こんにゃくの栄養と効果効能・調理法・保存法

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こんにゃく

こんにゃくの旬や原産地、主要な種類などの基本情報、こんにゃくに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

こんにゃくとは

こんにゃく(Konjac)は、サトイモ科の植物「こんにゃく芋」の球茎から作られる食品です。

原料となるこんにゃく芋の原産地は、インドまたはインドシナ半島と言われています。日本で栽培されるこんにゃく芋の90%以上は群馬県産です。

こんにゃく芋が収穫される旬の時期は11月~1月ですが、こんにゃくは加工食品のため年間を通して出回っています。

こんにゃくは、こんにゃく芋と水酸化カルシウムなどのアルカリ性物質を用いて作られます。こんにゃく芋に含まれるコンニャクマンナン(グルコマンナン)という食物繊維が、アルカリ性物質を加えることで固まる性質を持っているためです。

こんにゃくは90%以上が水で出来ており、糖質・カロリー共に低いことから、ダイエットに向いた食材としても注目されています。

こんにゃくの種類

こんにゃくの種類について紹介します。

黒いこんにゃくと白いこんにゃくの違い

こんにゃくは、大きく分けて、芋の精粉(せいこ)を原料とするものと、生の芋から作るものの2種類があります。

精粉のこんにゃくは白く、生芋のこんにゃくは黒っぽい色になります。

一般的に出回っているのは精粉のこんにゃくですが、生芋から作ったこんにゃくに見た目を似せるため、海藻などの粉末で着色されています。

生芋のこんにゃくの方が、食物繊維やカリウム・カルシウムなどのミネラル類が豊富です。

板こんにゃく

板こんにゃくは、型を使って厚い板状に仕上げた、最も一般的なこんにゃくです。白こんにゃく・黒こんにゃくなど種類も豊富で、ちぎったり切ったりしてあらゆる料理に使うことができます。

玉こんにゃく

玉こんにゃくは、その名の通り球状のこんにゃくです。発祥の地である山形県の名物で、4~5玉を串に刺し、醤油などで煮て食べるのが一般的です。

刺身こんにゃく

刺身こんにゃくは、水分が豊富で生のまま食べられるこんにゃくです。海苔やゆずなどで味付けされているものが多く、わさび醤油などをつけて刺身のように食べることができます。

しらたき・糸こんにゃく

しらたきや糸こんにゃくは、糸のような細いひも状のこんにゃくです。固まる前の糊状のこんにゃくを、細い穴に通しながら茹でます。しらたきは、こんにゃく類のなかでも特にカルシウムが豊富です。

凍みこんにゃく

凍みこんにゃく(しみこんにゃく)は、こんにゃくを乾燥・凍結させたもの。茨城県常陸太田市で伝統的に作られてきた食材で、コリコリした食感が特徴です。味が染みこみやすいため、煮物などによく用いられます。

こんにゃくに含まれる成分・栄養素

こんにゃく100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

食品名単位こんにゃく 精粉板こんにゃく 精粉こんにゃく板こんにゃく 生いもこんにゃく赤こんにゃく凍みこんにゃく 乾凍みこんにゃく ゆでしらたき
エネルギー(kcal)kcal/100 g177575167366
エネルギー(kJ)kJ/100 g74121292269915225
水 分g/100 g697.396.297.11280.896.5
たんぱく質g/100 g30.10.10.13.30.70.2
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g
脂 質g/100 g0.1Tr0.1Tr1.40.3Tr
トリアシルグリセロール当量g/100 g
飽和脂肪酸g/100 g
一価不飽和脂肪酸g/100 g
多価不飽和脂肪酸g/100 g
コレステロールmg/100 g0000000
炭水化物g/100 g85.32.33.32.577.116.83
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g
水溶性食物繊維g/100 g73.30.1Tr0.10.90.20
不溶性食物繊維g/100 g6.62.132.370.415.32.9
食物繊維総量g/100 g79.92.232.371.315.52.9
灰 分g/100 g5.60.30.30.36.21.40.3
ナトリウムmg/100 g1810211521110
カリウムmg/100 g300033444895021012
カルシウムmg/100 g57436846160034075
マグネシウムmg/100 g70253110234
リンmg/100 g1605751503210
mg/100 g2.10.40.678.512.22.70.5
亜鉛mg/100 g2.20.10.20.14.410.1
mg/100 g0.270.020.040.030.860.190.02
マンガンmg/100 g0.410.020.050.021.220.270.03
ヨウ素µg/100 g493
セレンµg/100 g1000
クロムµg/100 g51
モリブデンµg/100 g441
レチノールµg/100 g0000000
α-カロテンµg/100 g0000
β-カロテンµg/100 g0000
β-クリプトキサンチンµg/100 g0000
β-カロテン当量µg/100 g0000000
レチノール活性当量µg/100 g0000000
ビタミンDµg/100 g0000000
α-トコフェロールmg/100 g0.20Tr00.40.10
β-トコフェロールmg/100 g0000000
γ-トコフェロールmg/100 g0000000
δ-トコフェロールmg/100 g0000000
ビタミンKµg/100 g0000000
ビタミンB1mg/100 g0000000
ビタミンB2mg/100 g0000000
ナイアシンmg/100 g00Tr00.30.10
ビタミンB6mg/100 g1.20.020.020.020.480.10.01
ビタミンB12µg/100 g0000000
葉酸µg/100 g6512161130
パントテン酸mg/100 g1.52000000
ビオチンµg/100 g4.50.1
ビタミンCmg/100 g0000000
食塩相当量g/100 g00000.100
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g
重量変化率%430
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

こんにゃくの効果・効能

こんにゃくに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

グルコマンナン(食物繊維)で便秘や高コレステロールを改善

こんにゃくには、グルコマンナン(コンニャクマンナン)という食物繊維が豊富です。

野菜やきのこ類などに多く含まれる食物繊維は、人の消化酵素で消化することのできない物質で、体にとって有用な働きをします。

食物繊維は大きく分けて水溶性食物繊維・不溶性食物繊維の2種類がありますが、こんにゃくに豊富なグルコマンナンは水溶性食物繊維です。

グルコマンナンなどの水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える・血糖値の急激な上昇を抑える・コレステロールを低下させるといった効能を持っています。

歯・骨の健康を保つカルシウム

カルシウムは、人体に必要な必須ミネラルの一種で、骨や歯を作る成分です。丈夫な骨格を作るために大切な栄養素で、カルシウム不足は骨粗鬆症のリスクを高めます。

カルシウムは現代人に不足しがちな栄養素ですが、こんにゃくにはカルシウムが多く含まれており、骨の健康が気になる方にとっても有用な食材です。

なお、細い糸状のこんにゃくであるしらたきは、板こんにゃくと比較してカルシウムが人体に吸収されやすいことが研究で証明されています。

板こんにゃくでも細切りにすることでカルシウムが吸収されやすくなりますので、カルシウムを効率よく摂取したい方はひと手間加えるか、しらたきを積極的にメニューに取り入れると良いでしょう。

低カロリーでダイエットに最適

こんにゃくはほとんどが水分で出来ており、板こんにゃく(精粉)100gあたりのエネルギー量はたったの5kcalと非常にヘルシーな食材です。

ごはんや麺類などの炭水化物を、こんにゃくに置き換えるダイエットも人気があります。

また、こんにゃくに含まれる食物繊維には糖の吸収をおだやかにしたり、便通を改善する効果があるのもポイント。こんにゃくを毎日の食事にうまく取り入れれば、肥満や高血糖などの改善効果が見込めるでしょう。

こんにゃくの食べ方

こんにゃくの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

こんにゃくの下処理方法(下ゆで・アク抜き)

こんにゃくが持つ独特な臭みやえぐみは、アク抜きすることで気にならなくなります。下ごしらえの手順を簡単に説明します。

1.こんにゃくを水でサッと洗い表面のぬめりを落とす。
2.カットしたこんにゃくに塩をふり、塩もみする。
3.沸騰したお湯で2~3分茹でてアク抜きする。
4.ザルにあげて水をきり冷ます。

なお、アク抜き不要と表示のあるこんにゃくは、アク抜きの工程を省いてそのまま料理に使えます。

こんにゃくの食べ方

こんにゃくは煮物の具材として用いるほか、ご飯類や麺などの炭水化物との置き換えダイエットにも有用です。粒状のこんにゃくをご飯に混ぜることで、満腹感を得ながら摂取カロリーを抑えられます。

また、こんにゃくはカルシウムが豊富な食材です。カルシウムの吸収を助けるビタミンDを多く含むサケ・マグロなどの魚類やきのこ類と一緒に食べると、より効率よく栄養素を摂取できます。

こんにゃくを食べる際の注意点

食物繊維の多いこんにゃくには整腸作用がある一方、食べすぎると下痢を引き起こす可能性があります。

こんにゃくに含まれる食物繊維「グルコマンナン」の1日の摂取目安量は4~5gと言われており、板こんにゃく1丁分(250g)に相当する量です。こんにゃくはカロリーが低く栄養素が豊富だからといって、一度にたくさん食べすぎないようにしましょう。

こんにゃくの保存方法

こんにゃくの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

常温・冷蔵保存

開封前のこんにゃくは、高温多湿を避けた常温の環境もしくは冷蔵庫で、パッケージに記載された賞味期限まで保存することが可能です。

開封後は、残ったこんにゃくを袋に入っていた水と共に保存容器などに入れて冷蔵保存すれば、最大1ヶ月程度まで長持ちします。袋の水を捨ててしまった場合は、水道水を代用して2~3日おきに取り換えればある程度保存が可能です。

冷凍保存

こんにゃくは冷凍すると水分が抜け、柔らかな食感が失われて硬い食感になります。

冷凍保存したこんにゃくは、コリコリとした食感を活かせる料理に使うのがおすすめです。冷凍する場合、あらかじめカットしたこんにゃくを密閉できる袋に入れて凍らせてください。

常温で1時間ほどかけてゆっくり解凍すると、短時間で解凍するよりもこんにゃくの柔らかさを保つことができます。

参考文献