ナイアシンのダイエット効果を徹底解説【効率よく摂取する方法も紹介】

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ダイエットに効果的な栄養素1

糖質や脂質の代謝を助けるビタミンB群の一種「ナイアシン」が持つ、ダイエット効果や美容効果について徹底解説します。

ナイアシンが不足しやすい人の特徴や、ナイアシンを多く含む代表的な食品を紹介。さらにナイアシンを効率よく摂取する方法まで解説します。

肩こり解消や冷え性対策として注目のナイアシンフラッシュにも触れますので、ダイエットを目的としてナイアシンサプリの摂取を検討している方は合わせて参考にしてください。

ナイアシンとは

ナイアシン(niacin)は、ビタミンB1・B2・B6・B12、パントテン酸、葉酸、ビオチンなどと同じビタミンB群の仲間です。3番目に見つかったビタミンB群なので、ビタミンB3とも呼ばれます。

ほかのビタミンB群と同じく、補酵素として糖質・脂質・タンパク質の代謝を促進する働きがあります。

さらにナイアシンは体内のさまざまな物質の生合成に関与することから、うつなどの精神病や、アルコール依存症などへの臨床応用が期待されている栄養素です。

なおナイアシンと呼ぶ場合、ナイアシンアミド(ニコチンアミド)とナイアシン(ニコチン酸)を総称して扱うのが一般的。ナイアシンという名称は、ニコチン酸ビタミン(NIcotinic ACid vitamIN=NIACIN)の略称で、タバコなどに含まれる有害物質であるニコチンと区別するためにナイアシンと名付けられました。

ナイアシンがダイエットに効果を発揮する理由

なぜナイアシンが、ダイエットに効果のある栄養素として注目されるのでしょうか?ナイアシンがダイエットに効果を発揮すると考えられる理由を、ひとつずつ解説していきます。

三大栄養素の代謝・エネルギーづくりを促進

ナイアシンは、「食べすぎていないのになかなかダイエットが成功しない」という人に、特に効果的に働く可能性があります。

ナイアシンは、酵素の働きをサポートして、三大栄養素である糖質・脂質・タンパク質からエネルギーを作り出すために不可欠な栄養素です。

糖質・脂質・タンパク質は本来重要なエネルギー源ですが、摂取しすぎると体脂肪や内臓脂肪として蓄積してしまいます。従来のダイエットでは、こうした糖質や脂質を控えることによってダイエットするというのが一般的でした。

しかし、食べすぎていないのにダイエットが成功しない人は、ナイアシンを始めとするビタミンB群が不足している可能性があります。

ビタミンB群が不足すると、エネルギー源となる栄養素を十分にエネルギーに変換することができず、食べすぎていなくても体に脂肪が蓄積してしまうのです。

血行を促進して体脂肪燃焼に役立つ

ナイアシンの摂取が、血中脂質やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減少させることが研究報告から分かっています。

研究では、高脂血症患者や冠状動脈疾患患者を対象に、一定期間一定量のナイアシンを摂取させたところ、血中グリセリド(血中脂質)やLDLコレステロールが減少し、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が増加しました。

これらの結果は、脂質代謝改善効果・動脈硬化予防効果・高コレステロール血症予防効果などの働きをナイアシンが持つことを示唆しています。

脳内物質の生成を促し精神安定に役立つ

ナイアシンは、セロトニン・ドーパミン・GABAなどの脳内神経伝達物質の生成に必要な補酵素であり、精神安定を保つために重要なビタミンです。

適切なダイエットを続けるためには、運動や食事だけでなく精神安定の維持も見過ごせない要因であり、精神バランスの維持に役立つ点からもナイアシンはダイエットに効果的と考えられます。

特に、体内でナイアシンが不足したときの補充に使われるセロトニンは、別名幸せホルモンと呼ばれる物質で、安心感・リラックス・幸福感などをもたらす働きがあります。さらに、セロトニンはメラトニンという睡眠ホルモンの生成にも関わっており、セロトニンの減少を抑制することが質の良い睡眠の確保にもつながります。

肌荒れ予防・美肌に

ダイエットに直結する作用ではありませんが、ダイエットと同じく美容に関連のある効果として、ナイアシンは美肌にも効果をもたらすことが示唆されています。

ナイアシンに期待される美容効果は次の通りです。

  • 皮脂をコントロールして皮膚や粘膜の炎症を防ぐ
  • ニキビなどの肌荒れを予防・改善する
  • ニキビ跡や色素沈着を改善する
  • 肌にうるおいを与えるセラミド生成を促して乾燥肌を改善する
  • 肌にハリを与えるコラーゲン生成を促してシワを改善する
  • シミの原因となるメラニン生成を抑えて肌を明るくする

ナイアシンが不足しやすい人の特徴

ナイアシンの1日の摂取目安量は、成人男性が11~13mg、成人女性が9~10mg、授乳婦はさらに+3mgとなっています。ナイアシンはさまざまな食品に含まれているため、一般的な食生活を送る人で不足・欠乏することは稀です。

実際に、平成27年国民健康・栄養調査における日本人のナイアシンの1日の摂取量の平均は14.6mgNE(ナイアシン当量)と、摂取目安量を上回っていました。

しかし、下記に当てはまる人はナイアシンが不足しやすいため、普段から意識的にナイアシンを摂取するようにしましょう。

  • 肉や魚をあまり食べない
  • お菓子やインスタント食品で済ませることが多い
  • アルコールをよく飲む
  • アルコールを飲むときに食べない

特に気を付けたいのが、アルコールの摂取です。ナイアシンは、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する際にも補酵素として働くため、お酒を普段からよく飲む人は飲まない人に比べてより多くのナイアシンを消費します。

アルコールを飲む頻度や量が多く、二日酔いや頭痛・吐き気などの症状を感じやすい人は、ナイアシンが不足しているかもしれません。

ナイアシンを多く含む食品

ナイアシンを多く含む食品を紹介します。食品からナイアシンを摂取する際は、ここでご紹介する食品を参考にしてください。

鶏肉(鶏むね肉、鶏ささみ):18.4mg/100g

肉類の中でも特にナイアシンを豊富に含んでいるのが、鶏むね肉や鶏ささみです。100gあたり18.4mgのナイアシンを含んでおり、およそ60g食べれば摂取目安量を満たすことができます。

そのため、毎日の食事にサラダチキンを1つ取り入れるだけで、十分にナイアシン不足を補うことができるでしょう。サラダチキンはコンビニやスーパーでも買えるので、仕事中のお昼ご飯などに取り入れるのもおすすめです。

ただしダイエットのためにサラダチキンを食べる場合は、脂質の含有量に注意してください。皮なし鶏むね肉の脂質が100gあたり1.9gであるのに対し、商品によっては4gほどの脂質を含むサラダチキンもあります。

これは、食べにくさを解消するために人工的に脂質を加えているためだと考えられますが、ダイエットのために食べるならなるべく脂質の少ないものを選ぶに越したことはありません。なかには脂質が1g以下に抑えられたサラダチキンもありますので、ぜひ栄養成分表示をチェックしてみてください。

豚レバー・豚肉:17.8mg/100g

豚レバーは、ナイアシンを多く含む代表的な食品のひとつです。レバーだけでなく、豚肉にも同程度にナイアシンが含まれているので、ナイアシンの摂取量だけで考えればどちらか食べやすい方を選べば問題ありません。

ただし、レバーにはビタミンAが豊富に含まれるため、食べすぎには注意しましょう。ビタミンAを摂り過ぎるとビタミンA過剰症を引き起こす可能性があります。ビタミンAの過剰摂取による副作用の詳細は、下記記事をご覧ください。

ビタミンAの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・おすすめレシピ|NANIWA SUPLI MEDIA

焼きたらこ:56.9mg/100g

焼きたらこには、全食品の中でトップクラスのナイアシンが含有されています。2~3切れ食べるだけで、ナイアシンの摂取目安量を達成できるでしょう。

ただし、たらこを含め魚卵には、塩分やコレステロールといった過剰摂取が懸念される栄養素も多く含まれています。食べすぎには注意しましょう。

カツオ(刺身):19.0mg/100g

魚介類の中では、カツオの刺身が最も多くナイアシンを含んでいます。かつお節にもナイアシンが多く含まれているので、薬味やだしとして積極的に活用すると良いでしょう。

ただし、カツオの刺身にもかつお節にも、プリン体がそれなりに多く含まれている点には注意が必要です。痛風などで尿酸値に気を付けている方は避けた方が良いでしょう。

ピーナッツ:23.1mg/100g

ナイアシンを多く含む食品の中でも、特に手軽に摂取できる代表的な食品がピーナッツです。カロリーも豊富なため食べすぎには注意が必要ですが、1日20粒ほど食べればおよそ2mgのナイアシンを補給でき、サポートとしては十分な量が確保できます。

食べやすく太りにくいので、健康のために食べているという人も多く、豊富に含まれる食物繊維による整腸作用なども期待できます。

ピーナッツの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

ドライトマト:12.9mg/100g

野菜の中では、ドライトマトが特にナイアシンを豊富に含んでいます。ドライトマトには、美容に効果的なビタミンCや、ダイエットに効果的なリコピンも豊富に含まれていますので、ぜひ積極的に摂取したい食材です。

ただし、ドライトマトは意外とカロリーが高く、塩トマトなどの加工品を食べる場合は塩分の摂り過ぎなども気になります。

ドライトマトの摂取量は1日あたり5~6個を目安に、食べすぎには気を付けましょう。

トマトの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

エリンギ(焼き):9.1mg/100g

きのこ類にも多くのナイアシンが含まれます。なかでも特にナイアシンを多く含んでいるのが、焼きエリンギや生ひらたけなどです。動物性食品やピーナッツに比べるとやや劣る含有量ですが、副菜として加えることでナイアシンの補給をサポートしてくれるでしょう。

エリンギ以外のきのこ類に含まれるナイアシンの量は次の通りです。

  • えのきたけ:7.2mg/100g
  • ひらたけ:10.7mg/100g
  • ぶなしめじ:7mg/100g

その他のナイアシンを多く含む食品ランキング

その他のナイアシンを多く含む食品については、下記ページの「ナイアシンを多く含む食品ランキング」の項もご覧ください。

ナイアシンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

ナイアシンのダイエット効果を活かす方法

ナイアシンのダイエット効果や美容効果を最大限活かすために、ナイアシンを効率よく摂取する方法を解説します。

動物性食品を中心に献立を考える

ナイアシンは動物性食品により多く含まれている傾向があるので、献立を考える際は動物性食品を中心に考えてください。

日頃から肉や魚を避けている人は、鶏むね肉や鶏ささみ、カツオの刺身などを積極的に取り入れるようにしてみましょう。

動物性食品には、ナイアシンの原料となるトリプトファンも含まれているため、より効率的に摂取できます。

水に溶けやすいので煮汁ごと食べよう

ナイアシンは水溶性ビタミンなので、茹で調理などを行うと多くのナイアシンが煮汁に溶け出してしまいます。そのため、スープや鍋、味噌汁など汁ごと食べられる料理を選ぶようにしましょう。

なお、ナイアシンはビタミンとしては珍しく加熱してもほとんど損なわれない栄養素なので、加熱調理を行っても問題ありません。

蓄積しないので毎日の食事に取り入れる

ナイアシンを含む水溶性ビタミンは、過剰に摂取しても尿から排出されてしまうため、なるべく毎日の食事にナイアシンを多く含む食品を取り入れて、普段から十分なナイアシンを補給できるようにしましょう。

なお、ナイアシンをサプリによって過剰摂取することで引き起こされるナイアシンフラッシュについては後述します。

適度な運動習慣をセットで取り入れる

ナイアシンに限らず、脂肪燃焼効果などによってダイエットに役立つとされる栄養素はさまざまありますが、いずれも適切な生活習慣や適度な運動習慣と組み合わせることが不可欠です。

運動不足の自覚がある人は、簡単なストレッチなどを習慣づけて、日頃から身体を動かすことを心がけましょう。

ナイアシンサプリを摂取する場合の注意点

食品から摂取する程度の量であれば基本的に過剰摂取の心配はありませんが、サプリからナイアシンを摂取しようとする場合は、いくつか注意すべき点があります。

ナイアシンフラッシュに注意

100mgや500mgといった高容量のナイアシンサプリを飲むと、顔や肌が赤くなり、肌表面にかゆみを生じたり、ヒリヒリ・チクチクとした日焼けしたときのような軽い痛みを生じたりといった症状を引き起こすことがあります。

これはナイアシンフラッシュと呼ばれるもので、急激に血行が促進されたため起こる症状です。ナイアシンフラッシュ自体に害はないため、血行促進効果を利用して、手足の冷え改善・睡眠導入・デトックスなどとして用いられることもあります。

しかし、独特のむず痒さが人によっては耐えがたく感じられる場合もあり、不用意に実施すると思いがけず強い症状を引き起こしかねません。まずはナイアシンフラッシュを起こしにくいナイアシンアミドで身体を慣らす、といった順序を踏むようにしましょう。

ナイアシンフラッシュの詳細は、下記ページの「ナイアシンを過剰摂取すると起こる症状」の項もご確認ください。

ナイアシンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

肝臓にダメージを与える可能性

ナイアシンの長期的な過剰摂取は、肝臓に大きなダメージを与える場合があります。そのため、ナイアシンフラッシュを実践するとしても、毎日のサプリメント摂取は控えるようにしましょう。

糖質の代謝を妨げる可能性

ナイアシンに関する近年の研究では、ナイアシンの大量摂取が糖質の代謝を妨げるという報告もあります。そのため、ナイアシンフラッシュを実践する際は、まずかかりつけ医に相談しましょう。自己判断でのナイアシン過剰摂取は控えてください。

まとめ

このページでは、ナイアシンのダイエット効果について解説しました。その他の効果効能や副作用、ナイアシンを多く含む食品などのナイアシンに関する基本情報を確認したい方は、こちらのページをご覧ください。

ナイアシンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

参考文献