おかゆダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点
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おかゆダイエットの効果と正しいやり方、継続のコツから注意点までを解説します。
おかゆダイエットとは
まずはおかゆダイエットについて、食品や栄養素の観点から解説します。
2週間で体重10%減量?話題のダイエット法
おかゆダイエットとは、米を多めの水で炊いたおかゆを利用するダイエット方法です。おかゆにすると水分量が増えるので、同じ量を食べても普通に炊いた米に比べて低カロリーになります。
よこはま土田メディカルクリニック院長・土田隆氏の著書「2週間で体重10%減! おかゆダイエット」(マガジンハウス)でも話題となり、注目する人が増えています。
おかゆとは
おかゆとは、白米や玄米などの雑穀類を多めの水で柔らかく炊いた食品です。そのうちおかゆダイエットでは、主に白米を使ったおかゆが利用されます。
白米には炭水化物・タンパク質・脂質・ミネラル・ビタミンの五大栄養素が含まれているため、適度な栄養補給が可能です。
ただしおかゆだけですべての栄養素をカバーできるわけではないので、おかゆダイエットをする際にはいくつか注意点があります。注意点については記事の後半で改めてまとめています。
米(白米)の栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA
おかゆの種類
おかゆは作り方によって以下のように名称が変わります。
- 全がゆ…米:水が1:5の割合
- 七分がゆ…米:水が1:7の割合
- 五分がゆ…米:水が1:10の割合
- 三分がゆ…米:水が1:20の割合
- おもゆ(重湯)…五分がゆ、または三分がゆを作ったときにできる上澄み液
水分量が多くなるほどカロリーは減っていきます。また、炊いた米に出汁を加えて煮たものは「入れがゆ」と呼び、米から炊く「炊きがゆ」とは区別されます。
おかゆダイエットの効果
次に、おかゆダイエットにより期待できる効果を解説します。
炭水化物の量が減らせる
たっぷりの水で作るおかゆは、通常通り炊いた場合に比べて、茶碗1杯分の米の量が減らせます。米に含まれる水分が多くなるぶん、量がカサ増しされるからです。
炊いた米の場合、茶碗1杯分(約150g)の米の量は約65gになります。一方、おかゆレシピの米量はだいたい1人分あたり45g程度です。また、一緒にたっぷりの野菜を加えて煮込めば、30g程度でも満足度は高くなります。
米の量が減れば必然的に炭水化物の含有量も減少するため、糖質の量を抑えることにつながります。体内で消費しきれない糖質は中性脂肪に変換されるため、糖質量を制限する方法はダイエットに効果的です。
なお、糖質を減らせるからといって、血糖値の上昇が抑えられるとは限りません。おかゆは柔らかく炊いてある分消化が早く、むしろ血糖値が上昇しやすい側面もあります。
炭水化物の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA
摂取カロリーを減らせる
米の量が減る分、カロリーを減らすことができます。下記は炊いた米とおかゆに関して100gあたりのカロリーを比べた表です。
白米(米飯) | 白米(全かゆ) | 白米(五分がゆ) | 白米(おもゆ) | |
エネルギー kcal/100 g | 156 | 65 | 33 | 19 |
エネルギー kJ/100 g | 663 | 278 | 141 | 80 |
水分 | 60.0 | 83.0 | 91.5 | 95.0 |
表を見るとわかる通り、水分量が多くなるほどカロリーは減っていきます。ダイエットの基本は消費カロリーより摂取カロリーを減らすことです。摂取カロリーを抑えることでダイエットにつながりやすいと言えます。
整腸作用が期待できる
おかゆは消化しやすい食品なので、体内で消化から排泄までのサイクルが早くなります。そのため胃腸に負担をかけずに、整腸作用を高めることが可能です。
また、腸内を整える作用を持つ食物繊維が含まれているので、便秘解消もサポートしてくれるでしょう。
ただし、炊いた白米に比べ消化が早いので、早くお腹が空いてしまうというデメリットもあります。
食物繊維の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率のよい摂取方法|NANIWA SUPLI MEDIA
おかゆダイエットの正しいやり方
おかゆダイエットの正しいやり方を解説します。おかゆダイエットの方法は大きく分けて2つあります。
①短期集中!おかゆのみで2週間
おかゆの整腸作用を最大限に活かすなら、2週間の集中ダイエットがおすすめです。先にご紹介した「2週間で体重10%減! おかゆダイエット」でも提唱されている方法です。
この方法の場合、消化から排泄までのサイクルを早めるため、おかゆのみを食べます。1回あたりの摂取量目安はお茶碗1杯分。おかゆの柔らかさはお好みで構いませんが、水分量が多すぎると噛み応えがなくなり満腹感を得にくいので、基本的には全がゆがおすすめです。
3食に限らず空腹を感じたタイミングで食べてよいので、置き換えダイエットとしては比較的続けやすいと言えます。1日に何杯か食べる場合は、総摂取カロリーに気を付けながら摂取すると失敗しにくいでしょう。
また、米だけでは栄養素が不足しがちになるので、肉や卵などをトッピングしてタンパク質を補うようにします。消化と排泄のサイクルを早めて整腸作用を高めるダイエット法なので、野菜や玄米など消化の遅い食物繊維が含まれる食品との食べ合わせは避けましょう。
この方法の場合、大切なのは長期で行わないことです。おかゆとトッピングだけでは栄養素が不足しがちになるので、必ず2週間でやめましょう。
②主食をおかゆに置き換える
おかゆダイエットのもうひとつの方法は、毎日のご飯やパンをおかゆに置き換えるやり方です。おかゆだけの方法に比べ、チャレンジしやすく手軽と言えます。最初は夜だけ置き換えて、徐々に移行していくと続けやすいでしょう。
その際、栄養素が不足しないよう主菜や副菜などのおかずも揃えて、栄養バランスの整った食事をするよう心がける点は同様です。
おかゆの柔らかさはお好みで構いませんが、まずは全がゆから始めるのがおすすめ。全がゆの場合、炊いたご飯に比べて減らせるカロリーは90kcalほどです。決して多い数値ではないので、短期期間で結果を出そうとせず継続を意識しましょう。
無理の少ない方法なので、1年ほど続けても構いません。むしろ緩やかに減量を目指すことで、リバウンド防止にもつながります。
栄養素のバランスを考えるなら、白米でなく玄米でおかゆを作る方法もおすすめです。玄米にはビタミンB群が多く含まれ、代謝アップも助けてくれます。
おかゆダイエット継続のコツ
おかゆダイエットを続けるためのコツを解説します。
アレンジすれば飽きにくい
水と白米だけで作るおかゆは、味が単調なぶん飽きやすいというデメリットがあります。煮込むときに、コンソメ味や中華出汁などを加えて味付けを変えると続けやすくなるでしょう。ただし、調味料の入れすぎには要注意です。
おかゆだけを食べる短期ダイエットの場合は、トッピングを工夫してください。肉類・魚類・卵など、いろいろな食材を入れると、味に変化が生まれやすくなります。
温かいおかゆを食べる
おかゆは冷めたものより、温かいものを食べましょう。温かい食べ物のほうが満腹感が得やすいためです。
また温かいうちに食べることで体内が温まるため、代謝アップもサポートしてくれます。
小分けにして冷凍保存するとラクチン
おかゆを毎回作るのが面倒な場合は、大量に作り置きして冷凍保存する方法がおすすめです。おかゆを何日分かまとめて作ったら、粗熱をとり保存容器に入れて冷凍します。
小分けにして冷凍保存しておけば、食べるときも便利です。保存期間の目安は2週間ほど。食べるときは水を少し加えて、レンチンするか鍋で加熱するとおいしく食べられます。
炊いた白米から作ると簡単
おかゆは材料を煮込むだけの調理方法ですが、生米から作ると30分から40分ほど加熱時間がかかります。時間がない場合は、炊いたご飯を水で煮込む「入れがゆ」でも構いません。
入れがゆの場合はお茶碗1/2杯分のご飯に、2倍の量の水を加えて煮込むだけです。煮込み時間はお好みですが、5分ほどを目安にすると良いでしょう。
おかゆダイエットの注意点
最後におかゆダイエットに関する注意点をまとめます。
食べ過ぎない
炊いた米に比べ、カロリーが低いからと言っておかゆの食べ過ぎには注意しましょう。食べる量が増えれば、その分摂取カロリーが増加してしまいます。1食あたりお茶碗1杯分を目安として、おかわりしないように気を付けましょう。
また、おかゆでカロリーで減らせるからと言ってほかの食品を食べ過ぎてしまっては意味がありません。ダイエットに大切なのは全体の摂取カロリーを減らすことなので、食事のバランスを考えながらコントロールしましょう。
栄養バランスに注意
おかゆばかり食べると、栄養が偏ってしまうので注意しましょう。白米や玄米は栄養豊富な食品ですが、ビタミンCやビタミンDなど含まれない栄養素もあります。
短期ダイエットの場合はタンパク質を補いつつ、必ず2週間でダイエットを終えてください。また、長期間でおかゆダイエットをする場合も、足りない栄養素をほかの食品から補うことを心がけましょう。
しっかり咀嚼する
おかゆは柔らかい分、あまり噛まずに飲み込んでしまいがちです。咀嚼回数が少ないと満腹中枢が刺激されないため、食べ過ぎてしまう場合があります。ひと口あたり30回程度を目安によく噛むようにしましょう。
また、水分量が多くなると噛み応えがなくなり、咀嚼回数が減ってしまいます。おかゆダイエットの場合は全がゆや七分がゆにしたほうが歯ごたえが残り、満足感を得やすいですよ。