年末までにトライしたい体内の大掃除、ファスティング(断食)!

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ファスティング(断食)にトライしたいと考えている人は案外多いのでは? 年末年始に家中の大掃除をし新しい気持ちで新年を迎えるように、体の中も徹底的に大掃除して新年を迎えたいと思うのは当然です。ここでは話題のファスティング(断食)のメリットや挫折しないやり方についてご紹介していきましょう。

ファスティングは万人に支持される健康法で美容法

ファスティングと断食は基本的には同じ意味。ただ、断食の方がどちらかというと修行的な意味が含まれるかもしれません(本記事では以下ファスティングで統一)。ファスティングとは、 一定の期間食事を全く取らない、あるいは必要最低限の栄養素やカロリーに制限する食事方法でさまざまなやり方だけでなく、複数の優れた効果も報告されています。

「体重を落としたい」だけでなく胃腸を休ませる・便秘を解消させる・肌を美しくする・集中力を高める・味覚をリセットするなど、いろいろな目的でファスティングが行われています。面白いところでは妊娠率アップを目的にファスティングを行う人もいて、ファスティングそのものが広く万人に受け入れられる健康法または美容法になっていることは間違いありません。ファスティングについては医学的にも優れた健康効果があることが複数のエビデンスによって報告されており医師によって推奨されているファスティング方法もあるほどです。

ファスティングの驚くべき効果やメリット

ファスティングの目的によってやり方を変える必要があったり、ファスティングの種類によってその効果は少しずつ変わってきますが、基本的にファスティングによって体内で起こる反応は同じです。それが健康効果として体に良い変化を起こします。具体的には「胃腸が休まる」「脂肪が分解される」「血液がきれいになる」「オートファジーが働く」といったことが起こります。

・胃腸が休まる

ほとんどの人が1日3食、間食も入れると5食程度固形物を摂取していると思いますが、これでは胃を中心に内臓が休まらないとされます。胃腸が働いている時、血液は胃腸に集中的に利用され、他の臓器には後回しになってしまうのです。例えば、肌や脳のメンテナンスが後回しになるということは、シミやシワの原因になる、集中力や判断力が鈍るということです。空腹時間こそ、胃腸以外の体のメンテナンスが行われるので、意図的に空腹時間は作るべきとされます。

・脂肪が分解される

8〜10時間程度固形物を摂取しなければ体内で糖が枯渇するので、体内に貯蔵していたグリコーゲンが分解されてエネルギーとして使われます。体に溜まっている脂肪が分解されるようになるには36〜48時間かかるとされますが、空腹期間をしっかり作ることは脂肪が分解されやすいモードに切り替わることに間違いありません。

・血液が綺麗になる

食事から摂った様々な栄養素は消化吸収の過程で血液に乗って全身を巡りますが、やはり食べ過ぎだったり、糖質・脂質が多すぎたりするといわゆる「血液ドロドロ」状態になり、血流が悪くなったり、血管を詰まらせたりする原因にもなります。血液が綺麗であることは健康を維持する上で非常に重要なことです。余計なものを食べないことで血液が浄化されると考えられます。

・オートファジーが働く

2016年のノーベル賞(生理学・医学賞)で注目を浴びた「オートファジー」。オートファジーとは私たちの細胞内にもともと備わっている自食作用のことです。細胞の中の古いタンパク質や不要な物質を自らが分解し新しいものに生まれ変わらせる仕組みで、このオートファジーが老化や病気に関わることが解明されています。ファスティング中はこのオートファジーが盛んになると報告されているのです。

ファスティング中に、体内では上記のようなことが起こることの結果として、美肌になる、便秘が解消する、味覚が正常化される、体重が減少する、集中力が増す、やる気が起こる、といった効果が得られるのです。

ヨガ

続けやすいファスティング、失敗に繋がるファスティング

さて、これだけの効果があるとなるとぜひファスティングをしてみたいと思うはずですが、実際に食事を摂らないなんてできるのでしょうか? 皆さんご存知の通り、ファスティングにはさまざまな方法があり、朝だけ抜く16時間断食や、週末断食、一日1食といった食事療法もあります。また、りんごなどのフルーツだけ食べてOKというファスティング(りんごダイエット)、ヨーグルトだけ食べるファスティング(ヨーグルトダイエット)、専用のドリンクは飲んでOKというファスティング(クレンズ)などもあります。

個人的に、ファスティング初心者さんは、まずは「24時間、つまり丸一日、固形物を食べない」、ということにトライしてみてほしいと思います。全く何も口にしないわけではなく、水・しょうが紅茶、手作りのリンゴジュースやニンジンジュース、スムージーなど、自分で許容できるものを決めて、液体〜ドロドロの食事まではOKとしてトライしてください。あくまで胃腸を休めることが目的なので固形物はNGですし、市販のジュースなども糖質が多いので自家製のものにしましょう。いきなり水だけしか飲まない、といった断食はほぼ挫折すると思いますので、おかゆレベルまではOKというファスティングを1日やってみましょう。

これだけでも効果が感じられるはずです。しかし、欲を出して2日、3日、と続けるのはNGです。あくまで1日だけにしてください。

一番大切なのはファスティング期間の後

なぜならファスティングで最も大事なのは、ファスティングに入るまでの準備と、ファスティングを終えた後の回復食だからです。特に回復食で失敗するとさまざまなマイナートラブルが起こります。ファスティングをしている期間が長くなるほど胃腸は空っぽになりリセットされます。その後に何を入れるか。これが回復食の考え方です。3日以上のファスティングをした場合は、離乳食と同じで最初は「重湯」からスタートします重湯とはおかゆを炊いた時にできる上澄みの液体です。その次の食事で、重湯に問題なければおかゆ(具なし)、味噌汁(具なし)、そこで問題なければ2日目以降におかゆ(具あり)、味噌汁(具あり)、3日目に湯豆腐、蒸し野菜、など、ファスティング期間と同じ時間をかけてゆっくり通常の食事に戻していく必要があるのです。

これを怠るとあっという間にリバウンドし、頭痛・吐き気・胃痛などのトラブルも起こりますので、回復食をきちんと実践できなければファスティングは行うべきではないとされるほど。しかし1日程度のファスティングであれば、回復食にそこまで注意をしなくても問題ありません。1日断食のあとは、翌日だけ胃痛を起こさない程度の軽めの食事、と意識しておけば大丈夫でしょう。

まさかステーキなどを食べる人はいないと思います。ちなみに、3日のファスティングに入る場合は、その3日前から準備食といって、やはり回復食と似た軽めの食事で胃腸を軽くしておくことが推奨されています。3日のファスティングを行う場合、準備に3日、ファスティングに3日、回復食に4日と考え、1週間の期間が必要です。それなら、まずは1日抜く、を実践した方が挫折の心配が減るのではないでしょうか。

まずは1日ファスティングに慣れていく

ファスティング期間が1日の場合、効果は「デトックス程度」とされます。それでも(睡眠時間を除く)半日〜1日の軽いファスティングでもデトックスや排泄効果があり、オートファジーも働くのです。体重を落としたければ、脂肪が燃焼される3日は必要とされます。

ファスティングに慣れてくれば、準備〜回復食まで1週間程度時間をかけてのファスティングもできるようになると思いますが、まずは1日のファスティングで様子をみて「空腹になれる、効果を体感する」方が準備食や回復食についても自分なりの方法が見出せるのではないでしょうか。また3日以上の断食は専門家のアドバイスがあった方がいいという意見もあります。

年内に行うならクリスマス前に、または年明けに行うのも悪くない

お部屋の大掃除をするように体内の大掃除をしたい方は、クリスマスの1週間前に1日のファスティングを行うと良いでしょう。誘いが増える前に行っておくことでスッキリした体で年末年始を楽しめますし、一度ファスティイングすることで暴飲暴食を自然に敬遠できる自分になれる効果もあります。また年明けは七草粥を食べる頃にファスティングを予定すると、年末年始の食べすぎや胃の疲れをリセットできます。

ホテルプランなどを利用するのも一つ

意志が弱く自分で断食するのが難しいと考える人は、ホテルのファスティングプランを利用するのもあり。年末年始に一年を振り返ったり新年の目標を考えたりしながら、食事を抜いて自分に向き合う時間は自分への極上のプレゼントになるのでは。12月や1月は予約が埋まりやすいので早めに計画してください。

新年はファンスティングを月に1回程度の習慣にするのも

1日ファスティングが案外簡単にできたという人は、月に1回程度ファスティングを習慣化させると良いでしょう。できれば1日準備食&1日ファスティング&1日回復食という3日のステップをきちんと行えるのが望ましいので、金曜の昼と夜はスープやおかゆなど軽めに、土曜日にファスティング、日曜日の午前におかゆ、昼に湯豆腐、夜に固形の蒸し野菜、翌日から問題なければ通常食。という感じです。

女性の場合、生理期にあててファスティング行うと生理や生理痛が軽くなるとされますし、外食が続いた週の週末に行うのもおすすめです。さまざまなダイエットを実践して、自分の適正体重をキープしたい人にもファスティングはおすすめです。

この記事を書いた人

AYA ARAHARA
AYA ARAHARA
https://aya-works.com/
ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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