みょうがの栄養と効果効能・調理法・保存法

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ミョウガ

みょうがの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、みょうがに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

みょうがとは

みょうが(Japanese ginger)は、生姜と同じショウガ属の植物です。独特の辛味や香りが特徴で、香味野菜の一種でもあります。主な可食部分は花が咲く前のつぼみ部分です。

みょうがの歴史は古く、魏志倭人伝でもみょうがについて示した記述が見られます。原産地は東アジアで、日本には中国を通じて伝わったという説が濃厚です。

一説ではみょうがの名前の由来には、同時期に日本へ持ち込まれた生姜が関係していると言われます。香りの強い生姜を「兄香(せのか)」、香りの弱いみょうがを「妹香(めのか)」と呼び、のちに現在の呼び名に変化していったそうです。

古くから存在するみょうがですが、食用として栽培しているのは日本のほか、韓国と台湾の一部だけです。日本では本州および沖縄に自生しており、高知県や東北など全国各地で栽培されています。

みょうがの品種・種類

みょうがには品種によって収穫時期が異なります。代表的な品種について詳しくご紹介しましょう。

花みょうが

花みょうがはスーパーなどで見かける一般的なみょうがです。旬は6月から10月ですが、収穫時期によって呼び名が変わります。

6月から8月頃に収穫される花みょうがは夏みょうがです。秋時期に収穫されるみょうがと比べると小ぶりで、淡い紅色をしています。

一方、9月から10月に採れるものは秋みょうがと呼ばれ、色は濃い紅色です。香りも良いうえに、大きくふっくらとしていて歯ごたえがあります。

みょうがたけ

基本的にみょうがは花のつぼみ部分を食しますが、茎部分も食べられます。食用として栽培されている茎はみょうがたけと言い、若い茎部分を弱光化で軟白栽培した品種です。

旬は3月から4月頃で、白っぽい茎に先端が淡い紅色になります。

早稲田ミョウガ

早稲田ミョウガは東京の伝統野菜です。江戸時代に現在の新宿区早稲田周辺で栽培されていたことから、「早稲田」の名がつきました。一時期は栽培がストップしましたが、2011年に復活を遂げた品種です。

みょうがに含まれる成分・栄養素

みょうが100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

みょうがは成分のほとんどが水分のため、カロリーが低い傾向にあります。ほかの栄養素としてはカリウムやマグネシウムなどのミネラル類、食物繊維量が豊富です。

花みょうがとみょうがたけを比較すると、花みょうがは食物繊維が多く、みょうがたけはカリウムが豊富な傾向があります。

また、みょうがはビタミンKやビタミンCなどのビタミン類、ビタミンAと似た作用を持つβ-カロテンなどさまざまな栄養素が含まれるため、カロリーの割に栄養価の高い食品と言えるでしょう。

食品名単位みょうが 花穂 生みょうがたけ 茎葉 生
廃 棄 率%30
エネルギー(kcal)kcal/100 g127
エネルギー(kJ)kJ/100 g5029
水 分g/100 g95.697.1
タンパク質g/100 g0.90.4
アミノ酸組成によるタンパク質g/100 g-0.7-0.3
脂 質g/100 g0.10.1
トリアシルグリセロール当量g/100 g
飽和脂肪酸g/100 g
一価不飽和脂肪酸g/100 g
多価不飽和脂肪酸g/100 g
コレステロールmg/100 g00
炭水化物g/100 g2.61.5
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g
水溶性食物繊維g/100 g0.40.1
不溶性食物繊維g/100 g1.71
食物繊維総量g/100 g2.11.1
灰 分g/100 g0.80.8
ナトリウムmg/100 g1Tr
カリウムmg/100 g210350
カルシウムmg/100 g2511
マグネシウムmg/100 g307
リンmg/100 g1218
mg/100 g0.50.3
亜鉛mg/100 g0.40.3
mg/100 g0.050.03
マンガンmg/100 g1.171.44
ヨウ素µg/100 g1
セレンµg/100 g1
クロムµg/100 g0
モリブデンµg/100 g8
レチノールµg/100 g00
α-カロテンµg/100 g80
β-カロテンµg/100 g276
β-クリプトキサンチンµg/100 g00
β-カロテン当量µg/100 g316
レチノール活性当量µg/100 g31
ビタミンDµg/100 g00
α-トコフェロールmg/100 g0.10.1
β-トコフェロールmg/100 g00
γ-トコフェロールmg/100 g1.20.3
δ-トコフェロールmg/100 g0.10
ビタミンKµg/100 g208
ビタミンB1mg/100 g0.050.02
ビタミンB2mg/100 g0.050.02
ナイアシンmg/100 g0.40.1
ビタミンB6mg/100 g0.070.02
ビタミンB12µg/100 g00
葉酸µg/100 g2513
パントテン酸mg/100 g0.20.07
ビオチンµg/100 g1.1
ビタミンCmg/100 g21
食塩相当量g/100 g00
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g0.1
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g
重量変化率%
備考別名: 花みょうが、みょうがの子廃棄部位: 花茎別名: 花みょうが、みょうがの子
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

みょうがの効果・効能

みょうがに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

胃や脳への作用が期待されるα-ピネン

みょうが独特の香りは、精油成分であるα-ピネンが関わっています。α-ピネンは胃や神経保護作用が期待され、多くの研究が実施されてきました。

脳への作用も注目されており、アルツハイマー型認知症のマウスにα-ピネンを含むローズマリー精油を投与したところ、認知機能の改善が見られたという研究結果もあります。

むくみ防止に役立つ豊富なカリウム

みょうがに含まれるミネラルのうち、もっとも豊富に含まれる栄養素がカリウムです。カリウムは細胞内の浸透圧を調節するため、ナトリウムを排出する作用があります。

体内の塩分を排出することで、塩分の摂りすぎによるむくみ防止に効果が期待できるでしょう。

食物繊維で生活習慣病予防

みょうがには、整腸作用を持つ食物繊維が含まれます。食物繊維は胃で消化されず大腸まで届くので、便の体積を増やす役割を持つ栄養素です。必然的に腸のぜん動運動が促進され、便秘の解消をサポートしてくれます。

腸内環境を整えるだけでなく、糖やナトリウムを吸着し排出する作用があるため、糖尿病や高血圧などの生活習慣病予防にも役立つでしょう。

動脈硬化防止や骨形成に役立つビタミンK

みょうがに含まれるビタミンKは、プロトロンビンなどの血液凝固因子をサポートする役割を持ちます。そのほか骨の形成を調節する作用や、動脈の石灰化を防ぐ作用などがあるため、体にとって欠かせない栄養素です。

抗酸化作用を持つビタミンCやβ-カロテン

みょうがには水溶性ビタミンのビタミンCが含まれ、抗酸化作用が期待できます。抗酸化作用とは活性酸素の発生を抑えたり、除去したりする作用です。みょうがに含まれるβ-カロテンにも同様の作用があります。

活性酸素は過酸化脂質を生み出し、動脈硬化やガンなどの原因となるため、体の酸化防止はとても重要です。

妊婦に重要な葉酸

みょうがには水溶性ビタミンの葉酸も多く含まれます。葉酸はDNAの合成や赤血球の成熟をサポートするため、妊娠期には必要な栄養素として有名です。

欠乏すると胎児の脳や脊髄が正常に形成されない神経管閉鎖障害が起こる危険性があります。また、葉酸は鉄分と同じく貧血防止にも役立つため、妊婦は積極的に葉酸を摂取しましょう。

みょうがの食べ方

みょうがの栄養素を損なわない洗い方・食べ方・調理方法などを解説します。

みょうがの洗い方

みょうがは流水で洗い流し、泥を落とすだけで十分です。

加熱して調理する場合は水に浸ける必要はありませんが、辛味が気になる場合は水にさらしましょう。あくと辛味をしっかり抜く場合は、繊維に沿って千切りにしてから水にさらす方法がベストです。

みょうがの食べ方

みょうがは独特の風味を活かして、そうめんや冷ややっこなどの薬味にする方法が一般的です。食べる直前に刻めば、香りがよく立ち風味を損なわずに食べられます。

みょうがはほかにもぬか漬けや甘酢漬けなどの漬物、天ぷら、味噌汁などに使用され、和食には欠かせない食品です。みょうがの効能に期待して、古くから薬膳にも活用されています。

みょうがの切り方

みょうがは料理によって切り方を変えるのがおすすめです。小口切り、薄切り、千切り、みじん切りなどさまざまな切り方を試してみましょう。

薬味の場合は小口切りにすると、繊維質の強いみょうがの食感を少し抑えられます。味噌汁に使う際には縦に薄切りにすると、シャキシャキとした食感が活きるでしょう。

みょうがを調理する際の注意点

みょうがを水にさらすと、水溶性の栄養素が溶け出してしまうので、長く浸すのは控えましょう。長くても30秒ほどを目安にしてください。

味噌汁にする場合は別茹でせずにそのまま一緒に煮込む方が、栄養素が溶けた茹で汁も摂取できるためおすすめです。

みょうがを食べる際の注意点

みょうがは食物繊維が豊富なため、大量に摂取するとまれにお腹を下してしまうことがあります。くれぐれも食べすぎには気を付けましょう。

みょうがの保存方法

みょうがの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

常温保存

みょうがは常温保存では傷みやすいので、冷蔵保存や冷凍保存がおすすめです。

冷蔵保存

冷蔵保存の場合は2つの方法があります。

1つは、水を含ませたキッチンペーパーで包んでから保存する方法です。鮮度が落ちにくく、野菜室で1週間から10日ほど保存できます。2日に1回程度はキッチンペーパーを取り替えるようにしましょう。

2つ目は、水に浸して保存する方法です。2週間から1ヶ月ほど保存できるので、長期保存に向いています。保存容器にみょうがが浸るくらいの水を入れたら、野菜室で保管しましょう。2日に1度は水を替えてください。

冷凍保存

みょうがは凍らせても栄養素は損なわれないため、冷凍保存ができます。

冷凍保存も方法が2つあり、1つは丸ごと冷凍する方法です。みょうがを洗って水をよく切ったら、ラップにくるんで冷凍室に入れます。1ヶ月から2ヶ月ほど保存でき、使用する際は解凍せずに凍ったまま調理が可能です。包丁の刃が通りにくい場合は、少し常温に置いてから作業しましょう。

2つ目は、刻んだ状態で冷凍保存する方法です。加熱調理の場合なら解凍せずにそのまま料理に使えます。保存期間は2週間ほどです。

参考文献