の一部を糖類と呼び、オリゴ糖やでんぷん、グリコーゲンなどは糖類には分類されません。
単糖類
単糖類は糖1つで構成され、炭素・水素・酸素の単純な構造をしています。
多糖類と比較して、甘味の強いことが特徴です。一般的に、複雑な構造の糖質ほど甘味が弱くなると考えられています。
単糖類に分類される糖質は、以下のとおりです。
- ブドウ糖
- 果糖
- ガラクトース
少糖類
少糖類は、2~10個程度の糖で構成される糖質です。
とくに、2つの糖でできている糖質を二糖類と呼びます。二糖類の違いを以下の表にまとめました。
糖質名 | 構造 | 特徴 |
ショ糖(スクロース) | ブドウ糖+果糖 | 一般的に砂糖の原料となる糖質。テンサイやサトウキビに含まれる。 |
麦芽糖(マルトース) | ブドウ糖+ブドウ糖 | 麦芽やはちみつに多く含まれている。 |
乳糖(ラクトース) | ブドウ糖+ガラクトース | 牛乳に含まれている糖質。 |
二糖類をオリゴ糖と呼ぶこともありますが、一般的には3~10個の糖が結合した糖質をオリゴ糖と呼びます。オリゴ糖に分類される糖質は、以下のとおりです。
- フラクトオリゴ糖
- マルトオリゴ糖
- ガラクトオリゴ糖
- 大豆オリゴ糖
オリゴ糖の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
多糖類
多糖類とは、単糖類が複数連なった糖質です。でんぷんやグリコーゲン、デキストリンなどが多糖類に分類されます。
多糖類には甘味がありませんが、じゃがいもや米を食べたときに甘味を感じるのは、唾液ででんぷんがブドウ糖に分解されるためです。
糖質と食物繊維の違い
食物繊維は、糖質と同様に炭水化物に含まれる難消化性糖質です。人の体内では消化・吸収できず、糖質のようにエネルギー源にはなりません。
体内に吸収はされませんが、食物繊維は便秘予防や血中コレステロールの低減など、健康によい効果が期待される栄養素です。
近年注目されている糖質制限ダイエットは、炭水化物全体ではなく糖質を制限するダイエットを指します。炭水化物と糖質を混同して、食物繊維が不足しないよう注意が必要です。
食物繊維の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率のよい摂取方法|NANIWA SUPLI MEDIA
糖質の効果・働き
糖質の効果・効能について解説します。
素早くエネルギー補給できる
糖質・タンパク質・脂質の三大栄養素のうち、糖質は最も分解・吸収の早い栄養素です。素早くエネルギーへと変換されるため、運動前後のエネルギー補給に適しています。
体内の糖質が減少してエネルギー源が枯渇すると、筋肉中に貯蔵されたタンパク質が分解されてエネルギーへ変換されてしまいます。激しい運動をするときに糖質を補給すると、筋肉のタンパク質分解を防げることがメリットです。
筋肉量を維持・活動量を上げる
前述のとおり、糖質が不足すると筋肉中のタンパク質が消費されて筋肉量が減少します。糖質を摂取すると、タンパク質よりも優先してエネルギーに変換されるため、筋肉量を維持できます。
また、糖質はエネルギー源となって身体を動かすために欠かせない栄養素です。
体内に吸収された糖質は、血液中を流れて全身の細胞へ供給されます。エネルギー源となる糖質が枯渇して低血糖に陥ると、脱力感・手の震え・発汗などの症状が現れます。
脳の活動を維持する
糖質は、脳へ運ばれてエネルギー源になる栄養素です。糖質が不足すると、脳の活動に必要なエネルギーも足りなくなり、脳神経系に影響を与えます。
軽度な場合は集中力が低下する程度ですが、次第に脳の回復機能が働かなくなり、脱力感や疲労感が現れることもあります。重度の低血糖に陥ると意識障害に至ることもあるため、誤った糖質制限に注意しましょう。
糖質が不足・欠乏すると起こる症状
糖質が不足・欠乏すると起こる症状は次のとおりです。
- 集中力の低下
- 疲労感・脱力感
- 筋肉量の減少
- 意識障害
エネルギー源となる糖質が不足・欠乏すると、身体だけでなく神経系の動きも鈍くなります。軽度の不足では集中力の低下や疲労感が起こり、重度になると意識障害を引き起こします。
また、血中の糖質が減少すると、筋肉に蓄えられているグリコーゲンがブドウ糖に変換される仕組みです。ブドウ糖になった糖質はエネルギーとして利用されるため、筋肉量が減少します。
糖質を過剰摂取すると起こる副作用
糖質を過剰摂取すると起こる症状は次のとおりです。
- 肥満
- 高血糖
- 糖尿病
体内に吸収された糖質は血中を流れて各細胞へ送られますが、糖質を過剰摂取すると、血中の糖質が増加して高血糖を引き起こします。高血糖が続くと、血糖を下げるホルモンであるインスリンの効果が薄れ、糖尿病を引き起こすリスクが高まります。
通常、過剰な糖質は肝臓に貯蔵される仕組みです。しかし、肝臓の許容量を超えて糖質が体内に取り込まれると、糖質は脂質へと変換されて貯蔵されます。貯蔵された脂質により、肥満が起こります。
糖質の1日の摂取目安量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書には、糖質単体の1日の摂取目安量は明記されていません。
炭水化物の食事摂取基準は、成人男性・女性ともに、総エネルギー摂取量に対して50~65%が目安です。
糖質を多く含む食品
糖質を多く含む食品は次のとおりです。ただし、文部省が公開している日本食品標準成分表には「糖質」の項目がないため、単糖当量を参考として記載します。
穀類・いも類・果物類・豆類に多く含まれることがわかります。
糖質を効率よく摂取する方法
最後に、糖質を効率よく摂取する方法を解説します。
糖質代謝を促進するアミノ酸と一緒に摂る
糖質を代謝するには、酵素として働くアミノ酸が必要不可欠です。アミノ酸は、酵素やホルモンなどのタンパク質を構成する栄養素です。人体を構成する20種類のアミノ酸のうち、9種類は体内で合成されません。この9種類のアミノ酸は食事から摂取する必要があるため、必須アミノ酸と呼ばれています。
糖質代謝にも必須アミノ酸が深く関わっており、糖質を効率よく吸収するために欠かせない栄養素です。
血糖値が気になるときは低GI食品を選ぶ
糖質を多く含む食品を食べると、血糖値が上昇しやすくなって高血糖や肥満を引き起こす恐れがあります。
しかし、低GI食品と呼ばれる食品は、血糖値の急上昇を抑えて高血糖になりにくくする効果があります。GIとは、Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、糖質の吸収度を数値化したものです。
GI値が55以下の食品を低GI食品と呼びます。低GI食品には、オートミール・玄米・ブロッコリー・ほうれん草・豆乳・豆腐などがあります。
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