ドラゴンフルーツの栄養と効果効能・調理法・保存法
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ドラゴンフルーツの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、ドラゴンフルーツに含まれる栄養と効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。
ドラゴンフルーツとは
ドラゴンフルーツは、熱帯植物である「サンカクサボテン」になる果実です。
熱帯アメリカでは数種類のサボテン類を総称して「pitaya(ピタヤ)」と言い、なかでも果皮が龍の鱗のような形をしているものが「ドラゴンフルーツ」と呼ばれます。漢字では「火龍果」と表記します。
実の大きさは10〜15cmほどで、果肉と果肉のにある黒ごまのような種子もそのまま食べることが可能です。
あっさりとした酸味のある味と、種子ごと食べることによる粒々とした食感から、「キウイに似ている」と形容されることも。
ドラゴンフルーツの花は、月下美人によく似ており、強い芳香と一夜だけ咲くのが特徴です。その華やかな見た目から、南米では「貴族の婦人」と呼ばれます。
ドラゴンフルーツの原産地は中央アメリカと南アメリカで、現在メキシコをはじめ中南米・東南アジア・中国南・台湾・イスラエルなどで栽培されています。国内の主な栽培地は、沖縄県・鹿児島県・千葉県です。
旬は、国産・輸入物・種類によって変わります。国産のレッドピタヤは夏から秋にかけて出荷量が多くなり、国産のイエローピタヤは1〜3月、6〜10月頃が旬です。
輸入物のレッドピタヤは1〜5月が旬。輸入物のイエローピタヤは8〜10月に最も収穫量が多くなります。台湾のドラゴンフルーツは値段もお手頃になり、味も美味しくなる7〜9月が食べ頃です。
ドラゴンフルーツの品種・種類
ドラゴンフルーツの品種・種類について解説します。
ホワイトピタヤ(ホワイトドラゴン)
ホワイトピタヤの特徴は、赤い果皮に半透明の白色の果肉です。
現在もっとも多く流通している品種で、味は酸味がなくあっさりとしています。大きさは、200g〜1kg程度とさまざまです。
レッドピタヤ(レッドドラゴン)
レッドピタヤは赤い果皮に赤紫色の果肉が特徴で、台湾が原産の品種です。
食感はホワイトピタヤとさほど変わりませんが、甘みはレッドピタヤの方が少し強いと言えます。サイズは150〜800gと、ホワイトピタヤに比べて若干小さめです。
レッドピタヤの果汁は、天然色素として口紅や染料に使われることがあります。落ちにくいため、食べるときは服につかないように注意が必要です。
ピンクピタヤ(ピンクドラゴン)
赤い果皮に、うすいピンク色の果肉を持つピンクピタヤ。赤肉種と白肉種を交配して生まれた品種で、さっぱりとした甘みがあります。
2007年に品種登録された沖縄県で栽培されていている「ちゅらみやらび」のサイズは500g前後と比較的大きめで、高級な贈答品としても用いられます。
ゴールデンドラゴン
ゴールデンドラゴンは黄色の果皮と白色の果肉を持ち、ドラゴンフルーツの中ではもっとも小ぶりの品種です。
ほかの品種と同様に、さっぱりとした甘みと酸味があります。
イエローピタヤ
ゴールデンドラゴンと同じく黄色の果皮をした品種ですが、果皮の形に違いがあります。
ゴールデンドラゴンが一般的なドラゴンフルーツと同じ龍の鱗のような形をしているのに対し、イエローピタヤはゴツゴツしていてトゲが生えています。なお、トゲは出荷時に取り除かれます。
サイズは約200〜500gで、ジューシーで強い甘みが特徴。栽培数が少ないため、あまり市場に出回りません。
ドラゴンフルーツに含まれる成分・栄養素
ドラゴンフルーツ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。
なお日本食品標準成分表2015年版(七訂)では、前述したドラゴンフルーツの品種のうち、レッドピタヤを試料として用いています。
食品名 | 単位 | ドラゴンフルーツ 生 |
エネルギー(kcal) | kcal/100 g | 50 |
水 分 | g/100 g | 85.7 |
たんぱく質 | g/100 g | 1.4 |
炭水化物 | g/100 g | 11.8 |
水溶性食物繊維 | g/100 g | 0.3 |
不溶性食物繊維 | g/100 g | 1.6 |
食物繊維総量 | g/100 g | 1.9 |
ナトリウム | mg/100 g | Tr |
カリウム | mg/100 g | 350 |
カルシウム | mg/100 g | 6 |
マグネシウム | mg/100 g | 41 |
リン | mg/100 g | 29 |
鉄 | mg/100 g | 0.3 |
亜鉛 | mg/100 g | 0.3 |
銅 | mg/100 g | 0.03 |
マンガン | mg/100 g | 0.09 |
ヨウ素 | µg/100 g | - |
セレン | µg/100 g | - |
クロム | µg/100 g | - |
モリブデン | µg/100 g | - |
レチノール | µg/100 g | 0 |
α-カロテン | µg/100 g | 0 |
β-カロテン | µg/100 g | 0 |
β-クリプトキサンチン | µg/100 g | 0 |
β-カロテン当量 | µg/100 g | 0 |
レチノール活性当量 | µg/100 g | 0 |
ビタミンD | µg/100 g | 0 |
α-トコフェロール(ビタミンE) | mg/100 g | 0.4 |
β-トコフェロール(ビタミンE) | mg/100 g | 0 |
γ-トコフェロール(ビタミンE) | mg/100 g | 0.1 |
δ-トコフェロール(ビタミンE) | mg/100 g | 0 |
ビタミンK | µg/100 g | 0 |
ビタミンB1 | mg/100 g | 0.08 |
ビタミンB2 | mg/100 g | 0.06 |
ナイアシン | mg/100 g | 0.4 |
ビタミンB6 | mg/100 g | 0.05 |
ビタミンB12 | µg/100 g | 0 |
葉酸 | µg/100 g | 44 |
パントテン酸 | mg/100 g | 0.53 |
ビオチン | µg/100 g | - |
ビタミンC | mg/100 g | 7 |
別名:ピタヤ試料:レッドピタヤ廃棄部位:果皮 |
レチノール活性当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
(0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ドラゴンフルーツの効果・効能
ドラゴンフルーツに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。
マグネシウム:骨を丈夫にする
ドラゴンフルーツには、マグネシウムが豊富に含まれています。人の身体に含まれるマグネシウムの半分は骨にあり、カルシウムとともに骨を丈夫で強くする栄養素です。
またマグネシウムには、集中力を高める、神経の興奮を抑える、血管を広げて血圧を下げるといった作用もあります。
葉酸:細胞の産生と造血作用に効果的
ドラゴンフルーツは、100gあたり44μgと、果実類としては優秀な葉酸含有量を誇ります。
葉酸は、遺伝情報を持つDNAの合成にかかわったり、細胞をつくりだしたりする働きがあり、胎児の発育において重要な役割を果たします。
また、新しい赤血球を正常に作り出す時に不可欠なビタミンであることから、特に妊活中・妊娠中の女性に必要な成分です。
ベタシアニン:がんや生活習慣病を予防する
ドラゴンフルーツの品種のなかでも、レッドピタヤに含まれている赤色のアントシアニン系の色素成分「ペタシアニン」は、ポリフェノールの一種です。
強い抗酸化作用があり、がんの予防や生活習慣病の予防に効果的。
また、体の内側から細胞を若返らせるので、肌のターンオーバーを正常化し、美肌促進にも効果があります。
不溶性食物繊維:便秘を解消する
ドラゴンフルーツには、不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
不溶性食物繊維は、便のかさを増やすことによって腸内を刺激して排便を促したり、腸内にいる善玉菌のエサとなって善玉菌を優位にすることによって腸内環境を整えたりする働きがあります。
ただし、過剰に摂取すると腹痛や下痢を引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。
ドラゴンフルーツの調理方法
ドラゴンフルーツの栄養素を損なわない洗い方や調理方法を解説します。
ドラゴンフルーツの切り方
ドラゴンフルーツの廃棄部位は果皮のみです。果肉だけでなく、果肉の中にある種子まで食べることができます。
基本的な切り方は、まず縦に半分切り、さらに縦にもう半分に切ります。
そのままスプーンですくって食べるほか、皮を端からめくって剥がし、食べやすい大きさにカットして食べることもできます。
ドラゴンフルーツのおすすめの食べ方
そのまま食べる場合は、冷蔵庫で冷やすことでよりおいしく食べることができます。
味が薄いと感じる場合は、ライムを絞って酸味を足したり、はちみつをかけて甘みを足したりする方法もおすすめです。
また、バナナやリンゴ、好きな野菜と一緒にスムージーにしたり、サラダに加えたりすることで、シャキシャキとした食感と華やかな彩りを楽しむことができます。
ドラゴンフルーツの保存方法
ドラゴンフルーツの栄養素を損なわない保存方法を解説します。
ドラゴンフルーツは常温で保存することもできますが、10℃前後で保存するのが理想的です。
気温が高い季節は、保存用の袋に入れて野菜室で保管してください。
ドラゴンフルーツは時間をおいても追熟(未熟な果実がさらに熟すこと)しないため、購入後はなるべく早く食べるようにしましょう。