ひよこ豆の栄養と効果効能・調理法・保存法

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ひよこ豆

ひよこ豆の旬や原産地、主要な品種などの基本情報、ひよこ豆に含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

ひよこ豆とは

ひよこ豆は、マメ科ヒヨコマメ属に分類される植物の種子部分です。

くちばしのような突起があり、ひよこに似ていることから英語ではChickpeasと表記されます。和名のひよこ豆は、Chickpeasを直訳した名称です。栗のようにほくほくとした食感なので、「栗豆」と呼ばれることもあります。

現在、日本で市販されているひよこ豆はメキシコやアメリカからの輸入品がほとんどで、国内ではほとんど栽培されていません。原産地は地中海地方や中東と言われています。

インドやトルコでは家庭料理として使用され、代表的な料理はひよこ豆をペースト状にした「フムス」です。インドにはひよこ豆を粉末状にした「ベサン」と呼ばれる加工品もあり、小麦粉と同様に菓子の生地や揚げ物の衣に使われます。

そのほか、スープやカレーなどの煮込み料理に使われることが多い食品です。

ひよこ豆の品種・種類

ひよこ豆は大粒種と小粒種の品種がありますが、味に大きな違いはありません。

大粒種は日本に輸入されるひよこ豆の大半を占めており、10~13mmほどの大きさで見た目は肌色です。一方、小粒種は7~10mmほどの大きさで濃い褐色をしています。

加工方法による種類の違い

ひよこ豆はさまざまな方法で加工されています。ここでは日本で市販されている主な加工品について紹介します。

乾燥ひよこ豆

乾燥させたタイプのひよこ豆は、料理に使う前に水で戻す必要があります。手間はかかりますが、のちに紹介する水煮缶と比較すると価格帯が安い傾向があります。

ひよこ豆の水煮

水煮のひよこ豆はあらかじめ煮てあるので、下処理の必要がなくそのまま料理に使えます。缶やパックの状態で販売されていることが多いタイプです。

ひよこ豆に含まれる成分・栄養素

ひよこ豆100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

ひよこ豆には多くの栄養素がバランスよく含まれています。ビタミンでは葉酸の含有量が顕著で、ほかにもミネラルやタンパク質、食物繊維が豊富です。

成分表を見ると乾燥タイプのひよこ豆は100gあたり20gのタンパク質が含まれ、肉や大豆に匹敵するほどの含有量を誇ります。

さらに飽和脂肪酸の値が低く、コレステロールが含まれていないため脂肪分が低いのも特徴。高タンパク低脂肪の食品は、体を鍛えている人にとって重宝するでしょう。

食品名単位ひよこまめ 全粒 乾ひよこまめ 全粒 ゆでひよこまめ 全粒 フライ 味付け
廃 棄 率%000
エネルギー(kcal)kcal/100 g374171419
エネルギー(kJ)kJ/100 g15657151753
水 分g/100 g10.459.64.6
タンパク質g/100 g209.518.8
アミノ酸組成によるタンパク質g/100 g-16.7-8-15.7
脂 質g/100 g5.22.510.4
トリアシルグリセロール当量g/100 g4.32.18.1
飽和脂肪酸g/100 g0.560.281.24
一価不飽和脂肪酸g/100 g1.480.723.19
多価不飽和脂肪酸g/100 g2.0413.28
コレステロールmg/100 g000
炭水化物g/100 g61.527.462.6
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g41.320-44.8
水溶性食物繊維g/100 g1.20.51.1
不溶性食物繊維g/100 g15.111.119.9
食物繊維総量g/100 g16.311.621
灰 分g/100 g2.913.6
ナトリウムmg/100 g175700
カリウムmg/100 g1200350690
カルシウムmg/100 g1004573
マグネシウムmg/100 g14051110
リンmg/100 g270120370
mg/100 g2.61.24.2
亜鉛mg/100 g3.21.82.7
mg/100 g0.840.290.78
マンガンmg/100 g1.12.2
ヨウ素µg/100 g1Tr
セレンµg/100 g115
クロムµg/100 g11
モリブデンµg/100 g15056
レチノールµg/100 g000
α-カロテンµg/100 g00
β-カロテンµg/100 g174
β-クリプトキサンチンµg/100 g3
β-カロテン当量µg/100 g19174
レチノール活性当量µg/100 g21Tr
ビタミンDµg/100 g000
α-トコフェロールmg/100 g2.51.71.9
β-トコフェロールmg/100 g0.100.1
γ-トコフェロールmg/100 g7.76.59.2
δ-トコフェロールmg/100 g0.60.21.1
ビタミンKµg/100 g9623
ビタミンB1mg/100 g0.370.160.21
ビタミンB2mg/100 g0.150.070.1
ナイアシンmg/100 g1.50.40.7
ビタミンB6mg/100 g0.640.180.5
ビタミンB12µg/100 g000
葉酸µg/100 g350110100
パントテン酸mg/100 g1.770.480.35
ビオチンµg/100 g21.48.9
ビタミンCmg/100 gTrTrTr
食塩相当量g/100 g001.8
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g
重量変化率%220
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ひよこ豆の効果・効能

ひよこ豆に含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

神経管閉鎖障害やアルツハイマー病を予防する葉酸

ひよこ豆にはビタミンB群に属する葉酸が豊富に含まれています。葉酸は胎児の神経管閉鎖障害を予防する作用が期待され、妊娠初期には積極的な摂取が勧められる栄養素です。

神経管閉鎖障害の発生率を低減させるメカニズムは、葉酸の摂取によりホモシステイン濃度が低下するためと考えられています。あらゆる論文でも、葉酸サプリメントの摂取後は血中のホモシステイン値が低下することがわかりました。

ホモシステインはアルツハイマー病や動脈硬化などの発症リスクを高めるため、葉酸摂取は予防法の1つとして注目されています。

体のあらゆる組織を構成するタンパク質

ひよこ豆にはタンパク質が豊富に含まれています。タンパク質は筋肉や皮膚、臓器など体のあらゆる部分を構成する大切な栄養素です。

体内でタンパク質を合成するには20種類のアミノ酸が必要ですが、豆類には必須アミノ酸のリジンが多く含まれている傾向があります。

ごはんやパンはリジンの含有量が少ないため、ひよこ豆を合わせて食べれば不足しがちな栄養を補うことができるでしょう。

塩分の摂りすぎを抑制するカリウム

ひよこ豆にはカルシウムやマグネシウムなど体の健康を維持するためのミネラルが多く含まれていますが、特に豊富に含まれるのがカリウムです。

カリウムは細胞内の浸透圧を調節する過程で、ナトリウムの排出を行います。塩分の摂りすぎを防ぐため、むくみ防止効果も期待できるでしょう。

低GI値で糖尿病予防にも

豆類はGI値の低さが有名ですが、ひよこ豆も例外ではありません。GI値とは糖質の吸収度合いを示す数値で、低いほど食後の血糖値が上がりにくくなります。

ひよこ豆はカロリーが高い傾向にありますが、GI値が低いため糖尿病予防に適した食品と言えるでしょう。

さらに、ひよこ豆に含まれる食物繊維にも血糖値の上昇を抑制する作用があります。食物繊維は保水性が高いことから満腹感も感じやすく、ダイエットにも役立ちます。

食物繊維のコレステロール低下作用

食物繊維の主な作用は整腸作用です。胃で消化されずに大腸まで届く栄養素のため、便の体積を増やし、腸のぜん動運動を促してくれます。

食物繊維は上記の過程で、胆汁酸の排出も同時に行います。胆汁酸の排出に伴い、新しい胆汁酸が合成されるため、結果的に血中のコレステロール値が下がります。

コレステロール値が高いと動脈硬化や脳梗塞の危険が高まるため、食物繊維が豊富に含まれる食品は積極的に摂取すべきでしょう。

糖質と脂質代謝を促すビタミンB1

ビタミンB1は体内で糖や脂質の代謝に関わる栄養素です。欠乏することで起こる病気としては脚気が有名で、糖質の代謝異常が原因と言われています。

ビタミンB1の作用はあらゆる論文で成果が報告されていて、豚の飼料に脂肪とビタミンB1を加えたところ肝臓の脂肪蓄積が抑制されたという研究結果もあります。

ひよこ豆の食べ方

ひよこ豆の栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

ひよこ豆の戻し方

乾燥タイプのひよこ豆は調理しやすい柔らかさに戻すため、ひと晩ほど水に浸ける必要があります。乾燥状態のひよこ豆は水分をかなり吸収するため、適宜水を足すようにしてください。

2~3倍に膨らんだら、戻し汁ごと約20分ほど煮込んで下処理は完了です。煮汁ごとスープやカレーに使うと良いでしょう。

ひよこ豆の調理方法

ひよこ豆は煮込み料理に使ったり、そのままサラダのトッピングにしたりなどの調理方法が一般的ですが、揚げ物や炒め物にも活用できます。

ひよこ豆をミキサーで撹拌して丸めて揚げれば、中東料理の「ファラフェル」の完成です。スパイスと合わせて炒めれば、ちょっとしたおつまみにもなります。

ひよこ豆の豆腐に健康効果

ひよこ豆を使って自家製豆腐を作ることも可能です。ひよこ豆は粘度が高いためにがりを使わず作れ、大豆の豆腐より濃厚な味わいになります。

ひよこ豆の豆腐は調理が簡単なだけでなく、健康作用にも期待ができます。共立女子大学が実施した調査では、ひよこ豆を使った発酵食品は味噌と同程度の血圧降下作用が見られました。

ひよこ豆の食べ方

日本ではあまり馴染みのないひよこ豆ですが、味に癖がないのでさまざまな食べ方ができます。おすすめの食べ方がひよこ豆を使った豆ごはんです。

ごはんに混ぜるとかさ増しになるうえ、歯ごたえの良さから咀嚼回数が増え満腹感につながります。

ひよこ豆を調理する際の注意点

ひよこ豆の水煮を使う場合は、塩分に気を付けましょう。煮汁をそのまま使用する場合は、調味料の量を調節してください。気になる方は、食塩無添加の製品を選ぶようにしましょう。

ひよこ豆を食べる際の注意点

ひよこ豆は脂質は少ないですが、糖質が多いためカロリーも高い傾向にあります。食べすぎるとカロリーをオーバーしてしまう可能性があるので注意しましょう。

また、食物繊維が豊富なので、まれにお腹が緩くなってしまうときがあります。食べる量は上手にコントロールしてください。

ひよこ豆の保存方法

ひよこ豆の栄養素を損なわない保存方法を解説します。

ひよこ豆は乾燥タイプも、水煮タイプも未開封の場合は常温で保存が可能です。開封後の保存方法は以下を参考にしてみてください。

乾燥ひよこ豆の保存方法

乾燥タイプの場合は保存期間が長く約2年は持ちますが、開封後は乾燥剤を入れて保存しましょう。ビニール袋で保存すると湿気がこもりやすくなるので、瓶などに移し変える方法もおすすめです。

高温の場所は品質が劣化しやすいため必ず冷暗所に置いてください。常温でも構いませんが、冷蔵庫の野菜室に入れるとより長持ちしやすいです。

水煮ひよこ豆の保存方法

水煮のひよこ豆は未開封の場合でも数ヶ月しか保存できず、開封後は冷蔵保存で2日から3日しか日持ちしません。

冷凍保存の場合は約2ヶ月は持ちますので、密閉容器に入れて保存しましょう。

スープなどの煮込み料理に使う際は、解凍せずにそのまま使用できます。サラダのトッピングに使いたい場合はレンジを利用するか、しばらく冷蔵庫に入れて解凍してください。

参考文献