おからの栄養と効果効能・調理法・保存法

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Okara

おからの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、似た食品との違い、おからに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

おからとは

おから(Okara)とは、豆腐作りの過程でできる副産物です。すりつぶし茹でた大豆をしぼった液体が豆乳、残ったかすがおからになります。豆腐は、しぼった豆乳ににがりを加えて固めたものです。

おからは真っ白な見た目が特徴的で、漢字では「雪花菜」と書きます。これは「きらず」とも読み、包丁を使わずに調理できることが由来しているそうです。白い花を咲かせる卯の花に似ていることから、「卯の花」の名で呼ばれることもあります。

おからは、日本や中国などの東アジア一帯では馴染み深い食品で、日本では江戸時代に一般化しました。当時の料理本には、数多くのおから料理が記載されていたと言われています。

おからといえば代表的な料理は炒り煮ですが、最近ではヘルシー食品として注目されています。小麦粉の代わりに使えるので、小麦アレルギーの人でも食べられるケーキやクッキーなどのお菓子づくりに活用されています。

おからの品種・種類

おからは加工方法によっていくつかの種類があります。

生おから

生おからは豆乳をしぼってすぐの状態のおからで、しっとりと湿っているのが特徴です。水分が多いためあまり日持ちしませんが、大豆の風味をより強く感じられます。

主にスーパーの豆腐売り場や、豆腐専門店などで買うことができます。

乾燥おから

生おからをすばやく乾燥させたものを、乾燥おからと呼びます。生おからに比べ保存性に優れ、長持ちするので便利です。

粉末タイプなので食材にふりかけても活用できますし、水で戻せば生おからと同様に料理へ使えます。活用の幅が広く、使い勝手の良い加工品です。

おからパウダー

おからパウダーは、乾燥おからをさらに細かくして乾燥させたものです。粒度が細かいので、飲み物や味噌汁にふりかけても食感を邪魔しません。

粒子の大きさが均一なため、小麦粉の代用品としてお菓子づくりにも活用しやすい食品です。

おからに含まれる成分・栄養素

おから100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

おからはタンパク質・食物繊維・ミネラル・ビタミンがバランスよく含まれています。特にタンパク質は、豆腐に匹敵するほどの含有量を誇ります。

とりわけ豊富に含まれるのは食物繊維。ごぼうの約2倍の含有量で、豆腐よりも多く含まれています。おからの炭水化物には腸内フローラを整えるオリゴ糖も多く含まれるため、さらなる整腸作用が期待できるでしょう。

成分表を見ると、おからは糖質とカロリーが低めでヘルシーな食品ということがわかります。低糖質低カロリーなうえに、高タンパク質なのでダイエットにも最適です。

豆乳との栄養価の違い

おからは豆乳に比べ、タンパク質・食物繊維の含有量が高い食品です。カリウムやカルシウム、ビタミンB1などの値も優れているため、おからのほうが栄養価の高さでは利点があると言えるでしょう。

しかし、特定の食品ばかり食べるのではなく、栄養のバランスを考えていろいろな食品を取り入れるのが適切です。豆乳は食生活に取り入れやすいというメリットがあるので、うまく使い分けるようにしましょう。

食 品 名単位おから 生おから 乾燥
廃 棄 率%00
エネルギーkJ3631377
kcal88333
水 分g75.57.1
たんぱく質アミノ酸組成によるたんぱく質g5.4-20.2
たんぱく質g6.123.1
脂質脂肪酸のトリアシルグリセロール当量g-3.4-12.7
コレステロールmg00
脂質g3.613.6
炭水化物利用可能炭水化物(単糖当量)g0.6-2.2
g
利用可能炭水化物(質量計)g0.5-2.1
差引き法による利用可能炭水化物g3.212.6
**
食物繊維総量g11.543.6
糖アルコールg
炭水化物g13.852.3
有機酸g
灰分g13.8
無機質ナトリウムmg519
カリウムmg3501300
カルシウムmg81310
マグネシウムmg40150
リンmg99380
mg1.34.9
亜鉛mg0.62.3
mg0.140.53
マンガンmg0.41.52
ヨウ素μg14
セレンμg14
クロムμg14
モリブデンμg45170
ビ タ ミ ンレチノール(ビタミンA)μg00
α|カロテンμg00
β|カロテンμg00
β|クリプトキサンチンμg00
β|カロテン当量μg00
レチノール活性当量μg00
ビタミンDμg00
α-トコフェロールmg0.41.5
β-トコフェロールmg0.10.4
γ-トコフェロールmg2.811
δ-トコフェロールmg0.41.5
ビタミンKμg830
ビタミンB1mg0.110.42
ビタミンB2mg0.030.11
ナイアシンmg0.20.8
ナイアシン当量mg1.6-5.9
ビタミンB6mg0.060.23
ビタミンB12μg00
葉 酸μg1453
パントテン酸mg0.311.18
ビ オ チ ンμg4.116
ビタミンCmgTrTr
アルコールg
食塩相当量g0Tr
備 考
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

おからの効果・効能

おからに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

カルシウムが骨を強化

おからにはカルシウムが豊富に含まれています。カルシウムは骨を構成する主要成分のため、摂取すれば丈夫な骨作りに役立つでしょう。

さらに、マグネシウム・リン・ビタミンKなどの栄養素が豊富なので、骨の形成を強力にサポートしてくれます。

カルシウムの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

植物性タンパク質の健康作用

おからの原料は大豆なので、植物性タンパク質が多く含まれています。ソイプロテインとも呼ばれ、腹持ちの良さからダイエットにも向いている栄養素です。

さらにソイプロテインには大豆イソフラボンが含まれており、骨粗鬆症や乳がんの発症リスク軽減が期待できます。

ソイプロテインの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

食物繊維とオリゴ糖の整腸作用

おからに含まれる食物繊維とオリゴ糖は、腸の働きを整える作用があります。

食物繊維は胃で消化されず大腸まで届き、腸のぜん動運動を促してくれる栄養素です。一方、オリゴ糖は大腸でビフィズス菌のエサとなり腸内フローラを整えてくれます。

食物繊維の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率のよい摂取方法|NANIWA SUPLI MEDIA

オリゴ糖の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

大豆レシチンが疾患予防に役立つ

おからには、大豆レシチンという脂質の一種が含まれています。レシチンは神経伝達物質の生成や脂質代謝に関わり、さまざまな疾患を予防する働きが期待されている栄養素です。

例えば血中コレステロールの値を低下させ、動脈硬化の発症リスクを低下させます。また、脳組織を活性化させることでアルツハイマー型認知症の予防にもつながります。

サポニンの抗酸化作用

おからにはサポニンと呼ばれる栄養素が含まれます。サポニンは渋味や苦味のもととなり、高い抗酸化作用を持っている成分です。

老化やがんの原因となりえる過酸化脂質の生成を抑える作用が期待されています。

おからの食べ方や注意点

おからの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

おからの活用方法は幅広い

おからは味に癖がないので、どんな料理にも使いやすいのがメリットです。しかも低糖質低カロリーのため、置き換え食品としても活用できます。

例えば、じゃがいもの代わりにおからを使うことでポテトサラダ風にしたり、おからパウダーを唐揚げの衣として活用したりするとヘルシーな料理に早変わり。ハンバーグに混ぜればかさ増しにもなります。

炒り煮は油が決め手

おからの代表といえば炒り煮ですが、パサパサとした食感が苦手な人も多いかと思います。しっとりとした炒り煮を作るには、炒める際の油が重要です。油を少し多めに入れることで、口当たりの良い炒り煮に仕上がります。

おからに含まれるビタミンEは脂溶性のビタミンなので、油をよく絡めることで吸収効率もアップ。ビタミンEの持つ抗酸化作用をより引き出せるでしょう。

乾燥おからの調理ポイントはだし汁

乾燥おからを使う際は、油分や水分を吸いやすいので注意しましょう。油の摂取量を制限している人や、調味料の使いすぎを気にする人はだし汁を活用するのがおすすめです。

だし汁をおからによく吸い込ませることでしっとりした食感も維持できますし、減塩にもつながります。

おからパウダーの活用方法

おからパウダーはダイエットに活用しやすい食品です。水分を吸えば胃で膨らみ満足感を与えてくれるだけでなく、食物繊維の作用で血糖値の上昇を防いでくれます。

毎食前におからパウダーを大さじ1杯から2杯ほど食べる方法は取り組みやすいでしょう。食べたあとはコップ1杯程度の水を飲むとさらに良し。

そのほか、ヨーグルトや飲み物、スープにおからパウダーを混ぜる方法も手軽なので試してみてください。

おからの保存方法

おからの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

おからは加工状態によって保存期間や方法が異なりますので、下記を参考にしてみてください。

乾燥おから・おからパウダー

乾燥おからやおからパウダーなど乾燥しているタイプは、生おからに比べ保存性が高いです。商品により賞味期限は異なりますが、約1ヶ月ほど日持ちします。

未開封でも開封後でも常温で保存が可能ですが、開封後はパッケージごと保存袋に入れ空気をしっかり抜いてから保存してください。

いずれも直射日光や高温多湿を避け、冷暗所に保存します。室温が高くなりやすい夏場は冷蔵保存でも構いません。

生おから

生のおからは長持ちしないのがネックです。冷蔵保存では2日から3日ほどしか日持ちません。

長く保存したい場合は冷凍保存しましょう。豆腐は冷凍するとスが入ってしまいますが、おからは変質しないので冷凍保存に向いている食品です。

保存する際はラップで小分けにするのがコツ。1cmくらいの厚みになるよう平らにしてから保存袋に入れ、空気をしっかり抜いて冷凍させましょう。冷凍保存期間は1週間から10日ほどです。さらに長期保存させる場合は、冷凍前に乾煎りして乾燥させると保存期間を1ヶ月まで伸ばせます。

いずれも調理に使う際は凍ったまま加熱調理に活用できます。ハンバーグのタネに使う場合は、自然解凍してから混ぜ合わせましょう。

参考文献