キウイフルーツの栄養と効果効能・調理法・保存法
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キウイフルーツの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、キウイフルーツに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。
キウイフルーツとは
キウイフルーツ(kiwifruit)は、マタタビ科マタタビ属のつる性植物に成る果実です。キウイフルーツの果肉は甘酸っぱくジューシーで、ビタミンCなどの栄養素が豊富なことで知られています。
もともと中国に自生していた果樹をニュージーランドで品種改良し、現在のキウイフルーツが生まれました。キウイフルーツという名前は、ニュージーランドの国鳥であるキーウィに見た目が似ていることから付けられたと言われています。
キウイフルーツの果実は、直径6cmほどの楕円形で、薄茶色の果皮に細かいうぶ毛が生えているのが特徴です。果肉の色は、品種により緑・黄・赤などさまざまで、中心部に小さな黒い種が入っています。
日本産のキウイフルーツの旬は12~4月ですが、ニュージーランド産などの輸入品は1年を通して出回っています。
キウイフルーツの品種・種類
キウイフルーツは、大きく緑肉種と黄肉種に分けることができ、小ぶりなサイズのベビーキウイなども流通しています。それぞれの特徴と代表的な品種を紹介します。
緑肉種(グリーンキウイ)
果肉が緑色をしたキウイは、緑肉種(グリーンキウイ)と呼ばれています。市販されているグリーンキウイのほとんどが「ヘイワード」種の系統です。
緑肉種は、甘みと酸味のバランスのとれた味わいが特徴で、キウイフルーツのなかでも食物繊維やβカロテンなどの栄養素を多く含んでいます。黄肉種と比較してカロリーや糖質が少ないため、ダイエット中には緑肉種がおすすめです。
黄肉種(ゴールデンキウイ)
黄肉種(ゴールデンキウイ)は、果肉が黄色いキウイフルーツです。ニュージーランドのゼスプリ社が開発した「ゼスプリ・ゴールド(ホート16A)」「ゼスプリ・サンゴールド」などが多く流通しています。
黄肉種は、緑肉種よりも酸味が少なく甘みの強いキウイです。黄肉種には、ビタミンCが緑肉種の2倍以上も含まれています。
ベビーキウイ(ミニキウイ)
キウイの仲間である、マタタビ科マタタビ属の植物「サルナシ」の果実は、ベビーキウイまたはミニキウイと呼ばれています。
サルナシの果実にはうぶ毛がなく、直径2~3cmと普通のキウイフルーツよりも小ぶりです。キウイフルーツと同じく、ベビーキウイにもビタミンCなどの栄養素が豊富に含まれています。
キウイフルーツに含まれる成分・栄養素
キウイフルーツ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。
食品名 | 単位 | キウイフルーツ 緑肉種 生 | キウイフルーツ 黄肉種 生 |
廃 棄 率 | % | 15 | 20 |
エネルギー(kcal) | kcal/100 g | 53 | 59 |
エネルギー(kJ) | kJ/100 g | 222 | 248 |
水 分 | g/100 g | 84.7 | 83.2 |
たんぱく質 | g/100 g | 1 | 1.1 |
アミノ酸組成によるたんぱく質 | g/100 g | 0.8 | -0.7 |
脂 質 | g/100 g | 0.1 | 0.2 |
トリアシルグリセロール当量 | g/100 g | 0.1 | -0.2 |
飽和脂肪酸 | g/100 g | 0.01 | -0.06 |
一価不飽和脂肪酸 | g/100 g | 0.02 | -0.02 |
多価不飽和脂肪酸 | g/100 g | 0.06 | -0.09 |
コレステロール | mg/100 g | 0 | 0 |
炭水化物 | g/100 g | 13.5 | 14.9 |
利用可能炭水化物(単糖当量) | g/100 g | 9.8 | -11.2 |
水溶性食物繊維 | g/100 g | 0.7 | 0.5 |
不溶性食物繊維 | g/100 g | 1.8 | 0.9 |
食物繊維総量 | g/100 g | 2.5 | 1.4 |
灰 分 | g/100 g | 0.7 | 0.5 |
ナトリウム | mg/100 g | 2 | 2 |
カリウム | mg/100 g | 290 | 300 |
カルシウム | mg/100 g | 33 | 17 |
マグネシウム | mg/100 g | 13 | 12 |
リン | mg/100 g | 32 | 25 |
鉄 | mg/100 g | 0.3 | 0.2 |
亜鉛 | mg/100 g | 0.1 | 0.1 |
銅 | mg/100 g | 0.11 | 0.07 |
マンガン | mg/100 g | 0.11 | 0.04 |
ヨウ素 | µg/100 g | 0 | - |
セレン | µg/100 g | 1 | - |
クロム | µg/100 g | 0 | - |
モリブデン | µg/100 g | Tr | - |
レチノール | µg/100 g | 0 | 0 |
α-カロテン | µg/100 g | 0 | 1 |
β-カロテン | µg/100 g | 66 | 38 |
β-クリプトキサンチン | µg/100 g | 0 | 4 |
β-カロテン当量 | µg/100 g | 66 | 41 |
レチノール活性当量 | µg/100 g | 6 | 3 |
ビタミンD | µg/100 g | 0 | 0 |
α-トコフェロール | mg/100 g | 1.3 | 2.5 |
β-トコフェロール | mg/100 g | 0 | 0 |
γ-トコフェロール | mg/100 g | Tr | 0 |
δ-トコフェロール | mg/100 g | 0 | 0 |
ビタミンK | µg/100 g | 0 | 0 |
ビタミンB1 | mg/100 g | 0.01 | 0.02 |
ビタミンB2 | mg/100 g | 0.02 | 0.02 |
ナイアシン | mg/100 g | 0.3 | 0.3 |
ビタミンB6 | mg/100 g | 0.12 | 0.14 |
ビタミンB12 | µg/100 g | 0 | 0 |
葉酸 | µg/100 g | 36 | 32 |
パントテン酸 | mg/100 g | 0.29 | 0.26 |
ビオチン | µg/100 g | 1.4 | - |
ビタミンC | mg/100 g | 69 | 140 |
食塩相当量 | g/100 g | 0 | 0 |
アルコール | g/100 g | - | - |
硝酸イオン | g/100 g | - | - |
テオブロミン | g/100 g | - | - |
カフェイン | g/100 g | - | - |
タンニン | g/100 g | - | - |
ポリフェノール | g/100 g | - | - |
酢酸 | g/100 g | - | - |
調理油 | g/100 g | - | - |
有機酸 | g/100 g | 2 | - |
重量変化率 | % | - | - |
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
(0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
キウイフルーツの効果・効能
キウイフルーツに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。
美容や免疫アップに効果的なビタミンC
ビタミンCには抗酸化作用があり、体に悪影響を及ぼす活性酸素を抑制・除去することで、がんや生活習慣病を予防します。また、免疫機能を維持する働きもあります。
ビタミンCは美容にも役立つ成分で、肌のハリを維持するコラーゲンの生成を助ける、シミの原因でもあるメラニン色素の生成を抑えるなどの効果を持っています。
野菜や果物に多く含まれているビタミンCですが、キウイフルーツのビタミンC含有量は果物のなかでもトップクラス。ビタミンCがより多く含まれているのは黄肉種のキウイフルーツなので、美容効果や免疫力向上といった作用を期待するときは黄肉種を選びましょう。
カリウムで生活習慣病を予防
ナトリウムを体外に出す機能のあるカリウムは、塩分の摂取量が気になるときに積極的に摂っておきたい必須ミネラルです。
塩分の摂りすぎは、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病や、むくみを引き起こす原因でもあります。
キウイフルーツには、緑肉種・黄肉種ともにカリウムが豊富に含まれているため、塩分摂取量が気になるときは毎日の食事に取り入れてみましょう。
整腸作用のある食物繊維で便秘を改善
食物繊維は、食品から摂取すると消化・吸収されずに大腸まで届く栄養素です。便秘を改善したり腸内環境を整える働きがあるほか、コレステロールを低下させる、血糖値の上昇を抑制するなどの作用も持っています。
キウイフルーツには食物繊維が豊富で、特に緑肉種のキウイに多くの食物繊維が含まれています。
食物繊維には不溶性食物繊維・水溶性食物繊維の2種類があり、それぞれ異なる機能を持っています。緑肉種のキウイフルーツに含まれる食物繊維の比率は、腸にとってベストなバランスと言われている不溶性2:水溶性1で、食物繊維を摂取するのに理想的なフルーツと言えるでしょう。
消化促進効果のあるアクチニジン
キウイフルーツに含まれるアクチニジンというたんぱく質分解酵素には、消化を助ける効果があります。
アクチニジンは、キウイフルーツをはじめとしたマタタビ科の植物に含まれる栄養素です。たんぱく質の分解を促進し、胃の内容物を排出する速度を早めることで、アミノ酸の吸収効率を高める可能性があることが研究でも報告されています。
また、アクチニジンには肉を柔らかくする作用もあり、キウイフルーツで肉を漬け込んで食感を良くする調理方法もあります。
貧血予防に役立つ葉酸
キウイフルーツには、ビタミンB群の一種である葉酸も豊富です。
葉酸には造血作用があり、貧血の予防に有効な栄養素と言われています。また、胎児の健康な発育に関わる成分なので、妊娠中には特にしっかりと摂取しておく必要があるビタミンです。
葉酸を含むキウイフルーツは、貧血に悩む方や妊婦にもおすすめのフルーツと言えるでしょう。なお、葉酸の含有量は緑肉種のキウイフルーツのほうがやや高めなため、栄養価を重視するなら緑肉種を選びましょう。
キウイフルーツの食べ方と注意点
キウイフルーツの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。
栄養を損なわないためには「生」で「皮ごと」がおすすめ
キウイフルーツは、ビタミンCなど熱に弱い栄養素も多く含んでいます。キウイの栄養を逃さないためには、加熱せず生のまま食べるのがおすすめです。そのまま食べるのはもちろん、スムージーやジュース、豆乳ドリンクにも加工できます。
また、一般的に皮を剥いて食べるイメージのあるキウイフルーツですが、栄養を取りこぼさないためには皮ごと食べるのがおすすめです。キウイフルーツの皮には食物繊維・葉酸・ビタミンEなどが多く含まれており、果肉よりも栄養素が豊富と言われています。
追熟させて甘み&栄養価アップ
店頭に並んでいる多くのキウイフルーツは未熟な状態で、果肉が硬く酸味も強いため、常温の環境に置いて追熟させてから食べましょう。
キウイフルーツは、完熟させることで甘みが増すうえ、栄養素もアップすると言われています。キウイフルーツを手で優しく触ってみて、弾力を感じるくらいの柔らかさになったときが食べごろです。
うぶ毛が気になるときはアルミホイルで擦る
キウイフルーツの皮にはうぶ毛が生えているため、そのまま食べるのは抵抗があるという人も少ないないでしょう。
うぶ毛の食感が気になる場合は、アルミホイルで擦って毛を取り除くと食感が良くなります。アルミホイルが手元にない場合は、手でごしごしと擦るだけでもある程度取り除くことができます。
ヨーグルトとの食べ合わせに注意
キウイフルーツとヨーグルトの食べ合わせには注意が必要です。生のキウイフルーツをヨーグルトと混ぜて長時間放置しておくと、キウイに含まれるたんぱく質分解酵素のアクチニジンの働きにより、苦みが出ることがあります。
キウイフルーツをヨーグルトと混ぜるときは、すぐに食べてしまうか、ジャムなど加熱調理したものを使うようにしましょう。
口腔アレルギーが出た場合は速やかに病院へ
キウイフルーツを食べると、唇・口内・喉がかゆくなったり、イガイガするなどの口腔アレルギーの症状が出ることがあります。症状が出たら自己判断はせず、速やかに病院で受診しましょう。
キウイに含まれるアレルギー成分は、たんぱく質分解酵素アクチニジンと考えられます。
キウイフルーツの保存方法
キウイフルーツの栄養素を損なわない保存方法を解説します。キウイフルーツを追熟させる場合は常温で、完熟したキウイは冷蔵庫で保存してください。
常温保存
未熟なキウイフルーツは、常温保存で食べごろまで追熟させることでおいしく食べることができます。ポリ袋に入れて直射日光の当たらない場所で保存し、食べごろまで追熟させてください。
早く追熟させたい場合は、植物の老化ホルモンといわれるエチレンガスを出すバナナやりんごなどのフルーツと同じ袋に入れておくのがおすすめです。
冷蔵保存
食べごろを迎えたキウイフルーツは、乾燥を防ぐためにキッチンペーパーか新聞紙で1つずつ包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。冷蔵庫に入れておけば、約1週間ほど食べごろの状態を保てます。
冷凍保存
完熟したキウイフルーツを長期保存する場合は冷凍してください。皮を剥かず丸ごと凍らせても良いですし、カットしてから冷凍することも可能です。
丸ごと冷凍した場合、表面だけ流水解凍すれば、湯むきのように簡単に皮を剥くことができます。
一方、カットして冷凍したキウイは、常温で自然解凍するか、凍ったままか半解凍の状態でシャーベット感覚で食べることもできます。
キウイフルーツのおすすめレシピ|キウイのグリーンVI-DAスカッシュ
キウイフルーツと、栄養特化型スムージーを使って作る、栄養補給にぴったりのおすすめレシピをご紹介します。
レシピ情報
・メニュー名:キウイのグリーンスカッシュ
・調理時間:10分
・材料:1人分
用意するもの
・炭酸水 200ml
・キウイ 1個
・レモン汁 小さじ1
・グラニュー糖 小さじ2
・VI-DA 8g
・氷 適量
作り方
1.キウイを小さめの角切りにして、半分をフォークでつぶす。
2.つぶしたキウイに、レモン汁、グラニュー糖、VI-DAを入れ、混ぜて溶かす。
3.つぶしたキウイをグラスに入れて、炭酸水を1/3入れて混ぜて溶かす。
4.残りのキウイと炭酸水、氷を静かに注ぎ入れ、お好みでミントやレモンを飾る。
レシピ紹介
14種類の野菜と18種類のスーパーフードを配合したVI-DAを使って作る、暑い日にぴったりの栄養満点グリーンスカッシュのレシピをご紹介します。
キウイをまるごと1個使っているので、味わいさっぱりながら飲みごたえも十分。VI-DAとキウイの酸味がよく合い、グリーンの見た目も爽やかなドリンクです。
食事だけでは補いにくい栄養を効率よく補給できるうえに低カロリーなので、美容やダイエットのお供としてもぴったり。VI-DAの栄養+キウイのビタミンCで美肌をばっちりサポートしましょう。