キムチダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点
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キムチダイエットの効果と正しいやり方、継続のコツから注意点までを解説します。キムチダイエットにチャレンジしたい方はもちろん、すでにキムチダイエットに取り組んでいるけれど、いまいち成果が出ないとお悩みの方もぜひご覧ください。
キムチダイエットとは
まずはキムチダイエットの基本や、キムチの種類について解説します。
食事制限がないため無理なく続けられるダイエット法
キムチダイエットとは、とある有名女優が実践していることで話題となり、注目を集めたダイエット法です。キムチの原産地である韓国にはスタイル抜群の芸能人も多いことから、キムチにはダイエット効果があると期待されています。
副菜としてキムチを取り入れるダイエットで、無理な食事制限をしないため、継続しやすいダイエットです。ポイントになるのは、キムチに多く含まれるカプサイシン。カプサイシンは代謝を促進し、エネルギーを体内に蓄積するのを防いでくれます。
キムチとは
キムチは朝鮮半島が原産の発酵食品で、唐辛子とニンニクで野菜を塩漬けしたものです。もとは保存食として作られていました。
国内で市販されているキムチは、白菜や大根などの野菜に塩や唐辛子、ニンニクなどで味付けしたものが一般的です。しかしキムチには、唐辛子や香辛料を使わずに作られる種類もあります。主なキムチの種類は、次の通りです。
- 一般的なキムチ:野菜に塩・唐辛子・ニンニク・魚介の塩辛などで味付けして発酵させるキムチ。
- 白キムチ:唐辛子を使わず、塩・ニンニク・魚介の塩辛などで味付けするキムチ。使う野菜は一般的なキムチと違いはない。
- 水キムチ:唐辛子・ニンニク・魚介の塩辛を使用せず水で漬ける浅漬けのようなキムチ。白菜や大根のほか果物を漬けることもある。
唐辛子を使わない白キムチや水キムチも発酵させて作るため、一般的なキムチと同じように乳酸菌が豊富です。
キムチの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
キムチダイエットの効果
キムチダイエットにより期待できるダイエット効果を解説します。
100gあたり27kcalと低カロリーな副菜
キムチのカロリーは、100gあたり27kcalと低カロリーです。
キムチダイエットでは、キムチをほかの食品と置き換えることはせず、食事にプラスします。低カロリーなキムチは副菜として食事に追加しても、カロリーを気にする必要はありません。
ただし普段から摂取カロリーが多い場合は、キムチを摂取するだけでは効果を感じにくいかもしれません。その場合は、カロリー摂取量にも気をつけて食事の内容を決めましょう。
なお、エネルギー必要量は、日常生活における身体活動レベルに応じて変化します。一般的な身体活動レベルに値する自立して外出をするレベルⅡの推定エネルギー必要量は、以下の通りです。
年齢 | 男性 | 女性 |
18~29歳 | 2,650kcal | 2,000kcal |
30~49歳 | 2,700kcal | 2,050kcal |
50~64歳 | 2,600kcal | 1,950kcal |
カプサイシンが代謝を促進
唐辛子を使ったキムチには、カプサイシンが多く含まれています。
カプサイシンとは、唐辛子に含まれる天然の辛味成分です。食欲を増進させたり、発汗を促進したりする作用があります。
キムチがダイエットに効果的と言われる理由は、カプサイシンが代謝を促進するためです。
消化管から吸収されたカプサイシンは、中枢神経系に作用してアドレナリンの分泌を促進します。アドレナリンは心臓の働きを促進して、炭水化物や脂質の代謝に働きかけます。
唐辛子の入った料理を食べると発汗・発熱が起こるのは、代謝による熱産生が盛んになっているからです。代謝を促進することで、体内に老廃物がたまりにくい身体へ変えます。
乳酸菌と食物繊維で便秘解消
キムチは乳酸菌を多く含み、腸内環境を整える効果があります。またキムチに使われる白菜や大根は食物繊維が豊富なため、整腸効果を期待できる食品です。
乳酸菌には腸内の悪玉菌の増殖を抑制し、腸内環境を整えることで便秘や下痢を改善する効果があります。
食物繊維は、野菜類や豆類に多く含まれる栄養素です。腸内をゆっくりと流れて腸壁を刺激し、便通を促したり乳酸菌の栄養素として利用されて発酵を促進したりする働きをもっています。白菜を使用したキムチ100gあたりの食物繊維含有量は、次の通りです。
食品名 | 食物繊維総量 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
はくさい(キムチ) | 2.7g | 0.7g | 2.0g |
便秘は、肌荒れ・イライラ感・吐き気・腹痛などの症状の原因となります。乳酸菌と食物繊維の豊富なキムチには美容・健康効果が期待されます。
乳酸菌の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
食物繊維の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率のよい摂取方法|NANIWA SUPLI MEDIA
β-カロテンで美容効果も期待できる
β‐カロテンは、ニンジンやかぼちゃなど色の濃い野菜に多く含まれる天然色素です。キムチ100gには、170μgのβ‐カロテンが含まれます。
摂取されたβ‐カロテンは、小腸でビタミンAに変換されて体内へと吸収されます。ビタミンAは皮膚や粘膜の健康を維持して、病原体から身体を守る栄養素です。
皮膚を健康に保つには欠かせない栄養素で、美容効果も期待できます。
β-カロテンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
キムチダイエットの正しいやり方
ここからは、「どれくらいキムチを食べるのか」「いつキムチを食べるのか」など、キムチダイエットの具体的な方法を解説します。
副菜として1日50gを目安に食べる
キムチダイエットは、キムチを副菜として1日50g程度を目安に食べるダイエット法です。
キムチ100gのカロリーは46kcalで、50gに換算すると23kcalと低カロリーなため、ダイエット中の副菜に適しています。食事制限をするのではなく、副菜にキムチを取り入れるだけの簡単なダイエットです。
食べるタイミングに決まりはありませんが、ニンニクのにおいが気になるなら夕食に食べるとよいでしょう。寝ている間に消化が促進されるため、翌朝にはにおいが軽減されます。
また、食事の最初に食べるよりも、食事のあとに食べるほうがキムチの乳酸菌効果を維持しやすいと考えられています。乳酸菌は強酸性である胃液によって死滅するため、食べるタイミングに注意しましょう。
空腹時は胃酸の分泌が盛んになって酸性度が高くなります。キムチダイエットでは、食事の最初に食べるのは避け、あとのほうに食べるとより効果的です。
納豆と一緒に食べるのがおすすめ
キムチダイエットをするときは、納豆も一緒に摂取するのがおすすめです。
納豆もキムチと同じ発酵食品で、納豆菌が含まれています。納豆菌にも腸内環境を整える働きがあるため、納豆は乳酸菌を多く含むキムチと相性のよい食品です。
キムチと納豆を混ぜておつまみにしたり、ごはんに乗せたりすると食欲も増進されるでしょう。
納豆の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
加熱調理は避ける
乳酸菌の効果を期待する場合は、豚キムチやキムチ鍋などの加熱調理を避けましょう。
キムチに含まれる乳酸菌は熱で死滅しやすいため、加熱調理をすると効果が下がってしまいます。キムチダイエットでは、加熱せずにキムチを食べるほうが効果を期待できます。
キムチダイエット継続のコツ
キムチダイエットは、毎日キムチを食べるダイエット法で、その他に食事制限がないため継続しやすい方法です。しかし味に飽きてしまったり、辛味が苦手だったりする人には継続しにくいこともあります。
ダイエットを継続するコツは、さまざまな種類のキムチを食べることです。キムチは使う野菜や香辛料の違いによって、多くの種類があります。
なかには唐辛子を使わない白キムチや水キムチなど、辛味が苦手な人でも食べやすいキムチも販売されています。好みに合ったキムチを見つけるのも楽しいでしょう。味に飽きないようにする意味でも、キムチの種類を変えるのはおすすめです。
また、自家製キムチで好みの野菜や味付けを楽しむのも、ダイエット継続のポイントです。
キムチダイエットの注意点
最後に、キムチダイエットをするときの注意点を解説します。
食べすぎると高血圧や腎臓病のリスクが高まる
キムチは比較的低カロリーな食品ですが、100gあたりに含まれる食塩量が2.9gと多い点には注意が必要です。
日本高血圧学会によると、健康な人でも1日食塩摂取量を6g未満にすることを推奨しています。食塩を慢性的に過剰摂取すると、高血圧や腎臓病のリスクが高まるためです。
低カロリーだからとキムチを食べすぎると塩分過多になるため、1日50g程度を目安にしましょう。
接客業の場合は口臭に注意
接客業や営業職など人と接する仕事をしている場合は、キムチによる口臭に注意しましょう。
キムチにはニンニクを味付けに使うことが一般的で、アリシンと呼ばれるにおい物質が多く含まれます。ニンニクによる口臭を消したいときは、以下の食品を食後に食べるのがおすすめです。
- りんご
- パパイヤ・パイナップル
- 梅干し・レモン
- 牛乳
ただし上記の食品を食べても、完全にキムチのにおいを消せるわけではありません。ニンニクの入っていないキムチを選ぶことも、口臭予防の1つの方法です。
口臭の予防・対策におすすめの食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI MEDIA
胃腸への影響
キムチに使われる唐辛子にはカプサイシンが含まれ、食欲増進や代謝促進に働きます。しかし、大量にカプサイシンを摂取すると胃腸の粘膜が傷つきやすくなるため、摂取量には注意が必要です。
とくに、嘔吐・下痢をしやすい胃腸の弱い人や胃腸の調子が悪い人は、いきなり大量に食べるのは避けましょう。
まず少量を食べて、体調に問題がないかを確かめてからキムチダイエットを始めてください。体調に異変が起きた場合は、すぐに摂取をやめましょう。
また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍など胃腸に疾病をもっている人は、必ず主治医にキムチを食べてもよいか確認してください。