男性ホルモンを増やす食べ物・食事方法

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男性ホルモンの作用について解説したうえで、男性ホルモンを増やすのに効果的な栄養素を豊富に含む食べ物や飲み物を紹介します。

男性ホルモンの作用

男性ホルモンは、ステロイドホルモンの一種で、アンドロゲンや雄性ホルモンとも呼ばれます。第2次性徴の体の発達に深く関わる、男性の健康にとって重要なホルモンです。主に精巣や副腎で産生されます。

男性ホルモンは、男性だけでなく女性の体内にも存在するホルモンです。女性の場合、副腎や卵巣で男性ホルモンが産生されています。

男性ホルモンの機能

男性ホルモンの主な機能は次の通りです。

  • 筋肉を増やす
  • 骨を丈夫にする
  • 内臓脂肪の蓄積を防ぐ
  • 性欲を高める
  • 精子を生産する
  • 体毛をはやす
  • 皮脂を分泌する
  • 判断力や記憶力を高める

男性ホルモンの種類

下記のホルモンを総称し、男性ホルモン(アンドロゲン)と呼びます。

  • テストステロン
  • ジヒドロテストステロン(DHT)
  • デヒドロエピアンドロストロン(DHEA)
  • アンドロステロン
  • アンドロステンジオン

このうち、男性ホルモン全体の90%以上を占める主要なホルモンが「テストステロン」です。テストステロンは「社会性のホルモン」とも呼ばれ、人の性格や社会性にも大きな影響を与えることがわかっています。

男性ホルモンの減少により起こる症状

男性ホルモンが減少すると、心身に次のような症状が起きます。男性ホルモンの低下は、動脈硬化などの生活習慣病や認知症の発症リスクとも関連しています。

  • 筋肉量の低下
  • 体脂肪の増加
  • ED(勃起障害)
  • 発汗
  • 頭痛
  • めまい
  • 頻尿
  • 性欲の減退
  • 不眠
  • イライラ
  • 不安
  • 抑うつ
  • 集中力や記憶力の低下

男性ホルモンが減少する原因

男性ホルモンが減少する主な原因は次の通りです。

加齢

テストステロンをはじめとする男性ホルモンの分泌量は、一般的に10代~20代でピークを迎え、年齢と共に減少していきます。

加齢に伴う男性ホルモンの減少は、男性更年期障害(LOH症候群)の一因でもあります。

ストレス

ストレスなどの環境的要因も、男性ホルモンの正常な分泌を阻害する恐れがあります。過度なストレスを感じると、ホルモンを分泌する脳の機能が低下してしまうためです。

また、ストレスから身を守る抗ストレスホルモンの「コルチゾール」が多く分泌されると、ホルモンを作る副腎が疲弊します。このことも男性ホルモンの分泌に悪影響を及ぼします。

特に注意が必要なのは、仕事が忙しすぎる人や、精神的負担の大きい中間管理職などの役職につく40代~50代の働き盛りの男性です。

運動不足

運動で筋肉に刺激を与えることは、男性ホルモンを活発化する効果があります。体を動かす習慣のない人は、男性ホルモンが低下しやすい傾向にあるため注意が必要です。

肥満が原因で男性ホルモンが減ることもあるため、運動によって減量し、体脂肪を減らすことも男性ホルモンの分泌に良い影響を与えます。

乱れた食生活

食生活も男性ホルモンの分泌量と関連しています。栄養バランスの悪い食事を続けていると体の機能が低下し、ホルモン分泌の指令を出す脳の機能や、男性ホルモンを作り出す精巣・副腎の働きが衰える恐れがあります。

アルコールの過剰摂取

アルコールの過剰摂取も、男性ホルモンの分泌に悪影響を及ぼします。特に、ビールの原料のホップには、テストステロンの分泌を阻害する女性ホルモンと似た作用がある成分が含まれると考えられており、ビールの飲み過ぎには注意が必要です。

男性ホルモンを増やすのに効果的な栄養素

男性ホルモンを増やすのに効果的な栄養素を紹介します。

コレステロール

男性ホルモンの原料は、動物性食品に含まれるコレステロールです。野菜などの植物性食品や脂質の少ない食材ばかり食べているとコレステロールが不足し、男性ホルモンが低下する可能性があります。

男性ホルモンを増やすためには、原料となるコレステロールが不足しない食事を心がける必要があります。コレステロールは、肉類やたまごに多く含まれています。

ただし、コレステロールの摂りすぎは、肥満や脂質異常症といった生活習慣病を引き起こす可能性もあります。過剰摂取に注意し、増えすぎたコレステロールを減らす、食物繊維やオメガ3脂肪酸を含む食材も合わせて摂取するようにしましょう。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を下げるのに効果的な食品は、以下の記事で紹介しています。あわせてご覧ください。

LDLコレステロール値を下げる食品|NANIWA SUPLI MEDIA

タンパク質

タンパク質は、筋肉・内臓・皮膚・髪など体を構成する重要な成分で、ホルモンの生成とも関係しています。タンパク質が不足すると、男性ホルモンが正常に分泌されなくなる可能性があります。

タンパク質は、タンパク質を構成するアミノ酸のバランスで体内での利用効率が決まります。男性ホルモンを増やすには、アミノ酸バランスの良い良質なタンパク質を摂取しましょう。良質なタンパク質は、たまごや乳製品に豊富です。

タンパク質の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA

亜鉛

亜鉛は、体の発育・インスリン合成・皮膚の代謝・免疫の維持など、多くの役割を持つ微量ミネラルの一種です。精子の生産に不可欠なことから、「セックスミネラル」とも呼ばれます。亜鉛不足は、思春期の性的発達の遅延や、男性のインポテンスの原因にもなります。

血清のテストステロン濃度が高い男性は、毛髪の亜鉛濃度が高いという研究報告もあることから、男性ホルモンの分泌とも密接に関わっているミネラルと言えるでしょう。

亜鉛の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

ビタミンD

ビタミンDは、骨の健康維持にも役立つ脂溶性ビタミンの一種です。海外の研究で、ビタミンDを摂取することで、テストステロンの量が増える可能性があることが示されています。

ビタミンDは、魚介類やきのこ類から摂取できるほか、太陽光に当たることで体内でも生成されます。

ビタミンDの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・おすすめ|NANIWA SUPLI MEDIAレシピ

ビタミンE

ビタミンEは、ナッツ類や種実油に多く含まれる脂溶性ビタミンです。ビタミンEにはホルモン分泌の指令を出す脳の視床下部に働きかけ、男性ホルモンの分泌を促進する効果があります。

またビタミンEには、活性酸素を除去して、老化を予防する抗酸化作用もあります。男性ホルモンの減少と加齢に伴う、体の不調を改善するのにも効果的なビタミンです。

ビタミンEの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

男性ホルモンを増やすのにおすすめの食べ物・飲み物

ここからは、男性ホルモンの減少を防ぎ、分泌量を増やすのに効果的な栄養素を多く含む食べ物・飲み物について解説します。

肉類:タンパク質・脂質・亜鉛を効率よく補える

肉類には、男性ホルモンの正常な分泌にとって大切なタンパク質・脂質・亜鉛といった栄養素が豊富に含まれています。

タンパク質は、脂身の多い部位より、赤身に豊富な傾向があります。男性ホルモンを増やしたいときは、鶏ささみ・鶏むね・豚もも・豚ヒレ・牛ももなど赤身中心の部位を選びましょう。亜鉛は、豚レバーや牛ももに特に多く含まれています。

牛肉の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

豚肉の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

鶏肉の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

レバーの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

たまご:アミノ酸スコアの高い良質なタンパク質

たまご(鶏卵)は、体内で生産できない9種類の必須アミノ酸をすべて含んでいます。タンパク質の量とアミノ酸のバランスを表すアミノ酸スコアは最高値の100で、良質なタンパク質の摂取には最適な食材と言えます。

ゆでたまごや半熟たまごは、コンビニやスーパーで1個から購入できるため、毎日の食事に手軽に取り入れられるのも魅力です。

また、普通のたまごより多くのビタミンEを含む「ビタミンE強化たまご」も、男性ホルモンの減少が気になるときにおすすめです。

たまごの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

牡蠣:精力を高める亜鉛を効率的に摂取できる

牡蠣・あさり・しじみなどの貝類からは、男性ホルモンの量や精力の維持に有効な亜鉛を多く摂取できます。

貝類のなかでも、特に亜鉛を多く含んでいるのは牡蠣です。厚生労働省の定める1日の亜鉛摂取推奨量は、牡蠣3~4個(正味量60~80g)で満たすことができます。

牡蠣の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

あさりの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

しじみの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

ねぎ類:男性ホルモンの減少を抑え、精力増強にも効果的

ねぎ・玉ねぎ・ニラ・にんにくなどネギ科の野菜に含まれる含硫アミノ酸には、テストステロンをはじめとする男性ホルモンの減少を抑制する効果があります。

また、ねぎ類の香りや辛味のもとであるアリシンには、精力増進や疲労回復を早める効果があります。体の疲れや精力の減退が気になるときは、ねぎやにんにくを料理に取り入れてみてください。

ねぎの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

玉ねぎの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

ニラの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

にんにくの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

セリ科の野菜:男性ホルモンの働きを助ける

セロリ・ニンジン・ミツバ・パセリなどセリ科の野菜には、男性ホルモンの働きを助ける成分が含まれています。

さらに、セリ科の野菜には、体の酸化を防ぐビタミンやβ-カロテンといった抗酸化物質が多く含まれているのもポイントです。男性ホルモンの低下が原因となる生活習慣病予防や、老化の予防にも役立つでしょう。

セロリの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

ニンジンの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

山芋:男性ホルモンのDHEAを増やす

山芋には、男性ホルモンの一種であるデヒドロエピアンドロストロン(DHEA)と似たジオスゲニンという成分が豊富です。ジオスゲニンにはDHEAの働きをサポートし、ホルモンの分泌量を増やす効果が期待されています。

また、山芋に含まれるねばり成分のムチンや、アミノ酸の一種であるアルギニンも、男性ホルモンの維持に良い影響があります。

山芋の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

アーモンド:ホルモン分泌をサポートするビタミンE

男性ホルモンの分泌と大きく関わるビタミンEは、ピーナッツ・くるみなどのナッツ類や種実油から効率的に摂取することができます。

特にビタミンEが多く含まれるのはアーモンドなので、ミックスナッツを食べるときはアーモンド入りのものがおすすめです。お菓子やおつまみとして、日常の食事にナッツを積極的に取り入れてみてください。

アーモンドの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

男性ホルモンの減少を予防するのに効果的な生活習慣

男性ホルモンの減少を予防するために心がけたい食生活や生活習慣について解説します。

運動・筋肉トレーニング

男性ホルモンの分泌をを盛んにするには、運動や筋トレで筋肉に刺激を与えるのが効果的です。

ただし、激しすぎる運動は、がんや生活習慣病の原因となる活性酸素を発生させるうえ、筋肉痛やケガの原因にもなります。運動経験の少ない方は、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動や、比較的負荷の少ない自重トレーニングから挑戦してみましょう。

筋力増強作用のある男性ホルモンが増加することで、トレーニングの効率が高まり、筋肉が付きやすくなる好循環も生み出されます。

規則正しい生活

寝不足・昼夜逆転など不規則な生活を続けていると、心身にダメージが蓄積され、体内の機能がスムーズに働かなくなります。当然、ホルモンの分泌も正常に行われなくなり、男性ホルモンの低下を招きます。

男性ホルモンの量を維持するためには、睡眠・食事のリズムを整え、規則正しい生活を心がけることから始めてみてください。

ストレスをためこまない

ストレスは、男性ホルモンを減少させる大きな原因であるうえ、心因性EDや性欲低下など性機能の問題を引き起こすこともあります。

仕事や家庭内の問題でストレスを抱えているときは、一人で抱え込まずに信頼できる友人や上司に相談するだけでも心が軽くなります。運動や趣味など、ストレス解消できる方法を見つけるのも手です。

参考文献

記事の監修

美容作家、評論家、ヨガインストラクター

AYA ARAHARA

ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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