髪にいい食べ物・飲み物

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髪トラブルの症状や原因について解説したうえで、髪トラブルの予防・改善に役立つ栄養素を豊富に含む食べ物や飲み物を紹介します。

髪トラブルの症状とその原因

まずは、髪トラブルの症状とその原因について紹介します。

髪の傷み・パサつき・切れ毛・枝毛

30代前半までに比較的多く見られるのが、髪の傷みやパサつきです。髪表面は、主成分がタンパク質でできた「キューティクル」と呼ばれるもので覆われています。

健康な髪はキューティクルが何層にも重なり合っていますが、コテやアイロン、ヘアカラーやパーマなどで傷つくと、キューティクルがめくれ上がったり、部分的に壊れたりしてしまいます。

これが髪の傷み・パサつき・キシキシ感・切れ毛・枝毛を生んでしまうのです。また、偏食や外食、過度なダイエットなど栄養不足も髪が傷む原因の1つとされています。

白髪

白髪は、髪質の変化が出やすい40歳ごろから見られます。白髪の原因はいくつかあり、加齢や遺伝、ストレスが挙げられます。

毛根の色素細胞(メラノサイト)では「メラニン色素」が作られており、これが髪の黒さを作っています。加齢や遺伝によって色素細胞の働きが低下したり、数が減ったりするとメラニン色素が作られず、髪の毛が白くなってしまうのです。

白髪を促進してしまうストレスは、喫煙や睡眠不足、過度なダイエットなどが該当します。ストレスがかかると色素細胞は正常に働くことができず、また頭皮の血行が悪くなってしまい、毛髪に影響を与えてしまいます。

薄毛・抜け毛

薄毛とは、髪の毛の量が減り、地肌が見えてしまう状態を指します。そして薄毛の状態は、髪の毛が抜け落ちることで起こります。

自然に抜け落ちる平均の本数は約50〜100本ですが、150本以上抜け落ちる状態が続くようであれば、頭皮の血行不良によって毛髪の成長が鈍っている・男性ホルモンによって毛根の中心にある「毛乳頭細胞」の分裂が抑制されている・過剰な皮脂分泌によって皮膚に炎症が起こし髪の毛の成長を阻害している、などの原因が考えられます。

髪のハリ・コシの減少

主に50代半ばから、髪のハリやコシがなくなったり、髪の本数が減って分け目が目立つようになったりして、髪にボリュームが感じられなくなってきます。

これは、毛髪を作り出す「毛母細胞」が弱くなっていることに影響されており、その原因は栄養不足や血行不良です。

髪トラブルの予防・改善におすすめの栄養素と食べ物

髪の傷みや抜け毛など、髪トラブルの予防・改善に効果的な栄養素について解説します。

タンパク質(アミノ酸)

髪の90%以上は、タンパク質の一種である「ケラチン」でできています。

ケラチンを構成するのが18種類のアミノ酸で、18種類のアミノ酸の中で占める割合が最も多いのが「シスチン」です。シスチンが不足すると、髪の毛が細くなる・切れ毛になる・枝毛になる・髪がパサつく、などの髪トラブルが発生します。

シスチンはお酒やタバコなどから発生する有害物質を排除する役割があるため、お酒を飲んだりタバコを吸ったりすると髪に栄養が行く前に消費されてしまいます。できる限り控えるようにしましょう。

タンパク質を多く含む食品は、鶏肉や豚レバーなど肉類、アジやイワシなど青魚類、卵、納豆や豆乳など大豆製品、牛乳など乳製品などです。

タンパク質の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品

亜鉛

亜鉛は、アミノ酸をケラチンに変換する・タンパク質を再合成する・細胞の新陳代謝を活発にする、などの働きがあります。

亜鉛が不足するとケラチンの生成が滞り、髪が生成されなくなったり、髪が抜けやすくなったり、髪にツヤやハリがなくなったりしてしまいます。

亜鉛は、カルシウム・食物繊維・タンニン・カフェインと結びつくことで、体外に排出されやすい性質を盛っています。一方で、クエン酸やビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まるので、食べ合わせには注意しましょう。

亜鉛は、牡蠣、鶏卵、わらび、レバー、肉、アーモンド、チーズ、サバ・サンマ・アジなどの青魚に多く含まれています。

亜鉛の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法│NANIWA SUPLI

鉄(鉄分)

鉄分は、血液中のヘモグロビンの生成を助けたり、血行を良くしたりする働きがあります。この働きによって頭皮の血行が促進されることで、摂取した栄養素が髪に行き渡りやすくなります。

鉄分を多く含む食品は、ブロッコリー、ほうれん草、卵、ひじき、のり、高野豆腐、木綿豆腐などです。

鉄の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法│NANIWA SUPLI

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は、髪に栄養を与えて成長を促す・皮脂の分泌をコントロールして頭皮の乾燥を防ぐ・血流を良くする・髪にツヤを与える、といった働きがあります。

また、頭皮の炎症を抑える作用もあり、抜け毛防止に効果があります。

オメガ3脂肪酸はくるみ、えごま油、アマニ油、青魚に含まれているので、積極的に摂取するようにしましょう。

オメガ3の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法│NANIWA SUPLI

イソフラボン(エクオール)

女性ホルモンの一種である「エストロゲン」は、減少すると髪がパサついたり、髪のハリ・コシがなくなったりといった髪トラブルに繋がります。

イソフラボンは、体内で「エクオール」という成分に変換されます。エクオールは、エストロゲンによく似た働きがあり、イソフラボンを摂取することで、加齢や生活習慣の乱れによって減少するエストロゲンを補うことができます。

また、薄毛の原因となる男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン」の生成を抑える働きもあります。

イソフラボンは、納豆・豆腐・豆乳・油あげなど大豆製品に多く含まれています。

イソフラボンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法│NANIWA SUPLI

ビタミンB2

ビタミンB2は、新陳代謝を盛んにして細胞の再生を促したり、頭皮の毛細血管を丈夫にして血流を良くしたりする作用があり、これによってハリのある髪が生成されます。

また、ビタミンB2は皮脂の分泌を正常にコントロールする・皮膚や粘膜の健康を維持するなどの働きもあり、抜け毛やフケの発生を予防する効果もあります。

ビタミンB2は、納豆、卵、豚レバー、海苔、うなぎなどに豊富に含まれています。

ビタミンB2の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法│NANIWA SUPLI

ビタミンB6

ビタミンB6は、アミノ酸をケラチンに変換させるのを助ける亜鉛の働きをサポートする効果があります。

また、ビタミンB6を十分に摂取することで、頭皮環境の悪化につながる皮膚炎や貧血を予防することができます。

ビタミンB6を多く含む食品は、サケ・カツオ・マグロなど魚、豚ヒレ・鶏ささみ・鶏レバーなど肉類、バナナなどです。

ビタミンB6の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法│NANIWA SUPLI

ビタミンC

ビタミンCは、細胞を活性化させる・炎症を抑える・亜鉛などのミネラルの吸収を高める、などさまざまな効果があります。

さらに、ビタミンCにはコラーゲンの生成を助ける働きがあります。コラーゲンは髪にハリツヤを与えるだけでなく、頭皮の毛細血管を強くして血流を良くし、毛根に栄養を行き渡らせて薄毛を予防することができます。

ビタミンCは、ピーマン・パプリカ・パセリ・キャベツなど緑黄色野菜、レモンやアセロラ・柿・すもも・りんご・キウイなどに多く含まれています。

ビタミンCの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法│NANIWA SUPLI

ビタミンE

ビタミンEは、脳下垂体や副腎皮質などの刺激することによって血管を拡張させ、血流を改善する働きがあります。血行が良くなると毛根や頭皮に栄養が行き渡り、健康的な毛髪の発育に繋がります。

ビタミンEを多く含む食品は、ひまわり油や紅花油などの植物油、ピーナッツ・ヘーゼルナッツ・アーモンドなどナッツ類、ひまわりの種、ほうれん草、ブロッコリーなどです。

ビタミンEの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法│NANIWA SUPLI

髪トラブルの予防・改善に効果的な生活習慣

髪トラブルを予防・改善するために心がけたい食生活や生活習慣について解説します。

良質な睡眠をとる

髪の成長に必要な成長ホルモンは、深い睡眠(ノンレム睡眠)をとっているときに分泌されます。太く長い髪の毛を育てるために、また、日中に受けた紫外線などのヘアダメージを回復させるために良質な睡眠は欠かせません。

髪の成長ホルモンは眠りについてから2時間の間に分泌され、その後数時間かけて全身をめぐります。この成長ホルモンの効果を得るためには、最低でも5〜6時間はまとまった睡眠をとるようにしましょう。

良質な睡眠をとるために、起床後太陽の光を浴びて体内時計をリセットする・夕方までに軽い運動をする・就寝2〜3時間前に入浴し副交感神経を刺激する・寝る前はアルコールやカフェインを控える・決まった時間に就寝する、などに気をつけると効果的です。

髪の成長に必要な栄養素を積極的に摂取する

髪の毛は、日々摂取する栄養素で作られています。

タンパク質・亜鉛・鉄分・オメガ3脂肪酸・イソフラボン・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンC・ビタミンEといった、髪の毛を作る・成長させる効果のある栄養素を積極的に摂取するようにしましょう。

毎日の食事で取り入れられるのが一番ですが、難しい場合はサプリメントで補うのをおすすめします。

一方で、糖分や塩分、脂肪分を摂りすぎると動脈硬化などで血流が悪くなり、頭皮に栄養が行き渡らなくなります。その結果、頭皮環境を悪化させることになりますので注意が必要です。

喫煙・飲酒を控える

髪を構成する「シスチン」は、お酒やタバコなどから発生する有害物質を排除する働きがあります。このため、喫煙や飲酒によって、髪の毛に届けられるはずのシスチンが消費されてしまう恐れがあります。

また、たばこに含まれるニコチンやタールは血管を収縮させる作用があるため、血行を悪くし、髪に必要な栄養素が行き渡らなくなってしまいます。抜け毛などの髪トラブルの原因となりますので、除々に喫煙数・飲酒量を減らしていくようにしましょう。

ストレスを溜め込まない

人は身体的・精神的ストレスを感じると交感神経を刺激します。交感神経が優位になると緊張して血管が収縮し、血流を悪くしてしまいます。

また、過度なストレスで交感神経が優位な状態が長く続くと自律神経の働きが乱れ、眠りが浅くなります。その結果、髪の成長ホルモンが十分に分泌されず、さまざまな髪トラブルを引き起こします。

自分に合ったストレス解消法で、ストレスを溜め込まないように気をつけましょう。

参考文献

記事の監修

美容作家、評論家、ヨガインストラクター

AYA ARAHARA

ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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