きのこダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点
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きのこダイエットの効果と正しいやり方、継続のコツから注意点までを解説します。きのこダイエットにチャレンジしたい方はもちろん、すでにきのこダイエットに取り組んでいるけれど、いまいち成果が出ないとお悩みの方もぜひご覧ください。
きのこダイエットとは
まずはきのこダイエットや、きのことはそもそもどのような食品なのかを解説します。
身体に必要な栄養を取りながらできるダイエット法
きのこダイエットとは、ちょっとした工夫で食べながら痩せられるダイエット方法の1つです。普段の食事にきのこを使ってボリュームを増やし、食べすぎを防止するため、ダイエット効果を期待できます。
また、きのこにはビタミンやミネラルなど、身体に必要な栄養素が豊富に含まれます。食事制限をしたり、偏った食事をしたりするダイエット法とは異なり、健康的に痩せられることが魅力です。
きのことは
きのことは、カビの仲間が作る大型の子実体です。子実体は、一般的な植物の花に相当する部分で、菌糸と呼ばれる構造物が集まって作られます。
日本には4,000~5,000種のきのこが生息していると考えられていますが、食用になっているのは100種類程度です。日本で流通する主なきのこは、次のとおりです。
きのこの種類 | 特徴 |
しいたけ | 日本や中国で古くから食べられているきのこ。生しいたけだけでなく、乾燥・干ししいたけとしても流通する。 |
えのき | 培養されたえのきは白だが、天然ものは茶色でかさが大きい。日本では古くから食用きのことして流通している。 |
エリンギ | 太い柄が特徴のヒラタケ科のきのこ。ヨーロッパ地中海沿岸が原産。 |
しめじ | 国内では長野県で多く生産されるきのこ。ぶなしめじ・本しめじなどさまざまな種類がある。 |
まいたけ | 薄いかさが重なり合っているきのこ。シャキシャキとした食感が特徴。 |
なめこ | かさにぬめりのある日本原産のきのこ。不溶性食物繊維が豊富に含まれる。 |
マッシュルーム | ヨーロッパ原産のきのこで、日本では千葉県を中心に栽培されている。かさの色が異なるホワイト種とブラウン種がある。 |
ひらたけ | 10cm程度のかさをもつヒラタケ科のきのこ。かさがいくえにも重なっており、ぬめりはない。 |
きのこダイエットの効果
次に、きのこがダイエットに効果的な理由を解説します。
低カロリーで満腹感を与える
きのこは低カロリーなうえ、食物繊維が豊富で満腹感を与えるため、ダイエットに適した食品です。主なきのこ(100gあたり)のカロリーを次の表に示します。
食品名 | カロリー |
しいたけ(生) | 19kcal |
えのき(生) | 22kcal |
エリンギ(生) | 19kcal |
ぶなしめじ(生) | 18kcal |
まいたけ(生) | 15kcal |
なめこ(生) | 15kcal |
マッシュルーム(生) | 11kcal |
ひらたけ(生) | 20kcal |
ほとんどのきのこは、100gあたり15~20kcalと低カロリーです。
じゃがいも・さつまいもなどのいも類や、かぼちゃやグリンピースなどの野菜類よりもカロリーが低く、料理に入れてもカロリーを気にする必要はほとんどありません。
肥満予防に働く
きのこに含まれるキトサンは、消化管内の物質を吸着して排泄する効果のある栄養素です。きのこやエビ・カニなどの甲殻類に多く含まれる多糖類の1種で、独自の構造をもっています。
キトサンのもつ効果は、主に次のとおりです。
- 血中コレステロール・中性脂肪の低減
- 腸管からの脂質吸収の抑制
- 肝臓への脂質蓄積の抑制
コレステロールや中性脂肪は、体内に蓄積されると内臓脂肪となって肥満を引き起こす物質です。血中量が増加すると脂質異常症を引き起こし、メタボリックシンドロームと診断されることもあります。
キトサンは、血中コレステロールや中性脂肪を減らします。肝臓への脂質蓄積を抑制するため、脂肪肝の予防にも効果的です。
また、体内に吸収された脂質を減らすだけでなく、腸管からの脂質吸収を抑制するのもキトサンの働きです。脂質の多い食事を摂りがちな場合は、キトサンの含有量が多いきのこを摂取すると脂質の吸収を抑制できます。
腸内環境を整えて便通を解消
きのこには食物繊維も豊富に含まれており、腸内環境を整えて便通をよくする働きがあります。便秘になると代謝が悪くなるため、便通をよくする食物繊維はダイエットには欠かせない栄養素です。
主なきのこ(100gあたり)の食物繊維含有量は、次のとおりです。
食品名 | 食物繊維総量 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
しいたけ(生) | 4.2 | 0.4 | 3.8 |
えのき(生) | 3.9 | 0.4 | 3.5 |
エリンギ(生) | 3.4 | 0.2 | 3.2 |
ぶなしめじ(生) | 3.7 | 0.3 | 3.4 |
まいたけ(生) | 3.5 | 0.3 | 3.2 |
なめこ(生) | 3.3 | 1.0 | 2.3 |
マッシュルーム(生) | 2.0 | 0.2 | 1.8 |
ひらたけ(生) | 2.6 | 0.2 | 2.4 |
しいたけ・えのき・しめじに特に多く含まれます。
食物繊維は、水に溶けやすい水溶性食物繊維と溶けにくい不溶性食物繊維に分類されます。きのこに多い不溶性食物繊維は保水性が高く、消化管内で膨らんで腸を刺激し、便通を解消するのに効果的です。
水溶性食物繊維は粘性が強い食物繊維で、なめこやきくらげに多く含まれています。ねばりが強いため、消化管内をゆっくりと流れて空腹を感じにくくする働きがあります。
食物繊維の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率のよい摂取方法|NANIWA SUPLI MEDIA
カリウムがむくみを解消
きのこは、むくみを解消するカリウムが多く含まれる食品です。
そもそも、むくみは血中の水分が組織側に移動してしまった状態のこと。同じ姿勢が続いたり、水分の摂取量が少なかったりするとむくみが起きやすくなります。
体内の水分バランスは、ナトリウムとカリウムが調節しており、ナトリウムは水分を体内に取り入れる働きをもちます。一方、カリウムはナトリウムの吸収を抑制したり、排出を促進したりする栄養素です。
カリウムが豊富なきのこを摂取すると、血中のカリウムが増え、ナトリウムを排出してむくみを解消します。
カリウムの効果効能・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
ビタミンDで骨・歯を健康に保つ
ビタミンDも、きのこに多く含まれる栄養素の1つです。
きのこに含まれるビタミンDは、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)に分類されます。魚類に多く含まれるビタミンD3と構造は異なりますが、体内での機能はほとんど同じです。
体内に取り込まれたビタミンDは肝臓で代謝され、腸管からのカルシウム吸収を促進します。カルシウムは骨や歯を構成する栄養素で、カルシウムが不足すると骨粗しょう症を引き起こします。
ビタミンDは、カルシウムの吸収に欠かせない栄養素です。きのこを摂取すると、カルシウムの吸収が促進されて、骨・歯を健康に保つ働きをします。
ビタミンDの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・おすすめレシピ|NANIWA SUPLI MEDIA
きのこダイエットの正しいやり方
ここからは、きのこダイエットの具体的なやり方や1日の摂取目安量、食べるタイミングを解説します。
普段の食事にきのこを入れる
きのこダイエットは、普段の食事にきのこを使うだけの簡単ダイエット法です。
味噌汁やサラダ、炒め物など、いつもの料理にきのこを入れるだけ。きのこは和食・洋食・中華など、さまざまな料理に合うため、わざわざきのこ料理を考える必要はありません。
肉類のカロリーが気になる場合は、肉厚なひらたけやエリンギを肉の代わりにソテーして、ステーキのように食べるのもおすすめです。さまざまな種類のきのこがあるため、調理次第でカロリーの高い食品の代わりにもなります。
ひらたけの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
エリンギの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
1日100gを目安にする
きのこダイエットでは、1日100g程度を目安にきのこを摂取しましょう。
きのこをたくさん食べれば食べただけ、ダイエットになるわけではありません。食べすぎは栄養バランスの偏りを招いたり、副作用の原因になったります。
ダイエット継続のためにも、ほかの食品とバランスを考えてきのこを摂取するのがポイントです。
食べるタイミングは夜がおすすめ
きのこダイエットできのこを食べるタイミングは、とくに決まっていません。しかし効率よく痩せたいなら、夕食にきのこを摂取するのがおすすめです。
夕食後は一般的に寝るだけのため、消費されるカロリーが少なく、夕食で高カロリーなものを食べると太りやすくなります。きのこは低カロリーの食品のため、夕食の総カロリーを減らせることがメリットです。
きのこダイエット継続のコツ
どんなダイエットも、継続しなければ効果は現れません。きのこダイエットを継続させるコツと、ダイエット効果を得やすくなるポイントについて解説します。
きのこの種類を変える
きのこダイエットでは、きのこの種類は限定されていません。好きなきのこを選んだり、味に飽きたら別の種類を試したりすることで、ダイエットを継続しやすくなるでしょう。
飽きにくいダイエットをするために、食感がおもしろいきのこを紹介します。
きのこの種類 | 特徴 | おすすめの食べ方 |
きくらげ | コリコリとした食感がクラゲに似ているため、「くらべ」と名付けられた。 | 和え物・炒め物・スープ |
なめこ | ぬめりが強く味噌汁の具が定番。うどんやそばのトッピングにも合う。 | 味噌汁・豆腐あんかけ・なめこおろし |
まいたけ | シャキシャキ食感を活かすには炒め物がおすすめ。炊き込みご飯や天ぷらなど、和食にも。 | 炒め物・天ぷら・炊き込みご飯 |
きくらげの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
なめこの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
まいたけの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
調理方法で食べやすくする
きのこ独特の香りが苦手な場合、調理方法を工夫してダイエットを継続しやすくできます。きのこが苦手な場合は、バターソテーやチーズを使って香りや味を減らすのがおすすめです。
ただし、あくまでダイエットのため、カロリーの高いバターやチーズの摂取量が多くならないように注意しましょう。
方法によっては、チーズもダイエットに効果的です。チーズダイエットについての詳細は、次の記事をご参照ください。
チーズダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点【ダイエットに適したチーズとは】|NANIWA SUPLI MEDIA
より効果的に食べるなら天日干しを選択
きのこは天日干しすると、旨味成分や栄養素が増加する食品です。とくにきのこに含まれるビタミンDは、天日干しすると数十倍に増加します。
たとえば、生しいたけ100gに含まれるビタミンDは0.4μgですが、乾燥しいたけは12.7μgも含まれます。
ただし、生しいたけは約90%が水分のため、乾燥しいたけの重量と一致するわけではありません。
10倍程度の差があり、生しいたけ100gは乾燥しいたけ10gと同程度と考えられます。とはいえ、乾燥しいたけのビタミンD含有量は30倍以上も増えており、生しいたけよりも栄養価は高いことがわかります。
しいたけの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
きのこダイエットの注意点
最後に、きのこダイエットをするときに知っておきたい注意点を解説します。
よく噛んで食べる
きのこに含まれる食物繊維は、体内で消化できない栄養素です。そのため、きのこダイエットをするときは、食事をよく噛んで食べましょう。
噛むことで満腹中枢が刺激され、食べすぎを防止する効果もあります。
食事をきのこだけにしない
ダイエットと聞くと、特定の食品だけを食べ続けるイメージがあります。
しかしきのこダイエットは、きのこだけを食べるダイエット法ではありません。普段の食事にきのこを入れて、きのこの栄養素を利用してダイエットする方法です。
1日3食バランスよく摂取することを心がけ、その上でおかずにきのこを入れましょう。
食べすぎに注意
栄養が豊富でダイエットにも向いているきのこですが、食べすぎには注意しましょう。
きのこに含まれる食物繊維は、本来人間が消化・吸収できない栄養素です。そのため、きのこを食べすぎると消化不良が起きて下痢や腹痛が起こる可能性もあります。
きのこダイエットをするときは、1日100gを目安にきのこを摂取しましょう。