コエンザイムQ10の効果・摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法

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コエンザイムQ10の基本情報、種類、効果・働き、不足・欠乏・過剰摂取による影響、1日の摂取目安量、多く含む食品、効率よく摂取する方法について解説します。

コエンザイムQ10とは

コエンザイムQ10(coenzyme Q 10:CoQ10)は、酵素の働きを助ける補酵素であり、わたしたちの細胞ひとつひとつに存在する脂溶性の物質です。

キノン構造を持ち、側鎖(主鎖から枝分かれした部分)が10単位あることから、コエンザイムQ10と呼ばれます。ユビキノンやユビデカレノンともよばれ、ビタミンに似た生理作用を持つビタミン様物質のひとつであり、かつてはビタミンQとも呼ばれていました。

コエンザイムQ10は体内で合成されるほか、食品やサプリメントから摂取することができます。食品摂取頻度の研究によれば、ほとんどの人はおよそ10mg未満の食事性コエンザイムQ10を摂取しているのだそう。

酵素を助け、新陳代謝・エネルギー生成の効率を高める働きに加え、ビタミンCやビタミンEのような抗酸化作用を持ち、活性酸素の抑制・除去に効果的です。

コエンザイムQ10は、日本国内では医療用医薬品・ユビデカレノン錠として、1日あたり30mgの用量で処方されます。

一方、健康食品としてこれを超える摂取量の製品も多いことから、2005年には厚生労働省より食品安全委員会へ健康への影響評価が依頼されました。

酸化型と還元型の違い

コエンザイムQ10には、酸化型(CoQ:ユビキノン)と還元型(CoQH2:ユビキノール)の2つがあります。

酸化型(CoQ:ユビキノン)

食品に含まれるコエンザイムQ10です。摂取した後、体内で還元型へ変換されて、各臓器・細胞へ運ばれて利用されます。

しかし酸化型コエンザイムQ10から還元型コエンザイムQ10へ変換する力も、加齢やストレスによって低下すると言われています。

還元型(CoQH2:ユビキノール)

血中に含まれるコエンザイムQ10です。抗酸化作用を持ち、活性酸素の除去や抑制に働きます。

サプリメントなどによっては、還元型コエンザイムQ10をそのまま経口摂取できるものも。

還元型コエンザイムQ10は、自身が直接抗酸化作用を発揮するだけでなく、同じく抗酸化作用を持つビタミンEの抗酸化力を回復させる作用もあります。

コエンザイムQ10の効果・働き

コエンザイムQ10の効果・効能・働きについて解説します。

老化予防

コエンザイムQ10には、ミトコンドリアのATP合成を助けたり、活性酸素種(ROS)を抗酸化作用によって中和したりといった働きがあります。

これらの働きから、コエンザイムQ10の摂取が老化予防につながるのではないかと考えられていますが、今のところ、寿命を延ばす、老化による機能低下を明らかに防ぐ、といった化学的根拠は得られていません。

なお、コエンザイムQ10が老化予防につながると考えられる理由は、老化に伴ってコエンザイムQ10濃度が低下するためです。

心血管疾患予防

コエンザイムQ10の補給が、アテローム性動脈硬化症の抑制に効果的であることが報告されています。

アテローム性動脈硬化症とは、大動脈・脳動脈・冠動脈といった太い動脈で起こる動脈硬化で、コレステロールなどの脂肪がアテローム(粥状硬化巣)を形成して発症するものです。

ただし、まだ抑制効果が確認されたのみで、発症そのものや、進行を十分に抑制できるかを判断するにはまだ研究が不足しています。

高血圧治療に有益な可能性

一部の研究では、コエンザイムQ10の補給が高血圧の治療に有益である可能性が示唆されました。

ただし、あくまで可能性が示唆された段階であり、研究によっては十分な結果が得られていないものも少なくありません。

その他の効果

このほかにも、コエンザイムQ10は次のような疾病治療への効果・有用性が検証されています。

  • ミトコンドリア脳筋症
  • うっ血性心不全
  • 心筋梗塞(心臓手術)
  • 狭心症
  • 血管の拡張
  • 糖尿病
  • パーキンソン病
  • ハンチントン病
  • フリードライヒ運動失調症
  • がん

コエンザイムQ10が不足・欠乏すると起こる症状

コエンザイムQ10の不足・欠乏による症状(欠乏症)は、一般的に報告されていません。

健康な人は、体内での合成や食品からの摂取によって十分なコエンザイムQ10が確保できていると考えられます。

ただし、遺伝子的欠陥によってコエンザイムQ10の生合成に何らかの支障がある場合、先天性のコエンザイムQ10欠乏症に陥る可能性があります。

コエンザイムQ10が欠乏すると体組織内の濃度が低下して、神経や筋肉の機能を損なうことが報告されています。

この症状に対して、経口からのコエンザイムQ10補給が一定の効果を示すこともあるようです。

なお、加齢によっても組織内のコエンザイムQ10濃度は低下しますが、これが同様の欠乏症を起こしうるかどうかは分かっていません。

コエンザイムQ10を摂取すると起こる副作用

コエンザイムQ10を摂取したことによって起こる重篤な副作用は報告されていませんが、一般的に報告の多いものは下記の通りです。

  • 不眠症
  • 肝酵素上昇
  • 発疹
  • 悪心
  • 上腹部痛
  • 浮動性めまい
  • 光線過敏症
  • 易刺激性
  • 頭痛
  • 胸焼けおよび倦怠感

コエンザイムQ10の1日の摂取目安量

コエンザイムQ10は、欠乏症の確認されていない栄養素であることから、厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020 年版)において、1日の摂取目安量(推奨量)は設定されていません。

一方で、医薬品としても用いられる性質上、医薬品としての用量をなるべく超えない摂取量に留めることが推奨されています。

健康・栄養食品協会の調査によれば、1日あたりの摂取量が300mg以内であれば安全であるというデータが得られたとのことです。なお、アメリカでは1日あたり最大1,200mgの摂取量となるサプリメントも流通しています。

なおこれらは2004~2005年に行われた調査に基づく報告であり、最新の流通事情とは異なる可能性があります。

コエンザイムQ10を多く含む食品

食品から得られるコエンザイムQ10は、肉・鶏肉・魚に豊富に含まれています。その他にも、大豆油やキャノーラ油、ナッツ類にも豊富です。

果物、野菜、卵、乳製品にもほどほどに含まれていることから、一般的な食生活を送る人においては、あえて意識的に食事性コエンザイムQ10を摂取する必要はないかもしれません。

なお、一部の食品のコエンザイムQ10の含有量は下記表の通りです。

食品分量コエンザイムQ10(mg)
炒めた牛肉約85g*2.6
ニシンのマリネ約85g2.3
炒めた鶏肉約85g1.4
大豆油大さじ11.3
キャノーラ油大さじ11
蒸したニジマス約85g0.9
ローストピーナッツ約28g0.8
いりごま約28g0.7
ローストピスタチオ約28g0.6
茹でたブロッコリーぶつ切り約120ml0.5
茹でたカリフラワーぶつ切り約120ml0.4
オレンジ中サイズ1個0.3
いちご約240ml0.1
ゆで卵M玉1個0.1
*約85gの肉や魚は、トランプの1セットくらいの大きさである。
出典:コエンザイムQ10|Oregon State University

コエンザイムQ10を効率よく摂取する方法

コエンザイムQ10を効率的に摂取する方法について解説します。

食品から効率よく摂取する方法

コエンザイムQ10は脂溶性物質であるため、油に溶けやすい性質を持っています。また光やアルカリに弱く、光にさらしたりアルカリ性物質の側で放置したりすると、分解されてしまいます。

油に溶けやすいことから、油と一緒に摂取すると吸収効率が高まります。

ただし、野菜や卵を油で炒めると約14~32%のコエンザイムQ10が失われます。一方で、茹でた場合はコエンザイムQ10が損なわれずに済みます。

そのため野菜や卵から効率的にコエンザイムQ10を摂取したい場合は、油炒めを避けて茹でる、あるいは生で摂取するとよいでしょう。

サプリメントから効率よく摂取する方法

前述の通りコエンザイムQ10は脂溶性のため、オイルを配合したサプリメントを選ぶことで、より効率的な吸収が期待できます。

摂取量の目安は定められていないため、配合量を基準に選ぶことは難しいですが、過度のサプリメントの使用は栄養バランスを損ないかねません。

そのため、コエンザイムQ10を目的として利用する場合は、あまりその他の成分や添加物が多く含まれていないものを選ぶとよいでしょう。

参考文献

コエンザイムQ10の食品健康影響評価|厚生労働省

食物と薬の相互作用(健康食品編)|e-ヘルスネット(厚生労働省)

コエンザイムQ10|Oregon State University

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