たけのこの栄養と効果効能・調理法・保存法

191views

bambooshoot

たけのこの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、似た食品との違い、たけのこに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

たけのことは

たけのこ(bambooshoot)はイネ科の植物である竹の若芽で、野菜に分類されます。わずか一旬(10日間)で竹へと成長する性質から「筍」の漢字が当てられました。

和食や中国料理でよく使用される食品で、日本では煮物・和え物・炊き込みご飯・天ぷらなどの料理が代表的です。

日本では古くから親しまれ、「古事記」にもたけのこの記述が見られたと言います。現在の主な生産地は福岡県・鹿児島県・熊本県など九州地方の地域です。「特用林産物生産統計調査」では、この3県だけで全体収穫量の60%近くを占めています。

1年を通して食べることができるたけのこですが、一般的な旬は3月から5月。旬時期のたけのこはやわらかく香りが豊かで、春の味覚として楽しまれています。

たけのこの品種・種類

たけのこは種類が多くありますが、食用されているものはほんの一部です。以下で代表的な種類を紹介します。

孟宗竹

孟宗竹(もうそうちく)は中国の江南地方を原産地とするたけのこです。日本に流通しているたけのこのほとんどがこの孟宗竹です。旬は3月から4月で、サイズが大きく果肉も厚みがあります。

とくに京都で育つ「京タケノコ」は、えぐみが少なく上品な甘さが特徴です。

真竹

真竹(まだけ)は、孟宗竹に比べると旬時期が少し遅めの品種です。5月から7月にかけて旬を迎え、細長い形状や皮の斑点など見た目にも特徴があります。メンマの原料としても活用されています。

獲れたてはアクが少なくてコリコリとした食感ですが、収穫してから時間が経つとえぐみが強くなる性質があります。

淡竹

孟宗竹に比べ細長い形をしているのが淡竹(はちく)です。もっともおいしい時期は4月から5月頃にかけて。

アクが少ないため、下処理の必要がないたけのこです。シャキッとした食感がおいしく、揚げ物や煮物などに利用されます。

根曲がり竹

たけのこは寒さに弱い性質がありますが、比較的涼しい地域で育つのが根曲がり竹(ねまがりたけ)です。北海道や東北が主な産地で、地域により「姫竹」や「月山筍(がっさんだけ)」など呼称が異なります。

サイズは小さく、細長い形状が特徴です。アクが少ないので、下処理なしでそのまま調理できます。

たけのこに含まれる成分・栄養素

たけのこ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

成分表を見ると、たけのこはカリウム・食物繊維・亜鉛などを多く含んでいることが分かります。

かつては栄養価の低い野菜として見られていましたが、パントテン酸をはじめとしたビタミンも豊富です。

糖質が少なくカロリーも低いため、ダイエットにも活用できる食品と言えるでしょう。

食 品 名単位たけのこ 若茎 生たけのこ 若茎 ゆでたけのこ 水煮缶詰たけのこ めんま 塩蔵 塩抜き
廃 棄 率%50000
エネルギーkJ1141299162
kcal27312215
水 分g90.889.992.893.9
タンパク質アミノ酸組成によるタンパク質g2.5-2.4-1.9-0.7
タンパク質g3.63.52.71
脂質脂肪酸のトリアシルグリセロール当量g-0.1-0.1-0.1-0.4
コレステロールmg0000
脂質g0.20.20.20.5
炭水化物利用可能炭水化物(単糖当量)g1.4-1.6-2.3-
g*
利用可能炭水化物(質量計)g1.4-1.5-2.2-
差引き法による利用可能炭水化物g2.53.22.60.6
***
食物繊維総量g2.83.32.33.5
糖アルコールg----
炭水化物g4.35.543.6
有機酸g0.10.1--
灰分g1.10.90.31
無機質ナトリウムmgTr13360
カリウムmg520470776
カルシウムmg16171918
マグネシウムmg131143
リンmg62603811
mg0.40.40.30.2
亜鉛mg1.31.20.4Tr
mg0.130.130.040.02
マンガンmg0.680.550.680.03
ヨウ素μg4-0-
セレンμg1-0-
クロムμg0-1-
モリブデンμg2-0-
ビ タ ミ ンレチノール(ビタミンA)μg0000
α|カロテンμg0000
β|カロテンμg111200
β|クリプトキサンチンμg0000
β|カロテン当量μg111200
レチノール活性当量μg1100
ビタミンDμg0000
α-トコフェロールmg0.711Tr
β-トコフェロールmg000Tr
γ-トコフェロールmg0.30.60.80
δ-トコフェロールmg0000
ビタミンKμg221Tr
ビタミンB1mg0.050.040.010
ビタミンB2mg0.110.090.040
ナイアシンmg0.70.60.10
ナイアシン当量mg1.2-1.1-0.5-0.1
ビタミンB6mg0.130.060.020
ビタミンB12μg0000
葉 酸μg6363361
パントテン酸mg0.630.630.10
ビ オ チ ンμg0.8-0.8-
ビタミンCmg10800
アルコールg----
食塩相当量g0000.9
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

たけのこの効果・効能

たけのこに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

食物繊維の優れた整腸作用

たけのこには食物繊維が豊富に含まれています。とくに不溶性の食物繊維であるセルロースが豊富です。

不溶性食物繊維は保水性があり、腸内で水分を吸収して膨らむことで腸のぜん動運動を促します。便秘改善や腸内環境を整える作用が期待されている栄養素です。

食物繊維の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率のよい摂取方法|NANIWA SUPLI MEDIA

カリウムで生活習慣病予防

たけのこに含まれるカリウムは、細胞内液の浸透圧を調節する過程でナトリウム(塩分)の排出を行ないます。ナトリウムを過剰摂取すると血圧が上がりやすくなるため、カリウムは高血圧症の予防に役立つ栄養素です。

塩分の摂り過ぎを抑制してくれる働きから、生活習慣病の予防にも役立つでしょう。

カリウムの効果効能・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

チロシンで集中力アップ

たけのこを切ったときや、茹でたときに見られる白い物体はチロシンです。アミノ酸の一種で神経伝達物質の材料になることから、集中力を高める作用が期待されています。

また、チロシンは髪の黒色を作るメラニンのもとになる成分でもあります。髪の健康が気になる人は積極的に摂取してみましょう。

亜鉛が子どもの成長を促進

ミネラルの一種である亜鉛は、身体のさまざまな機能を維持する働きがあります。免疫システムを整えたり、正常な味覚を維持したりなど、身体にとって重要な栄養素です。

また、身体の発育にも欠かせない成分のため、妊婦や子どもは積極的に摂取する必要があります。

亜鉛の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

パントテン酸の美容効果

たけのこには、水溶性ビタミンのひとつであるパントテン酸が含まれています。

パントテン酸は体内で補酵素として働き、糖質や脂質などをスムーズにエネルギー化します。糖質や脂質は過剰に摂取すると皮脂の原因となるため、体内での効率的な代謝が重要です。

また、皮膚の健康維持をサポートする働きもあり、美肌を目指す人はとくに注目したい栄養素と言えるでしょう。

パントテン酸の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA

たけのこの食べ方や注意点

たけのこの栄養素を損なわない選び方・調理方法・食べ方などを解説します。

たけのこの選び方

旬時期に生のたけのこを購入する際は、見分け方にポイントがあります。

日に当たり過ぎたたけのこは色が濃くなり、えぐみが強くなる傾向があるため、皮が薄い茶色のたけのこを選びましょう。黒っぽいものや緑がかったものは避けてください。

また、たけのこは根元にぶつぶつとした斑点または突起があります。この部分が赤黒く変色したものはアクが強いため、白いものを選ぶとよいでしょう。

カットされたものを購入するときは、たけのこのみずみずしさに注目してください。切り口が白いものも新鮮な証拠です。

たけのこの下処理方法

生のたけのこを購入した際は、調理する前に下処理が必要です。一般的にたけのこのアク抜きは米ぬかを使用しますが、ご自宅にない場合は米のとぎ汁で代用できます。

アクが抜けやすくなるようたけのこに切り目を入れたら、鍋にたけのこが浸る程度のとぎ汁と赤唐辛子を入れます。たけのこが浮いてこないよう落し蓋をするとなおよいです。沸騰したら弱火にして、そのまま40分から1時間ほど茹でます。

たけのこが充分にやわらかくなったら、鍋に入れたまま冷ませば下処理は完了です。

シュウ酸の多いたけのこ

たけのこには尿路結石のもとになるシュウ酸が多く含まれています。このシュウ酸は、たけのこの苦み成分でもあります。

水溶性の成分なので煮ると減少するものの、半分程度は残るため注意が必要です。摂り過ぎないことを意識しつつ、食べるときは結石を抑制するカルシウムやクエン酸が豊富な食品と一緒に調理しましょう。とくに小魚や大豆などがおすすめです。

たけのこの白い粉は洗い流し不要!

たけのこの水煮缶には、よく白い粉のようなものが付着していることがあります。これはチロシンが結晶化したもので、身体に悪影響はありません。調理するときは洗い流さずそのまま使って大丈夫です。

「たけのこの効果・効能」でも触れた通り、チロシンには集中力を高めたり、髪の色素のもとになったりなどの働きがあります。チロシンの効果を期待する人は、そのまま摂取したほうがよいでしょう。

たけのこを食べる際の注意点

たけのこはアクが強いため、アレルギーのような症状を起こす可能性があります。

しっかりアク抜きをすればリスクを減らせますが、「口内がピリピリする」「喉がイガイガする」などの症状が出たときは念のため医療機関を受診しましょう。

また、食物繊維が豊富な分、消化不良を起こすことも。胃腸の調子が優れないときは食べ過ぎないようにしましょう。

たけのこの保存方法

たけのこの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

購入後は速やかにアク抜き

たけのこは収穫直後からアクが発生し始めるため、購入後は即座にアク抜きをするのが大切です。

長期保存したい場合は、冷蔵保存か冷凍保存を選びましょう。

冷蔵保存

冷蔵保存する場合はタッパーなどの保存容器に入れて、たけのこが浸るまで水を入れましょう。たけのこから水分が抜けると食味が損なわれてしまいますので、このひと手間が大事です。

水は毎日換えると、より新鮮な状態を保てます。保存期間は5日から1週間ほどです。

冷凍保存

冷凍保存の場合は、たけのこを細かくカットしてから保存しましょう。クッキングペーパーで水を拭き取ってから、ラップにくるんで冷凍庫に入れます。

砂糖や塩に漬け込んで保存する方法もありますが、料理に使用する際はその分調味料を調節するのがポイントです。

いずれの方法も保存期間は1ヶ月ほど。冷蔵庫で自然解凍してから使うこともできますが、煮込む場合は凍ったまま使用しても構いません。

参考文献

ダイエットに失敗するたった一つの理由 解決策を教えます