ブドウ糖の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法

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栄養素

ブドウ糖の基本情報、種類、効果・働き、不足・欠乏・過剰摂取による影響、多く含む食品、効率よく摂取する方法について解説します。

ブドウ糖とは

まずは、ブドウ糖の基本情報と摂取量目安について解説します。

ブドウ糖の基本情報

ブドウ糖はグルコース(glucose)の別名で、糖質の1種です。

常温において白い粉末状の結晶をしており、水に溶けやすい性質をもっています。一般的なイメージの通り甘味のある物質で、砂糖の主成分です。

糖質は構造の違いにより、単糖類・少糖類・多糖類の3つに分類されます。それぞれの違いは、次の通りです。

  • 単糖類:1個の糖で構成される(ブドウ糖・果糖・ガラクトースなど)
  • 少糖類:2~10個程度の糖からできている(ショ糖・乳糖・オリゴ糖など)
  • 多糖類:10個以上の糖で構成される(でんぷん・デキストリン・グリコーゲンなど)

ブドウ糖は、1個の糖から構成される単糖類で、ほかの糖質と結合してさまざまな種類の糖質を形成します。

オリゴ糖の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

ブドウ糖の役割

糖質は炭水化物の一部で、タンパク質や脂質とともにエネルギー源として利用される栄養素です。

体内の消化液で消化されると、少糖類や多糖類がブドウ糖へと分解されて、脳や神経組織、赤血球などに運ばれ、エネルギー源として使われます。

とくにブドウ糖は、脳にとって唯一のエネルギー源です。脳の重さは体重の約2%程度と占める重量は多くありません。しかし脳のエネルギー消費量は、基礎代謝量の約20%におよびます。

ブドウ糖と類似成分の違い

ブドウ糖は単糖として、さまざまな糖質を構成しています。ブドウ糖が構造上に含まれる糖質は、主に以下の通りです。

  • ショ糖
  • 乳糖
  • トレハロース
  • 麦芽糖
  • グリコーゲン
  • でんぷん

同じ糖質でも、それぞれ甘味の度合いや吸収速度などに違いがあります。ここでは、ブドウ糖と類似する主な栄養素・成分との違いを解説します。

ショ糖

ショ糖はスクロースとも呼ばれる糖質の1つで、砂糖の主成分です。サトウキビやテンサイに多く含まれます。

ブドウ糖と果糖から構成されているため、二糖類に分類されます。甘味があり、水にもよく溶ける物質です。

果糖

果糖は、ブドウ糖と同じ単糖類の1つです。フルクトースとも呼ばれ、果物やはちみつに多く含まれています。

ショ糖の甘味を1とした場合、果糖は1.2~1.5と甘味の強いことが特徴です。水に溶けやすいため、飲料や食品に使われています。

でんぷん

でんぷんは、多数のブドウ糖が結合した糖質の1種です。でんぶんが体内で消化・分解されるとブドウ糖になります。

植物が光合成により生成する物質で、とくに種子や球根部分に多く含まれます。そのため、じゃがいも・さつまいもなどのいも類やトウモロコシに豊富な栄養素です。

ブドウ糖の効果・働き

ブドウ糖の効果・効能について解説します。

素早くエネルギーに変換される

ブドウ糖を含む糖質は、三大栄養素のタンパク質・脂質に比べて短時間でエネルギーに変わる栄養素です。とくにブドウ糖は、産生されるエネルギーの約60%を占めています。

分解・吸収が早くおこなわれ、すぐにエネルギーに変わるため、運動前後のエネルギー補給に効果的です。糖質1gは4kcalのエネルギーに変換され、脳や神経組織、赤血球で働きます。

脳のエネルギー源となり疲労回復に働く

ブドウ糖は、脳の唯一のエネルギー源です。糖質が欠乏すると脳はエネルギー不足に陥り、脳の疲労が回復できずに活動が低下し、集中力や記憶力の低下を引き起こします。

近年はインターネットの普及により多量の情報が入ってくるため、脳がエネルギー不足になって疲労を感じやすいと考えられています。ブドウ糖は、脳に必要なエネルギーを補給して疲労回復させるために重要な栄養素です。

筋肉に蓄えられて運動時に利用される

ブドウ糖は、筋肉を収縮させるために利用されるエネルギー源でもあります。

体内でエネルギーに変換されなかったブドウ糖は、グリコーゲンに変わって肝臓や筋肉に蓄積されます。筋肉に貯蔵されるグリコーゲンは、筋グリコーゲンと呼ばれます。筋グリコーゲンが分解されるとエネルギー物質が産生され、筋肉を収縮させるメカニズムです。

激しい運動で筋グリコーゲンは消費され、筋疲労や筋力低下につながります。

ブドウ糖が不足・欠乏すると起こる症状

ブドウ糖が不足・欠乏すると起こる症状は次の通りです。

  • 集中力の欠如
  • イライラ感
  • 無気力
  • 筋肉量の低下
  • めまい
  • 疲労感

脳のエネルギー源となるブドウ糖が不足すると、集中力がなくなったり、無気力になったりと神経系の異常が現れます。ブドウ糖の不足は、食事からの摂取量減少や、血糖を下げるホルモンであるインスリンの過剰分泌が原因です。

血糖値が70mg/dl以下になると、発汗や動悸など低血糖症状が現れ始め、50mg/dl程度で頭痛や目のかすみなどを生じます。血糖値が50mg/dl以下になると非常に危険な状態で、昏睡やけいれんを起こす可能性があります。

ブドウ糖は多くの食品に含まれる栄養素のため、糖尿病治療歴がなく通常の食事を摂っている人では、致命的なほど血糖値が下がることはほとんどありません。

ブドウ糖を過剰摂取すると起こる副作用

ブドウ糖を過剰摂取すると起こる症状は次の通りです。

  • 糖尿病
  • 肥満
  • 動脈硬化

体内に吸収されたブドウ糖は、血糖として血中を流れて組織へと運ばれます。ブドウ糖を過剰摂取すると血糖値が上昇し、高血糖を引き起こします。

通常は、血糖値が上がると、血糖を下げるホルモンであるインスリンが働き、血糖値を元に戻すのが正常なメカニズムです。

しかし高血糖が続いてインスリン量が不足したり、インスリンが効かない状態になったりします。高血糖が慢性的に続く状態が糖尿病です。糖尿病になると、動脈硬化や網膜症などの合併症を引き起こすリスクも高くなります。

また、ブドウ糖を過剰摂取すると肥満にもつながります。

ブドウ糖は、体内に吸収されたあとグリコーゲンとなって肝臓に貯蔵される栄養素です。過剰摂取が継続することで、肝臓の貯蔵量を超えると中性脂肪へと変化します。中性脂肪は、肥満の原因になる栄養素です。

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ブドウ糖の1日の摂取目安量

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」では、ブドウ糖単体の摂取基準は記載されていませんが、炭水化物の食事摂取基準は総エネルギー量の50~65%です。

基礎代謝量が1,500kcalの人では、脳が消費するエネルギー量をブドウ糖に換算すると75g/1日です。ブドウ糖は脳以外の組織でも利用されるため、実際には1日100g以上のブドウ糖が必要と考えられます。

ただし、肝臓や筋肉に貯蔵された糖質も利用されるので、必ずしも1日100g以上(基礎代謝量1,500kcalの場合)のブドウ糖の摂取が必要であるとは限りません。

ブドウ糖を多く含む食品

ブドウ糖を多く含む食品は次の通りです。

食品データベースにデータはありませんが、ブドウ糖はラムネやチョコレートなどの菓子類にも多く含まれています。

食品名成分量100gあたり(g)
砂糖及び甘味類/(その他)/はちみつ33.2
果実類/ぶどう/皮なし/生7.3
果実類/バナナ/生2.6
穀類/こむぎ/[パン類]/角形食パン/食パン1.5
いも及びでん粉類/<いも類>/じゃがいも/塊茎/皮つき/フライドポテト/(生を揚げたもの)0.7
いも及びでん粉類/<いも類>/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮なし/蒸し0.5
穀類/こめ/[水稲めし]/精白米/うるち米0.1
出典:食品成分データベース|文部科学省

ブドウ糖を効率よく摂取する方法

最後に、ブドウ糖を効率よく体内で利用するために有効な栄養素について解説します。

クエン酸

クエン酸は、エネルギー代謝や疲労回復に関与しています。ブドウ糖からエネルギーが産生されるときのクエン酸回路に、必要不可欠な栄養素です。

またクエン酸回路は、ブドウ糖の代謝で生じた老廃物を処理する役割をしています。ブドウ糖と一緒にクエン酸を摂取すると、クエン酸回路が活性化されるため、老廃物の除去が促進されます。

クエン酸の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

アミノ酸(タンパク質)

ブドウ糖の働きを高めるために、アミノ酸を多く含む食品も積極的に摂取しましょう。

糖質の代謝には、多くのアミノ酸が関与しています。また、ブドウ糖がグリコーゲンに変わるときに働く酵素や、血糖値を下げるインスリンもタンパク質から作られます。

ブドウ糖の代謝や血糖維持を正常におこなうためには、タンパク質も十分に摂取することが大切です。

タンパク質の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA

参考文献

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