ビタミンB1の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・おすすめレシピ

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ビタミンB1の基本情報、効果・働き、不足・欠乏・過剰摂取による影響、1日の摂取目安量、多く含む食品ランキング、効率よく摂取するおすすめレシピについて解説します。

ビタミンB1とは

ビタミンB1は、1910年に米ぬかから発見された水溶性ビタミンの一種で、科学的にはチアミンという名前の化合物です。

ビタミンB1はブドウ糖をエネルギーに変換する際に必要な栄養素であり、疲労回復のビタミンとも呼ばれます。

水溶性ビタミンは水に溶けやすく熱に弱い性質を持っており、長時間水に浸す・炒める・焼くなどの調理法を避けることで、より効率的に摂取可能です。

ビタミンB1の効果・働き

ビタミンB1の持つ代表的な効果・効能・働きについて解説します。

糖質の代謝を助ける補酵素として機能する

ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンの8種類のビタミンを総称して、ビタミンB群と呼びます。

ビタミンB群は、糖質・脂質・タンパク質の代謝をサポートするために必須の栄養素です。そんなビタミンB群のなかでも、特に糖質の代謝を助ける補酵素として働くのがビタミンB1です。

糖質をエネルギーに変換することで疲労回復を助ける

摂取した糖質が、エネルギーとして無駄なく変換されるためにはビタミンB1が必須です。

糖質が十分にエネルギーに変換されることで、疲労回復をサポートするほか、消化不良の改善にも繋がります。

糖質を主なエネルギー源とする神経や脳を正常に保つ

ビタミンB1が十分に摂取されると糖質の代謝が促進され、糖質を主要なエネルギー源とする神経や脳の働きを正常に維持することができます。

ビタミンB1が不足・欠乏すると起こる症状

ビタミンB1が不足・欠乏することで引き起こされる症状について解説します。

ビタミンB1欠乏症:疲労感やイライラなど漠然とした症状

ビタミンB1の重篤な欠乏症には、主に脚気とウェルニッケ―コルサコフ症候群とがありますが、軽度なものはビタミンB1欠乏症(チアミン欠乏症)と呼ばれます。

軽度なチアミン欠乏症は疲労感やイライラといった漠然としたものですが、脚気やウェルニッケ―コルサコフ症候群といった重度の欠乏症になると、神経・筋肉・心臓・脳に影響が及びます。

脚気:心不全・足のむくみ・足のしびれが起こる

脚気は、心不全と末端神経障害をきたす疾患です。心不全による足のむくみ、神経障害による足のしびれが起こることから脚気と呼ばれます。

ウェルニッケ-コルサコフ症候群:昏睡・眼球の震え・体のふらつき

ウェルニッケ―コルサコフ症候群は、ウェルニッケ脳症とその後遺症であるコルサコフ症候群の総称です。ウェルニッケ脳症は、意識障害・眼球運動障害・小脳失調などを引き起こします。

具体的な症状は、昏睡・眼球が動かない(あるいは眼球の細かい震え)・立ち上がる際にふらつき倒れる・手足が思うとおりに動かせない、など。

重度なビタミンB1欠乏症は、放置すると死んでしまうほど重篤な症状を見せるのが特徴です。

ビタミンB1の点滴やビタミンB1製剤(薬)を投与することで一命はとりとめるものの、約80%の人がコルサコフ症候群と呼ばれる健忘症候群の後遺症が残ります。重症の場合には、認知症と診断されるケースも。

ビタミンB1が不足・欠乏する原因

ビタミンB1が不足・欠乏する原因は大きく2つあります。ビタミンB1の摂取量が少ないケースと、ビタミンB1の必要量が多いケースです。

ビタミンB1の摂取量が少ないケースは、特に精米技術が発達し始めたころに問題視されました。

ビタミンB1は玄米に多く含まれており、精米が不十分だったころは意識せずに摂取できていたものが、精米技術が発達したことで不足がちになってしまったのです。

対策としては、白米の代わりに玄米を食べるほか、豚肉などビタミンB1を豊富に含む食材を積極的に食べるとよいでしょう。

ビタミンB1の必要量が多いケースとは、アルコール依存症であったり、妊娠・発熱・激しい運動をしたりして、ビタミンB1の必要量が増えている状態のことを指します。

それ以外にも、肝疾患によってビタミンB1の代謝が妨げられたり、長期間の下痢によって吸収が妨げられることで欠乏する可能性もあります。

ビタミンB1を過剰摂取すると起こる症状

ビタミンB1は水溶性ビタミンのため、大量に摂取しても尿で排泄され、体内に蓄積されることは基本的にありません。

そのため過剰摂取の心配もありませんが、反対に蓄積することが難しい栄養素であるため、毎日一定量を摂取したい栄養素でもあります。

ビタミンB1の1日の摂取目安量

ビタミンB1の1日の摂取目安量は、成人男性で1.4mg、成人女性で1.1mgです。妊婦・授乳婦の場合さらに+0.2mgの摂取が推奨されます。

この摂取目安量は、焼いた豚肉なら50~70g、玄米なら270~350g(茶碗2~3杯)程度で摂取可能です。

手軽に取り入れたい場合は、主食を玄米に切り替えることで、摂取目安量はほぼ達成することができるでしょう。

ビタミンB1の食事摂取基準(mg/日)

性 別男 性女 性
年齢等推定平均必要量推奨量目安量推定平均必要量推奨量目安量
0 ~ 5 (月)0.10.1
6 ~11(月)0.20.2
1 ~ 2 (歳)0.40.50.40.5
3 ~ 5 (歳)0.60.70.60.7
6 ~ 7 (歳)0.70.80.70.8
8 ~ 9 (歳)0.810.80.9
10~11(歳)11.20.91.1
12~14(歳)1.21.41.11.3
15~17(歳)1.31.511.2
18~29(歳)1.21.40.91.1
30~49(歳)1.21.40.91.1
50~64(歳)1.11.30.91.1
65~74(歳)1.11.30.91.1
75 以上(歳)11.20.80.9
妊婦(付加量)+0.2+0.2
授乳婦(付加量)+0.2+0.2
出典:日本人の食事摂取基準(2020 年版)

ビタミンB1を多く含む食品

ビタミンB1を多く含む食べ物を、全食品・肉類・穀類・野菜・果物の順で、それぞれランキング形式で紹介します。

全食品中でビタミンB1を多く含む食品ランキング

順位食品名成分量100gあたりmg
1調味料及び香辛料類/酵母/パン酵母、乾燥8.81
2穀類/こめ/[その他]/米ぬか3.12
3調味料及び香辛料類/<その他>/酵母/パン酵母、圧搾2.21
4肉類/ぶた/[大型種肉]/ヒレ、赤肉、焼き2.09
5穀類/こむぎ/[その他]/小麦はいが1.82
6種実類/ひまわり/フライ、味付け1.72
7種実類/けし/乾1.61
8穀類/こむぎ/[即席めん類]/即席中華めん/油揚げ味付け1.46
9肉類/ぶた/[大型種肉]/ヒレ/赤肉、生1.32
10種実類/ごま/むき1.25
日本食品標準成分表2015年版(七訂)より抜粋

ビタミンB1を特に多く含む食品は、豚肉・大豆・うなぎ・玄米など。そのほかにも、乾燥酵母・全粒穀物・シリアル・ナッツ類・豆類・ジャガイモなどに豊富に含まれています。

ビタミンB1を多く含む肉類ランキング

順位食品名成分量100gあたりmg
1ぶた/[大型種肉]/ヒレ、赤肉、焼き2.09
2ぶた/[大型種肉]/ヒレ/赤肉、生1.32
3ぶた/[中型種肉]/ヒレ/赤肉、生1.22
4ぶた/[大型種肉]/もも/皮下脂肪なし、焼き1.19
5ぶた/[大型種肉]/ヒレ、赤肉、とんかつ1.09
6ぶた/[中型種肉]/もも/赤肉、生1.01
7ぶた/[中型種肉]/もも/皮下脂肪なし、生0.98
8ぶた/[中型種肉]/ロース/赤肉、生0.96
8ぶた/[大型種肉]/もも/赤肉、生0.96
10ぶた/[ひき肉]/焼き0.94
10ぶた/[大型種肉]/もも/皮下脂肪なし、生0.94
日本食品標準成分表2015年版(七訂)より抜粋

肉類の中でビタミンB1を豊富に含んでいるのは豚肉であり、なかでもヒレ肉の含有量が優秀です。同量で比較すると、ロース肉のおよそ2倍のビタミンB1を含有しています。

ビタミンB1を多く含む穀類ランキング

順位食品名成分量100gあたりmg
1こめ/[その他]/米ぬか3.12
2こむぎ/[その他]/小麦はいが1.82
3こむぎ/[即席めん類]/即席中華めん/油揚げ味付け1.46
4こむぎ/[即席めん類]/中華スタイル即席カップめん/油揚げ0.68
5こむぎ/[即席めん類]/中華スタイル即席カップめん/油揚げ、焼きそば0.56
5あわ/精白粒0.56
7こむぎ/[即席めん類]/即席中華めん/油揚げ0.55
8そば/そば粉/表層粉0.5
9こむぎ/[玄穀]/輸入/軟質0.49
10ライむぎ/全粒粉0.47
日本食品標準成分表2015年版(七訂)より抜粋

穀類の中でビタミンB1を最も多く含むのは米ぬかですが、普段の食事に取り入れることを考えると2位の小麦胚芽の方が現実的でしょう。

ビタミンB1を多く含む野菜ランキング

順位食品名成分量100gあたりmg
1きく/菊のり0.73
2トマト/ドライトマト0.68
3らっかせい/未熟豆、生0.54
4とうがらし/果実、乾0.5
5かぶ/漬物/ぬかみそ漬/根、皮むき0.45
6えんどう類/グリンピース/生0.39
7だいこん類/切干しだいこん/乾0.35
8だいこん類/漬物/ぬかみそ漬0.33
9かぶ/漬物/ぬかみそ漬/葉0.31
9えだまめ/生0.31
9えんどう類/ グリンピース、冷凍、油いため0.31
日本食品標準成分表2015年版(七訂)より抜粋

野菜の中でビタミンB1を最も多く含むのは、干し菊(菊のり)です。

ただしあくまで100gあたりの成分量であり、ある程度の量を食べることを考えるとドライトマトやかぶのぬか漬けなどの方が、普段の食事に取り入れやすいでしょう。

ビタミンB1を多く含む果物ランキング

順位食品名成分量100gあたりmg
1ドリアン/生0.33
2くこ、実、乾0.28
3マンゴー/ドライマンゴー0.27
4きはだ、実、乾0.17
5ブルーベリー/乾0.12
5ぶどう/干しぶどう0.12
7かんきつ類/はるみ/砂じょう、生0.11
7マンゴスチン/生0.11
7パインアップル/焼き0.11
10いちじく/乾0.1
10かんきつ類/きんかん/全果、生0.1
10かんきつ類/きよみ/砂じょう、生0.1
10かんきつ類/うんしゅうみかん/じょうのう/普通、生0.1
10かんきつ類/オレンジ/福原オレンジ/砂じょう、生0.1
10かんきつ類/オレンジ/バレンシア/米国産/砂じょう、生0.1
10なつめ/乾0.1
10アボカド/生0.1
日本食品標準成分表2015年版(七訂)より抜粋

果物の中でビタミンB1を最も豊富に含むのはドリアンでした。しかし1位のドリアンでも100gあたり0.33mgとそこまで豊富とは言い難い含有量です。

ビタミンB1の摂取推奨量を満たすためには、果物はあくまでも補助と考えた方がよいでしょう。

ビタミンB1を効率よく摂取するおすすめレシピ

ビタミンB1を効率よく摂取したい場合には、ビタミンB1を比較的豊富に含んでいる穀類などを中心に考えることが大切です。

前述の通り、主食を玄米に変えるだけでも1日の摂取目安量は達成できますし、全粒粉100%のパンケーキなどを焼けばさらに効率的に摂取できます。

また、肉の中では特に豚肉に豊富に含まれていますので、生姜焼き・野菜炒め・豚肉の冷しゃぶサラダなどで、積極的に摂取していきましょう。

なお、ビタミンB群はできるだけまとめて摂取することが望ましいため、ビタミンB群サプリメントなどで複合的に補うのも効果的です。