かぼすの栄養と効果効能・調理法・保存法

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かぼす

かぼすの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、似た食品との違い、かぼすに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

かぼすとは

かぼす(Kabosu)は、ミカン科の柑橘類で、9割以上が大分県で栽培されている特産品です。皮が青いうちに収穫されますが、熟すと黄色になります。

爽やかな酸味を楽しめるかぼすの果汁は、焼き魚や肉料理などに絞って使うことで素材の味を引き立てるほか、ジュースやポン酢の香りづけに使われます。

また、スライスしたかぼすの果実は、うどんやそうめんなど麺類のトッピングにも最適です。

かぼすの旬の時期は夏から秋。ハウス栽培のかぼすは3~7月にかけて流通し、露地栽培のかぼすは8月~10月に旬を迎えます。

現在流通している品種・種類のほとんどが「カボス大分1号」ですが、ほかに「豊のミドリ」「香美の川」「祖母の香」といった品種も栽培されてきました。

かぼすが手に入りにくいときは、香りや風味が似ている、すだち・ゆず・シークワーサー・ライムなどが代用品になります。

かぼすとすだちの違い

かぼすと同じ柑橘類で、混同されることも多いすだちですが、主な産地・サイズなどに違いがあります。

かぼすが大分県の特産品なのに対し、すだちは徳島県で多く生産されています。

また、かぼすの果実は80~120gのテニスボール大ですが、すだちは40g程度と小ぶりでゴルフボールくらいの大きさです。

かぼすに含まれる成分・栄養素

かぼす100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。参考として、同じ柑橘類であるすだち・ゆず・ライム・レモンの成分表を並記しています。

食品名単位かぼす 果汁 生すだち 果汁 生ゆず 果汁 生ライム 果汁 生レモン 果汁 生
廃 棄 率%00000
エネルギー(kcal)kcal/100 g2520212726
エネルギー(kJ)kJ/100 g1058488113109
水 分g/100 g90.792.59289.890.5
たんぱく質g/100 g0.40.50.50.40.4
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g
脂 質g/100 g0.10.10.10.10.2
トリアシルグリセロール当量g/100 g-0.1
飽和脂肪酸g/100 g-0.02
一価不飽和脂肪酸g/100 g-0.01
多価不飽和脂肪酸g/100 g-0.03
コレステロールmg/100 g00000
炭水化物g/100 g8.56.679.38.6
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g-1.9-3.1
水溶性食物繊維g/100 g0.10.10.30.2Tr
不溶性食物繊維g/100 g0Tr0.100
食物繊維総量g/100 g0.10.10.40.2Tr
灰 分g/100 g0.30.30.40.40.3
ナトリウムmg/100 g11112
カリウムmg/100 g140140210160100
カルシウムmg/100 g71620167
マグネシウムmg/100 g8151198
リンmg/100 g81111169
mg/100 g0.10.20.10.20.1
亜鉛mg/100 gTr0.20.10.10.1
mg/100 g0.030.030.020.030.02
マンガンmg/100 g0.040.050.10.010.03
ヨウ素µg/100 g
セレンµg/100 g
クロムµg/100 g
モリブデンµg/100 g
レチノールµg/100 g00000
α-カロテンµg/100 g0000
β-カロテンµg/100 g0000
β-クリプトキサンチンµg/100 g2115013
β-カロテン当量µg/100 g10Tr706
レチノール活性当量µg/100 g10101
ビタミンDµg/100 g00000
α-トコフェロールmg/100 g0.10.30.20.20.1
β-トコフェロールmg/100 g00000
γ-トコフェロールmg/100 g00000
δ-トコフェロールmg/100 g00000
ビタミンKµg/100 g00000
ビタミンB1mg/100 g0.020.030.050.030.04
ビタミンB2mg/100 g0.020.020.020.020.02
ナイアシンmg/100 g0.10.20.20.10.1
ビタミンB6mg/100 g0.030.080.020.050.05
ビタミンB12µg/100 g00000
葉酸µg/100 g1313111719
パントテン酸mg/100 g0.150.130.290.160.18
ビオチンµg/100 g
ビタミンCmg/100 g4240403350
食塩相当量g/100 g00000
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g
重量変化率%
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

かぼすの効果・効能

かぼすに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

美白・美肌作用のあるビタミンCが豊富

かぼすには多くのビタミン類が含まれますが、美肌作用・免疫力アップ・老化予防などに効果があると言われているビタミンCが特に豊富です。

ビタミンCは、果物や野菜に含まれる水溶性の栄養素。コラーゲン合成を促進したり、シミ・そばかすの元となるメラニン色素を抑える機能を持っていて、明るくハリのある肌の維持には欠かせない成分です。

ビタミンCには抗酸化作用もあり、活性酸素の増加を抑えることで老化や生活習慣病を予防します。鉄の吸収を促して、体の免疫力を強めてくれるので、風邪予防にも効果的です。

コレステロール対策に効果的

コレステロールが増えすぎると動脈硬化が進行し、心筋梗塞・脳梗塞など血管の病気を発症しやすくなります。

かぼすに含まれるフラボノイド系の栄養素には、コレステロールを低下させる機能があると期待されています。

ラットにかぼすの果汁粕を食べさせたところ、コレステロールの上昇を抑制したという研究報告もありました。コレステロール値が気になるときは、油っぽい料理の味付けや付け合わせにかぼすを取り入れるなど工夫してみましょう。

疲労回復をスムーズにするクエン酸

かぼすには、疲労回復効果が望めるクエン酸が含まれています。

クエン酸は、梅やレモンなどにも含まれる酸味成分の一種です。エネルギー代謝を活発にして、疲れの回復をスムーズにすると考えられています。

また、クエン酸の酸味には、唾液や胃液の分泌を促して食欲を増進させる効果も。夏バテなどで食欲が出ないとき、かぼすの酸味を料理のアクセントに取り入れてみてください。

カリウムで高血圧を改善

高血圧の予防・改善に効果的なカリウムを多く含んでいるのも、かぼすの成分組成の特徴です。

カリウムは必須ミネラルの一種で、塩の主成分であるナトリウムを体外に排出するのを助け、血圧を低下させます。

また、塩・醤油などの代わりに料理の味付けにかぼすを活用することで、料理の風味を落とすことなく減塩でき、高血圧の対策になります。

かぼすの食べ方

かぼすの栄養素を損なわない食べ方や調理方法などを解説します。

かぼすの調理方法

かぼすは、料理に汁を絞って調味料として使うほか、栄養豊富な皮ごと生で食べることもできます。

かぼすを丸ごと食べる場合は、水洗いして2~3mm程度の厚さに輪切りにしてください。輪切りにしたかぼすは、そのまま肉・魚料理や麺類のトッピングに使えます。

手軽にかぼすの栄養素を摂取したいときは、ジュースにするのもおすすめ。かぼす果汁・水・はちみつを混ぜ合わせるだけで、甘酸っぱいかぼすジュースが出来上がります。

かぼすの絞り方

かぼすを絞るときは、半分にカットした果実をくし切りにすると、果汁が飛び散りづらく上手に絞れます。

絞るときのコツは、切り口の面を上向きにして少し斜めにすること。こうすることで、外皮に含まれる栄養と果汁が同時に出すことができます。

かぼすの保存方法

かぼすの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

冷蔵保存

かぼすを冷蔵保存する場合、果実をポリ袋に入れて空気を抜き、冷蔵庫の野菜室で保存してください。冷蔵保存できる目安は約2ヵ月ですが、光を通さない黒いポリ袋を使用すれば、より長く新鮮な状態を保てます。

冷凍保存

生のかぼすは、冷凍保存もできます。あらかじめカットしたかぼすを凍らせておけば、凍ったままドリンクや冷麺などに使用でき、解凍する手間が省けます。果実は一つひとつラップに包み、冷凍保存用の袋に入れてください。

果汁の冷凍保存

絞ったかぼす果汁を冷凍する手順を説明します。絞り汁を製氷皿に入れて凍らせ、かたまったものをポリ袋に入れておけば、少量ずつ使えて便利です。冷凍した果汁は、約1年間保存が利きます。

参考文献