サクラエビの栄養と効果効能・調理法・保存法

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Sakura shrimp

サクラエビの旬や原産地などの基本情報、似た食品との違い、サクラエビに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

サクラエビとは

サクラエビは、サクラエビ科に属するエビの一種です。全長5cmほどの小ぶりなエビで、刺身として生で食べられるほか、乾燥させて干しエビとしてもよく利用されます。

サクラエビが生息しているのは東京湾・相模灘・駿河湾のみで、水揚げは静岡県の駿河湾でしか許可されていません。そのため、静岡県の特産品にも位置付けられています。静岡県産のサクラエビの旬の時期は、産卵前の4月~6月と産卵後の10月~12月です。

小エビ類をまとめてサクラエビと呼ぶことがありますが、本物のサクラエビは静岡県で獲れる一種類のみ。価格の安い干しエビには、サクラエビと見た目が似ているサクラエビ科のアキアミや、プランクトンの一種であるオキアミなど、別の種類が使われていることがほとんどです。

アキアミやオキアミよりサクラエビの方が香りが豊かで、旨み・甘みが濃くダシをとるのにも向いています。

サクラエビに含まれる成分・栄養素

サクラエビ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

食 品 名単位サクラエビ 生サクラエビ ゆでサクラエビ 素干しサクラエビ 煮干し
廃 棄 率%0000
エネルギーkJ33133511811047
kcal7879278247
水 分g78.975.619.423.2
たんぱく質アミノ酸組成によるたんぱく質g12
たんぱく質g16.618.264.959.1
脂質脂肪酸のトリアシルグリセロール当量g1.20.72.11.1
コレステロールmg200230700700
脂質g21.542.5
炭水化物利用可能炭水化物(単糖当量)g-0.1(Tr)-0.1-0.1
g***
利用可能炭水化物(質量計)g-0.1(Tr)-0.1-0.1
差引き法による利用可能炭水化物g4.90.821.5
*
食物繊維総量g
糖アルコールg
炭水化物g0.1Tr0.10.1
有機酸g
灰分g3.14.711.615.1
無機質ナトリウムmg27083012003400
カリウムmg3102501200680
カルシウムmg63069020001500
マグネシウムmg6992310260
リンmg3303601200860
mg0.30.53.23
亜鉛mg1.31.44.94.1
mg0.92.053.342.61
マンガンmg0.050.090.230.2
ヨウ素μg110
セレンμg64
クロムμg1
モリブデンμg3
ビ タ ミ ンレチノール(ビタミンA)μg16TrTr
α|カロテンμgTr0
β|カロテンμg63
β|クリプトキサンチンμg00
β|カロテン当量μg6300
レチノール活性当量μg27(Tr)(Tr)
ビタミンDμg0.1000
α-トコフェロールmg2.32.8-7.2-3.4
β-トコフェロールmg0000
γ-トコフェロールmgTr0-0.1-0.1
δ-トコフェロールmg0000
ビタミンKμg0000
ビタミンB1mg0.10.10.170.16
ビタミンB2mg0.080.080.150.11
ナイアシンmg2.31.15.53.5
ナイアシン当量mg5.1-4.2-17-14
ビタミンB6mg0.10.090.210.05
ビタミンB12μg4.54.3113.5
葉 酸μg944123082
パントテン酸mg0.290.371.160.51
ビ オ チ ンμg5.2
ビタミンCmg1000
アルコールg
食塩相当量g0.72.138.6
備 考殻付き殻つき殻つき殻つき
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

サクラエビの効果・効能

サクラエビに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

カルシウムで丈夫な骨・歯を作る

カルシウムは、人体に最も多く含まれるミネラルで、骨と歯の主成分です。丈夫な骨の維持に欠かせない栄養素なので、骨格が大きく発達する成長期の子供や、骨粗しょう症リスクが高い閉経後の女性は、積極的に摂取するようにしましょう。

カルシウムは、エビの殻や尾に豊富です。丸ごと食べられるサクラエビは、カルシウムの摂取に理想的な食材と言えます。茹でたサクラエビには牛乳の約6倍、干したサクラエビには牛乳の約20倍ものカルシウムが含まれています。

眼精疲労や疲れ目に効果的なアスタキサンチン

カロテノイドの一種であるアスタキサンチンは、エビ・カニ・サケなどに含まれる赤色の天然色素です。アスタキサンチンにはビタミンCの6000倍とも言われる抗酸化作用があり、眼の老化を予防し、眼精疲労や疲れ目を改善する効果が期待できます。

抗酸化作用とは、がんや生活習慣病の原因物質である活性酸素を取り除く働きのこと。抗酸化作用には若々しい肌を維持し、しみ・しわ・たるみなどの肌トラブルを改善する効果もあります。

アスタキサンチンは、エビの殻に特に多く含まれています。エビに含まれるアスタキサンチンを多く摂りたいときは、殻ごと食べられるサクラエビが最適です。

生活習慣病に効果的なキチン質(キチン・キトサン)

サクラエビの殻にはキチン質(キチン・キトサン)が豊富に含まれています。

キチン質(キチン・キトサン)は、エビやカニなど甲殻類の殻に含まれる多糖類の一種です。キチン質には脂肪やコレステロールの吸収を妨げる働きがあり、肥満・脂質異常症・高血圧などの生活習慣病を予防します。

オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)で動脈効果を予防

サクラエビには多くの不飽和脂肪酸が含まれています。特に、オメガ3脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富です。

EPAには血液をサラサラにして動脈硬化を抑制する働きがあり、DHAは脳の神経の発達に必要な成分です。サクラエビ(生)にはクルマエビ(生)の約4倍ものEPAやDHAが含まれているため、血管の健康が気になるときにエビを食べるならサクラエビがおすすめです。

妊娠中に摂っておきたい葉酸

サクラエビには、妊娠中に多く摂ることが推奨される葉酸が豊富です。葉酸はビタミンB群の一種で、貧血を予防する効果があるほか、胎児の健康な発育を助ける成分です。

葉酸を最も効率的に摂取できるのは、乾燥させた素干しのサクラエビです。サクラエビは、妊婦の健康維持にも役立つ食材と言えるでしょう。

グリシンで睡眠の質を高める

サクラエビに含まれるグリシンは、不眠や寝つきの悪さが気になるときに摂取したい必須アミノ酸です。グリシンを成分として配合した、睡眠の質を高める機能性表示食品も販売されています。

ただし、グリシンは、サクラエビよりもクルマエビや甘エビにより多く含まれています。睡眠に関する効果を期待するなら、サクラエビ以外のエビが向いています。

サクラエビの食べ方

サクラエビの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

カルシウムなどの栄養素を効率よく摂取するなら干しエビがおすすめ

サクラエビを乾燥させた干しエビには、カルシウムなどのミネラル類や葉酸をはじめとするビタミンが生のサクラエビよりも多く含まれています。

少ない量で効率的に栄養素を摂りたいときは、干しエビを選びましょう。同じ干しエビでも、煮干しより素干しの方が栄養価が高い傾向にあります。

サクラエビの煮干しは塩分量が多い

サクラエビを煮てから干した煮干しは、100gあたり3400mgと多くのナトリウムを含む塩分の多い食材です。

サクラエビの素干しに含まれるナトリウムは、煮干しの約3分の1です。高血圧などの生活習慣病の予防として塩分摂取量に気を付けている方は、煮干しではなく素干しのサクラエビを選ぶと良いでしょう。

尿酸値が高い人は干しエビを食べ過ぎないようにする

エビは、痛風の原因となるプリン体の多い食材です。特に、乾燥させたサクラエビには100gあたり749.1mgと魚介類のなかでも突出して多くのプリン体が含まれています。

サクラエビを一度に大量に食べるケースは少ないかもしれませんが、尿酸値が気になるときの摂取量には注意が必要です。特に、尿酸値が7.0mg/dLを超える「高尿酸血症」の人は、サクラエビを食べ過ぎないよう気を付けましょう。

コレステロール値が気になる人は要注意

サクラエビは、脂質異常症や肥満の原因となるコレステロールを多く含んでいます。特に、干しエビは成分が凝縮されているため、少量を食べただけでもコレステロールを摂りすぎてしまう可能性があります。

ただし、サクラエビにはコレステロールの吸収を抑えるキチン質やタウリンも含まれているため、健康な人が適量を食べるぶんには問題ないと考えられます。

サクラエビの保存方法

サクラエビの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

干しサクラエビの保存方法

サクラエビを乾燥させた干しエビの賞味期限は、未開封の状態で6ヶ月程度です。開封前は、高温多湿を避けた常温の環境で保存できます。

干しエビは、乾物とはいえ油や水分が多く傷みやすいため、開封後の干しエビは冷凍庫で保存するがおすすめです。保存期間は、冷蔵だと1ヶ月程度、冷凍だと2~3ヶ月が目安です。

生のサクラエビ(冷凍)の保存方法

生のサクラエビは鮮度が落ちやすく、獲れた当日中でないと食べることができないため、産地の静岡県以外で出回ることはほぼありません。

そのため、生のサクラエビを冷凍したものが多く流通しています。冷凍のサクラエビは、冷凍庫で2~3ヶ月程度保存できます。食べるときは、冷蔵庫解凍か流水解凍で解凍しましょう。

参考文献