アーティチョークの栄養と効果効能・調理法・保存法

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アーティチョーク

アーティチョークの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、アーティチョークに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

アーティチョークとは

アーティチョーク(artichoke)は、地中海沿岸原産の西洋野菜です。キク科の植物で、花がアザミに似ていることから朝鮮あざみとも呼ばれます。

アーティチョークは花が咲く前の蕾(つぼみ)の状態で収穫されますが、可食部が少ない食品です。茎やガクを剥がした内側しか食べられません。芯の部分はアーティチョークハートと呼ばれ、もっとも旨味がある部分です。

味はカリフラワーや芋、百合根に例えられることが多く、独特の苦みと甘みがあります。また、アーティチョークの葉やガク、茎を乾燥させ粉末にすれば、ハーブティーとしても活用できます。

原産地のヨーロッパでは家庭料理に使われるほど身近な食材ですが、日本では知名度が低く、国内での生産量は多くありません。現在は大阪や関東の一部地域で栽培されているものの、ほとんどは輸入に頼っている状況です。

収穫時期は4月から7月頃の年1回のみ。輸入品は通年販売されますが、もっとも味が豊かな旬の時期は5月から6月のわずか1ヶ月と言われています。

アーティチョークの品種・種類

アーティチョークの加工品の種類をご紹介します。日本では生のアーティチョークを手に入れることは難しいため、加工品を購入するのも1つの手でしょう。

水煮缶

アーティチョークの水煮缶は、あらかじめ煮てあるため下処理が不要でそのまま料理に使えます。水煮缶のほとんどはアーティチョークの芯部分だけを集めているので、効率よく調理したい人にはぴったりです。

オイル漬けやマリネ漬け

アーティチョークを植物油またはビネガーで漬けて、瓶詰めされた商品も多くあります。そのままおつまみとして食べたり、前菜に使用したりできます。

アーティチョークに含まれる成分・栄養素

アーティチョーク100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

アーティチョークはカリウムやマグネシウムをはじめとしたミネラルが多く含まれています。

ビタミンB群などのビタミン類も豊富です。脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの両方が含まれ、特にビタミンCの含有量が多い傾向にあります。

特筆すべきは食物繊維の含有量です。生のアーティチョークでは、食物繊維総量が100gあたり8.7gで、ごぼうの約1.5倍にあたります。便秘解消にも期待できる食品と言えるでしょう。

食品名単位アーティチョーク 花らい 生アーティチョーク 花らい ゆで
廃 棄 率%7580
エネルギー(kcal)kcal/100 g4845
エネルギー(kJ)kJ/100 g201188
水 分g/100 g85.185.9
タンパク質g/100 g2.32.1
アミノ酸組成によるタンパク質g/100 g
脂 質g/100 g0.20.1
トリアシルグリセロール当量g/100 g-0.1-0.1
飽和脂肪酸g/100 g-0.05-0.02
一価不飽和脂肪酸g/100 g-0.01(Tr)
多価不飽和脂肪酸g/100 g-0.08-0.04
コレステロールmg/100 g00
炭水化物g/100 g11.310.8
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g-1-0.9
水溶性食物繊維g/100 g6.16.3
不溶性食物繊維g/100 g2.62.3
食物繊維総量g/100 g8.78.6
灰 分g/100 g1.11.1
ナトリウムmg/100 g2112
カリウムmg/100 g430380
カルシウムmg/100 g5247
マグネシウムmg/100 g5046
リンmg/100 g6155
mg/100 g0.80.7
亜鉛mg/100 g0.20.2
mg/100 g0.050.05
マンガンmg/100 g0.190.15
ヨウ素µg/100 g
セレンµg/100 g
クロムµg/100 g
モリブデンµg/100 g
レチノールµg/100 g00
α-カロテンµg/100 g00
β-カロテンµg/100 g65
β-クリプトキサンチンµg/100 g00
β-カロテン当量µg/100 g65
レチノール活性当量µg/100 g1Tr
ビタミンDµg/100 g00
α-トコフェロールmg/100 g0.40.4
β-トコフェロールmg/100 g00
γ-トコフェロールmg/100 g00
δ-トコフェロールmg/100 g00
ビタミンKµg/100 g22
ビタミンB1mg/100 g0.080.07
ビタミンB2mg/100 g0.10.08
ナイアシンmg/100 g1.21.1
ビタミンB6mg/100 g0.080.06
ビタミンB12µg/100 g00
葉酸µg/100 g8176
パントテン酸mg/100 g0.510.51
ビオチンµg/100 g
ビタミンCmg/100 g1511
食塩相当量g/100 g0.10
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 gTrTr
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g
重量変化率%110
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

アーティチョークの効果・効能

アーティチョークに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

高血圧や骨粗鬆症予防にカリウム

カリウムは筋肉や神経の興奮伝達に関わる重要なミネラルです。

もっとも重要な作用は細胞内の浸透圧調節で、ナトリウムの排出を促し塩分の摂りすぎを防いでくれます。日本人の場合、高血圧の原因は塩分の摂りすぎがほとんどなので、カリウムの多い食品の摂取は重要と言えるでしょう。

さらにカリウムは尿中のカルシウム排出を抑制する作用があり、骨粗鬆症の予防として有効であることが研究で明らかになっています。

あらゆる生理活性機能を持つマグネシウム

アーティチョークはミネラルの1種であるマグネシウムを多く含んでいます。マグネシウムは筋肉や骨、歯などあらゆる部位に存在し、健康の維持に役立つ栄養素です。

さらに多数の酵素を活性化させる役割があり、体内のさまざまな代謝を助けています。

水溶性食物繊維の血糖値とコレステロール低下作用

成分表のとおり、生のアーティチョークには食物繊維が8.7gも含まれています。特に含有量が顕著なのは水溶性食物繊維で、血糖値とコレステロールの低下作用が見込める栄養素です。

ある研究では糖尿病を持つラットに水溶性の食物繊維を投与したところ、空腹時の血糖値および血中のコレステロール値が低下しました。

シナロピクリンの抗炎症効果

アーティチョークの苦味にはシナロピクリンという成分が関わっています。シナロピクリンは抗炎症作用や代謝の促進作用が期待されている栄養素です。

2017年の研究では軟骨代謝をサポートする作用が見受けられ、変形性関節症の原因と考えられる軟骨基質合成能の低下を抑制することが明らかになりました。

胆汁促進作用のシナリン

古くから言われているアーティチョークの作用は、胆汁の分泌促進です。1970年の研究では、アーティチョークのエキスをラットやウサギに与えたところ、いずれも胆汁の分泌促進が確認されました。

胆汁の分泌に関わっているのはアーティチョークに含まれるシナリンと言われています。海外では胆汁分泌促進剤として使われている成分です。

抗酸化作用のあるビタミンC

アーティチョークにはビタミンCが含まれています。ビタミンCは水溶性の成分で、抗酸化作用のある栄養素です。

酸化を防止する働きがあり、過酸化脂質の発生を防ぐことで動脈硬化やがんなどの病気を予防する効果が期待されています。

アーティチョークの食べ方

アーティチョークの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

アーティチョークの洗い方

生のアーティチョークが手に入ったら、調理する前に必ず水で洗ってください。市販のものならさほど心配はいらないと言われますが、アーティチョークは虫のつきやすい植物です。流水で全体をよく洗うようにしましょう。

アーティチョークの調理方法

アーティチョークは刻んで炒め物や揚げ物にして食す方法がありますが、代表的なのは丸ごと茹でてそのまま食べる方法です。ここではアーティチョークの茹で方をご紹介しましょう。

最初に茎を根元から切り落とします。アーティチョークは酸化して黒く変色しやすいので、切った部分はレモン汁やお酢に漬けると変色を防げます。

次にガクの先の棘部分をハサミなどで取り除き、蕾(つぼみ)の先端を包丁で切り落とします。以上で下処理は完了なので、たっぷりの水に少々の塩を加えた鍋で丸ごと茹でましょう。

アーティチョークの食べ方

茹で上がったアーティチョークはガクを1枚ずつ剥がしながら、ガクのやわらかい部分を歯でこそげ取るように食します。

ガクをすべて剥がした底部分にアーティチョークハートがあるので、白い毛をスプーンなどで取り除いてから食べましょう。

アーティチョークを食べる際の注意点

アーティチョークに含まれるシナリンは胆汁量を増加させる作用があるため、胆管閉塞症を患っている人は摂取する前に必ず主治医に相談しましょう。

また、妊娠中の摂取については安全性を確認するデータが不十分のため、摂取を控えるべきという見解もあります。心配な場合は医師に相談してください。

アーティチョークは食品として摂取する場合、副作用のリスクはほとんどないと言われますが、念のため上記に該当する人は注意した方が賢明です。食品に比べ、成分が高濃度に含まれるサプリメントにも気を付けてましょう。

アーティチョークによるアレルギー症状

アーティチョークはキク科の植物のため、人によっては植物アレルギーを引き起こす可能性があります。

ブタクサやキクなど、同じキク科の食品に対し食物アレルギーを持っている人は注意した方がよいでしょう。

また、アーティチョークの苦味を作り出す、シナロピクリンという成分もアレルゲンになる可能性があるので気を付けてください。

アーティチョークの保存方法

アーティチョークの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

生のアーティチョークは日持ちしないため、購入後は早めに食べ切るようにしましょう。保存する場合は常温保存は不向きですので、冷蔵保存か冷凍保存をおすすめします。いずれも栄養素が損なわれる心配はありません。

アーティチョークを冷蔵保存する場合

冷蔵保存する場合はラップなどにくるみ、冷蔵庫の野菜室に入れましょう。保存期間は2日から3日です。

もし、カットした場合は変色しないよう酢水やレモン水に浸して保存してください。

アーティチョークを冷凍保存する場合

冷凍保存する場合は、茹でてから保存袋などに入れて保存します。保存期間は1ヶ月ほどです。使う時は解凍して、パスタや揚げ物などに使いましょう。

参考文献