精力減少の予防・改善に役立つ精のつく食べ物・飲み物
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男性ホルモンの減少による症状や定義、原因について解説したうえで、精力減少の予防・改善に役立つ精のつく食べ物を紹介します。
男性ホルモンとは
男性ホルモンとは、テストステロンを始めとする、アンドロゲンと呼ばれるステロイドホルモンの総称です。精力や筋力と密接に関係するホルモンで、精のつく食べ物を食べると男性ホルモンも増加するとされています。
男性ホルモン減少による症状
男性ホルモンが減少すると、次のような症状が起こることがあります。
◎性欲減退
◎勃起不全(ED)
◎倦怠感
◎ほてり
◎筋力低下
◎イライラ
◎抑うつ状態
◎集中力低下
男性ホルモンの減少で起こる症状は、男性更年期障害とも呼ばれます。女性の更年期障害と同様に、ホルモンバランスの乱れが原因です。
女性の体における男性ホルモン
男性ホルモンという名前が付いているため、男性にしか分泌されないと思われがちですが、女性の身体にも男性ホルモンを作る働きがあります。男性は精巣・副腎で男性ホルモンを産生し、女性は卵巣・副腎で生成するのが特徴です。
コレステロールから男性ホルモンが生成され、さらに酵素の働きで女性ホルモン(エストロゲン)が作られます。女性の血中におけるテストステロン濃度は、男性よりも少なく20分の1から10分の1程度の量といわれています。
女性の体における男性ホルモンは、卵子のもとである卵細胞の成長に必要不可欠なホルモンです。不妊治療での活用が期待されますが、一方で過剰な男性ホルモンが分泌されると、不妊の原因にもなります。
男性ホルモンと女性ホルモンは、それぞれを補うように産生・分泌されるホルモンです。女性ホルモンが減ると男性ホルモンの分泌が増え、女性ホルモンが増えると男性ホルモンは減ります。双方のバランスが乱れることで、女性でも男性ホルモンの増加が起こります。
男性ホルモンが減少する原因
男性ホルモンが減少したり、乱れたりする原因は下記のとおりです。
加齢による減少
加齢により、男性ホルモンの産生能力が落ちるとで精力が減退します。男性ホルモンを産生する、精巣の機能低下が原因です。一般的に、40歳ごろから男性ホルモンは減り始めます。男性ホルモンの減少による症状が強い場合は、男性更年期障害(LOH症候群)と呼ばれることがあります。
加齢による男性ホルモン産生能力の低下は、病気ではなく自然な現象ですが、うつの原因になるとも考えられており、症状が強い場合は受診が必要です。LOH症候群の裏に別の病気が隠れていることもあるので、自己判断せずに専門家に相談しましょう。
ストレスによる減少
過剰なストレスにさらされると、男性ホルモンが減少すると考えられています。男性ホルモンは脳からの指令により作られる仕組みですが、ストレスによって信号が邪魔されることが原因です。
食生活の乱れによる減少
男性ホルモンの減少は、食生活が乱れることでも起こります。男性ホルモンの原料となるのは、コレステロールです。しかし男性ホルモンを増やすには、コレステロールを多く含む食べ物を食べればよいわけではありません。
コレステロールは脂質の一種のため、過剰に摂取すると動脈硬化を促進させます。偏食をせず、バランスのよい食事を摂ることが大切です。
近年の研究では、男性ホルモンの産生にはコレステロールだけでなく、ビタミンDが関与していると報告されています。ビタミンDはコレステロールと相互作用し、精巣の機能や、精子の運動を正常に保つ働きにかかわっています。
精をつけるために効果的な栄養素
精力増強の予防・改善のために、男性ホルモンを増加させる効果的な栄養素について解説します。
脂質:原料となるコレステロールが重要
男性ホルモンを含むステロイドホルモンは、コレステロールが原料です。そのため、コレステロールなどの脂質を適量摂りましょう。
厚生労働省では、脂質の1日の摂取基準量として総エネルギー摂取量のうち約20%を目標とすることを推奨しています。過剰に摂取すると、動脈硬化などの脂質異常をきたす恐れがある点に注意が必要です。
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タンパク質:男性ホルモンの産生に働く
男性ホルモンが作られるときには、タンパク質の一種である酵素が必要です。タンパク質が不足すると、男性ホルモンの生成に必要な酵素が働かず、男性ホルモンが減少します。
精力減退が気になる場合は、積極的にタンパク質を摂取しましょう。
タンパク質の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI
ビタミンD:男性ホルモンの作用に不可欠
男性ホルモンの作用には、ビタミンDがかかわっていると考えられています。ビタミンDの不足によって、男性ホルモンの産生量が減り、精力減退に繋がります。
ビタミンDの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・おすすめレシピ|NANIWA SUPLI
ビタミンE:ホルモン分泌量を調整する脳の働きを活発に
ビタミンEは、副腎や卵巣に蓄えられ、性ホルモンの調節に関与する栄養素です。性ホルモンを正しく作用させ、生殖機能を維持する役割を持っています。
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亜鉛:生殖機能を維持する働き
亜鉛は、免疫機能を正常に保つ効果のほか、生殖機能を維持する働きを持ったミネラルです。男性の前立腺や性腺に多く含まれていて、性ホルモンの合成や精子の生成に関与しています。
欠乏すると性機能の低下をもたらす可能性のある栄養素であることから、アメリカでは亜鉛のことを「セックスミネラル」と呼ぶことも。
亜鉛の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
精力減退の予防・改善におすすめの食べ物
精力減退の予防・改善に効果的な食べ物について解説します。
タンパク質と脂質が豊富な肉類と卵
肉類や卵には、男性ホルモンの産生に必要なタンパク質が豊富に含まれます。また、男性ホルモンの原料となる脂質も多く含み、精力減退を予防・改選するのに効果的な食べ物です。
ただし、脂質を摂りすぎると、生活習慣病の原因となることがあります。卵の食べすぎに注意し、肉類は脂身の少ない牛肉や鶏肉がおすすめです。
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亜鉛を多く含む牡蠣
牡蠣は特に亜鉛の多い食べ物で、精力増強に効果的です。3~4個(正味量60~80g)程度摂取すれば、厚生労働省の定める1日の亜鉛摂取推奨量を満たします。
牡蠣のほか、貝類や肉類などに豊富に含まれています。欠乏の可能性がある方は、意識的に摂取すると良いでしょう。
男性ホルモンの分泌を促進するネギ類
ネギや玉ねぎ、ニラ、ニンニクといったネギ類の野菜には、男性ホルモンの分泌を促進する働きがあります。ネギ類には含硫アミノ酸と呼ばれるアミノ酸の一種が多く含まれており、この含硫アミノ酸が男性ホルモンを増加させると考えられています。
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ビタミンEと脂質が豊富なアボカド
アボカドは、森のバターとも呼ばれ、脂質の一種である不飽和脂肪酸を多く含むクリーミーな野菜です。また、ビタミンEも豊富なため、精力増強に効果があります。
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精力減少の予防・改善に効果的な生活習慣
精力減退を予防・改善するために心がけたい食生活や生活習慣について解説します。
睡眠を十分にとる
睡眠をとることで、脳を休め正常な機能を維持させることが可能です。精力減退の原因となる男性ホルモンの減少は、脳から正常な指示が送られず、産生量が減ることにより起こります。
睡眠不足になると脳が休む暇がなく、正常に機能しなくなるリスクが高まります。男性ホルモンを十分に作ってもらうためにも、睡眠を十分にとることは大切です。
ストレス発散方法を見つける
過剰なストレスにより、男性ホルモンが減って精力が減退することもあります。ストレスを発散できる方法を見つけるとよいでしょう。
例えば、ジムに通ったり、近所をランニングしたりといった運動や、カラオケなどでリフレッシュすることが大切です。
適度な日光浴をする
男性ホルモンを産生するときに、ビタミンDがかかわっていると考えられています。ビタミンDの活性には、日光(紫外線)が必要とされており、適度な日光浴も性欲増強に有効です。
日光浴をする際は、過度な紫外線や脱水症状に気を付けましょう。
参考文献
- 働き盛り世代を襲う男性更年期障害 男性ホルモン低下が招く多様な症状|日本新薬
- 男性ホルモンは女性の身体にどう働くの? (1)|英ウィメンズクリニック
- 男性更年期障害(LOH症候群)|元気プラザ
- テストステロンを増やすための2つのポイント|からだエイジング
- 脂質異常症|e-ヘルスネット
- ビタミンD と生殖機能|ビタミン(PDF)
- 男性ホルモンとは?|大東製薬工業株式会社
- ネギの成分がメタボの男性を救う?|健康サポート
- 悪風味除去可能な調理技術の確立|北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報(PDF)
記事の監修
AYA ARAHARA
ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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