えのきの栄養と効果効能・調理法・保存法

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えのき

えのきの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、えのきに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

えのきとは

えのき(榎木、Enoki mushroom)とはタマバリタケ科のきのこで、しいたけやしめじと並んで日本でもっとも食べられているきのこの一種です。

スーパーで並んでいるえのきは白色ですが、自然界にある天然のえのきは茶色で柄が短く、大きく開いたカサを持っています。

江戸時代には、主に天然のえのきが食べられていました。原木栽培が始まったのが明治時代で、現在のようなえのきが誕生したのは昭和時代の初期です。

現在では、おかくずなどに種菌を植え付けて暗室で培養されており、一年を通して流通しています。天然もののえのきの旬は、秋の終わり〜春にかけての時期です。

えのきの品種・種類

えのきには、人工的に栽培されたものと、天然ものの2種類があります。

菌床栽培えのき

スーパーなどの店頭で見かけるえのきは、菌床栽培されたもの。柄が細長く、直径6~8cmほどで束になって販売されているものがほとんどです。

暗室で育てられた白色のえのきと、野生種をかけ合わせて作られた茶色の「ブラウンえのき」があります。

天然えのき

エノキ、ヤナギ、クワなどの広葉樹の枯れ木や切り株に自生する天然えのき。晩秋から春にかけて発生するため、「ユキノシタきのこ」とも呼ばれています。

直径が3~5cmほどの大きなカサ、茶褐色、栽培されたえのきよりも強いぬめりが特徴です。

えのきに含まれる成分・栄養素

えのき100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

えのきは約90%が水分で、100gあたり22kcalと低カロリーなことから、ダイエットに向いている食材と言えます。

なお、比較のため生食・茹で・油炒め・瓶詰の状態の成分表を並記しています。

食品名単位えのきたけ 生えのきたけ ゆでえのきたけ 油いためえのきたけ 味付け瓶詰
廃 棄 率%15000
エネルギー(kcal)kcal/100 g22225885
エネルギー(kJ)kJ/100 g9292244354
水 分g/100 g88.688.683.374.1
たんぱく質g/100 g2.72.833.6
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g1.5-1.6-1.72.3
脂 質g/100 g0.20.13.90.3
トリアシルグリセロール当量g/100 g0.1-0.1-3.7-0.2
飽和脂肪酸g/100 g0.02-0.01-0.28-0.02
一価不飽和脂肪酸g/100 g0.01(Tr)-2.2-0.01
多価不飽和脂肪酸g/100 g0.08-0.04-1.04-0.11
コレステロールmg/100 g0000
炭水化物g/100 g7.67.88.816.9
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g1-1-1.110.3
水溶性食物繊維g/100 g0.40.30.41.1
不溶性食物繊維g/100 g3.54.24.23
食物繊維総量g/100 g3.94.54.64.1
灰 分g/100 g0.90.715.1
ナトリウムmg/100 g2231700
カリウムmg/100 g340270380320
カルシウムmg/100 gTrTrTr10
マグネシウムmg/100 g15111626
リンmg/100 g110110120150
mg/100 g1.111.20.8
亜鉛mg/100 g0.60.60.60.6
mg/100 g0.10.060.110.08
マンガンmg/100 g0.070.050.080.24
ヨウ素µg/100 g00
セレンµg/100 g123
クロムµg/100 g00
モリブデンµg/100 gTrTr6
レチノールµg/100 g0000
α-カロテンµg/100 g0000
β-カロテンµg/100 g0000
β-クリプトキサンチンµg/100 g0000
β-カロテン当量µg/100 g0000
レチノール活性当量µg/100 g0000
ビタミンDµg/100 g0.90.80.80.1
α-トコフェロールmg/100 g00-0.60
β-トコフェロールmg/100 g00(Tr)0
γ-トコフェロールmg/100 g00-1.20
δ-トコフェロールmg/100 g00(Tr)0
ビタミンKµg/100 g00-40
ビタミンB1mg/100 g0.240.190.260.26
ビタミンB2mg/100 g0.170.130.180.17
ナイアシンmg/100 g6.83.77.24.4
ビタミンB6mg/100 g0.120.090.10.09
ビタミンB12µg/100 g0000
葉酸µg/100 g75304739
パントテン酸mg/100 g1.40.961.471.04
ビオチンµg/100 g10.610.96.9
ビタミンCmg/100 g0000
食塩相当量g/100 g0004.3
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g3.7
有機酸g/100 g
重量変化率%8690
備考試料: 栽培品廃棄部位: 柄の基部(いしづき)エネルギー: 暫定値試料: 栽培品柄の基部(いしづき)を除いたものエネルギー: 暫定値試料: 栽培品柄の基部(いしづき)を除いたものエネルギー: 暫定値別名: なめたけ試料: 栽培品液汁を除いたものビタミンC: 酸化防止用として添加品あり
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

えのきの効果・効能

えのきに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

ビタミンB1:疲労回復を助ける

ビタミンB1は水溶性のビタミンで、糖質の代謝をサポートする働きがあります。

この働きにより、糖質をエネルギーに変換することで疲労回復を助けたり、糖質を主要なエネルギー源とする神経や脳の働きを正常に維持したりすることができます。

ビタミンB2:皮膚・粘膜・髪・爪の発育を助ける

ビタミンB2もビタミンB1と同様に水溶性のビタミンです。

ビタミンB2が不足すると、肌荒れや口内炎を引き起こすほか、成長期や妊娠中に不足すると生長障害を引き起こすことから、「発育のビタミン」「成長のビタミン」と呼ばれています。

ビタミンB2は、皮膚や粘膜、髪、爪などの発育を促す、口内炎・肌荒れ・ニキビなどの諸症状を予防する、糖質や脂質を消費して体内の蓄積を防ぐ、などの効果があります。

ナイアシン:酵素の働きを促進してエネルギーを作り出す

ナイアシンはビタミンB群の仲間で、熱に強い性質を持つ栄養素です。

ナイアシンを摂取することで、酵素の働きを促進してエネルギーを作り出す、皮膚や粘膜の炎症を防ぐ、アルコールを分解して二日酔いを防ぐ、血行を促進して冷えや頭痛などを改善する、脳内物質「セロトニン」の減少を抑えてうつ・統合失調症・不眠などの症状を改善する、などさまざまな効果を得ることができます。

葉酸:胎児の発育リスクを軽減する

葉酸は赤血球を作る働きがあることから「造血のビタミン」と呼ばれています。

また、葉酸の重要な働きに胎児の発育リスクを予防するというものがあります。これは、葉酸を十分に摂取することでDNAの形成に関わる物質SAM(S-アデノシルメチオン)を増やし、妊娠初期に起こる神経管閉鎖障害などのリスクを予防するためです。

さらに葉酸には、心不全や心筋梗塞、脳梗塞、認知症などの病気・障害のリスクを軽減する効果が期待できます。

食物繊維:便秘を解消する

えのきには、水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれていますが、特に不溶性食物繊維を多く含んでいます。

不溶性食物繊維は水に溶けない性質を持ち、胃や腸で水分を吸収して便のカサをふやします。これによって腸を刺激してぜん動運動を促し、便秘を解消するのです。

鉄:エネルギー代謝を促す、貧血を予防する

えのきは、ぶなしめじやエリンギ、まいたけなど、他のきのこに比べて多くの鉄を含んでいます。

鉄は人体に必須のミネラルの1つで、体中に酸素を運んでエネルギー代謝を促す、二酸化炭素を回収して肩こりや傷みを予防する、赤血球の材料となり貧血を予防する、新陳代謝を促してシミをできにくくする、健康な髪を保つ、などの効果があります。

キノコキトサン:脂肪吸収を予防する

キノコキトサンとは、きのこ由来の植物性キトサンなどで構成される複合食物繊維です。

キノコキトサンは水や胃酸にも溶けず腸まで届き、腸内をコーティングすることで、脂肪吸収を防ぐ効果があります。また、中性脂肪を減らし、肥満を予防する働きがあるという報告もあります。

エノキタケリノール酸:脂肪代謝を促す

えのきに含まれるエノキタケリノール酸は、運動後などに分泌されるアドレナリン受容体を活性化させて脂肪代謝を促し、内臓脂肪を積極的に減少させる効果があることがわかっています。

えのきの食べ方

えのきの栄養素を損なわない食べ方や調理する際の注意点を解説します。

えのきの食べ方

えのきに含まれるビタミンB1とビタミンB2は水に溶けやすい栄養素です。

これらの栄養素を逃さずに摂取するために、スープなど汁までまるごと食べられる料理にすると良いでしょう。

えのきを調理する際の注意点

えのきだけでなくきのこ類に共通して言えることですが、下ごしらえの際、水洗いするときのこ特有の風味が落ちてしまいます。

洗わずに、汚れが気になる箇所は濡らしたキッチンペーパーでやさしく拭き取るようにしましょう。

えのきの保存方法

えのきの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

常温保存

えのきは高温と多湿に弱いため、常温保存には適していません。冷蔵もしくは冷凍で保存するようにしましょう。

冷蔵保存

冷蔵保存する場合は、えのきを袋から取り出し、えのきから出る水分を吸い取るためにキッチンペーパーで包みます。このとき、石づきは切り落とさずそのままにしておきます。

キッチンペーパーで包んだら保存袋に入れて口を閉じ、冷蔵庫の野菜室で立てるようにして保存します。

冷蔵保存での保存期間は約1週間です。

冷凍保存

冷凍保存する場合は、まずえのきの石づきを切り落とし、1本1本バラバラにします。冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。

冷凍保存での保存期間は約1ヶ月です。