カルダモンの栄養と効果効能・調理法・保存法

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カルダモン

カルダモンの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、似た食品との違い、カルダモンに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

カルダモンとは

カルダモンとはショウガ科の多年草で、香辛料のひとつです。ほのかな苦味と辛味、爽やかな香りを持ち、主にカレーのスパイスとして使われます。その上品で高貴な香りから「スパイスの女王」と呼ばれ、古くから親しまれてきました。

原産地はインドで、中東・エジプト・北欧などでも多用されているスパイスです。さまざまな健康作用があることから、インドでは薬としても使われてきました。現在では種を乾燥させたものがスパイスとして流通しており、カレーをはじめとした煮込み料理から、チャイティーやコーヒーなどのドリンクまで幅広く活用されています。

また、カルダモンの種子には精油が含まれ、エッセンシャルオイルを使ったアロマも人気です。香気成分にリラックス作用があるため、心身を休めたいときに役立ちます。

カルダモンの品種・種類

カルダモンの品種は大きく2種類に分けられます。

グリーンカルダモン

グリーンカルダモンは、日本でもっとも多く流通しているカルダモンの品種です。1cm程度の鞘の中から、10~20粒の種子が取れます。のちに紹介するブラックカルダモンより香りにクセがなく、繊細な風味が特徴です。

グリーンカルダモンを漂白したものは、ホワイトカルダモンと呼ばれます。

ブラックカルダモン

ブラックカルダモンは、インドやネパールなど一部の地域で栽培されている品種です。ブラウンカルダモンとも呼ばれます。

実が大きく、2cm以上の鞘に40~50粒ほどの種子が入っています。グリーンカルダモンに比べ、ワイルドな風味でスモーキーな香りが特徴です。

カルダモンの効果・効能

カルダモンに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

消化を促進する作用

カルダモンの主成分であるテルピニルアセテートには、胃腸の機能を高める働きがあります。胆汁の分泌を促進し消化を助けたり、腸のガスの排出を促してお腹の張りを軽減したりなど、胃腸のトラブルを防いでくれます。

また、胃酸の過剰分泌を抑えてくれるので、胃のむかつきや胃もたれなどの症状緩和にも効果が期待できるでしょう。

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呼吸器官をサポート

カルダモンは呼吸器官のトラブル改善に役立つと考えられています。香り成分であるα-テルピネオールは強い抗菌作用を持ち、粘膜や皮膚を穏やかに整える働きがあるためです。喘息や鼻詰まりの解消にも効果が見込めるでしょう。

また、1.8-シネオールには痰や咳を抑える去痰作用があります。抗ウイルス作用や免疫を調整する働きもあるので風邪予防にも効果的です。

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口臭を抑える効果

香り成分の1.8-シネオールは高い消臭効果があり、市販の口臭ケアアイテムにも利用されています。

ニンニク臭やアルコール臭などの強い臭いも和らげられるほど、強力な消臭効果を持つことで知られている成分です。消化不良の際に生じる発酵臭にも効果が見込めると言われています。

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発汗を促す作用

カルダモンには血行を促進し、体を温める作用があります。さらに発汗を促してくれるので、ダイエットのときにも役立つでしょう。発汗により体温を下げる作用をうまく利用して、風邪の引きはじめにカルダモンを摂取するのもおすすめです。

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香りによるリラックス作用

カルダモンの爽快な香りには、心身をリラックスさせる効果が期待できます。自律神経のバランスを整える酢酸リナリルや、血圧降下作用のあるリナロールなどの香気成分が含まれるためです。

さらにα-テルピネオールと1.8-シネオールには精神を安定させる作用もあります。緊張した体を緩めて、疲労を回復させる効果も見込めます。

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集中力アップ効果

カルダモンを摂取すると脳の血流がアップすると言われています。脳が活性化することで、集中力アップにもつながると考えられています。

また、カルダモンの香りにも集中力を高める作用があるため、仕事中や勉強中にコーヒーや紅茶に入れて摂取する方法もおすすめです。

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カルダモンの食べ方や注意点

カルダモンの栄養素を損なわない調理方法・食べ方などを解説します。

カルダモンの使い方

カルダモンはホールタイプとパウダータイプがあります。パウダータイプはホールのカルダモンを粉末状にした製品です。それぞれ使い方が異なるため、料理に合わせて使い分けると良いでしょう。

ホールタイプの使い方

ホールタイプのカルダモンは、鞘の中に種子が入った状態で販売されています。この種子から香りがよく出るので、鞘に切れ目を入れてから調理に使います。もしくは鞘を剥いて、取り出した種子を砕いて使う方法がおすすめです。

マリネやドレッシングなどにそのまま入れて香りづけとして活用するほか、じっくり加熱する煮込み料理にも使いやすいです。

パウダータイプの使い方

より気軽に使いやすいのは、パウダータイプです。料理にひとふり加えるだけで、簡単にカルダモンの爽やかな香りをプラスできます。

飲み物に入れたり、デザート作りに使ったりなど、ホールタイプより活用幅が広いのが特徴です。肉や魚の臭み消しとして、下ごしらえにも使いやすいでしょう。

カルダモンを活用した料理

カレーに入れるイメージの強いカルダモンですが、実は煮込み料理以外にもさまざまな料理に使えます。肉にカルダモンパウダー・塩・こしょうを刷り込み、焼くだけでもピリッとした辛味と華やかな香りを楽しむことができます。サラダのドレッシングや手作りのパンに入れる方法もおすすめです。

飲み物やデザートまで幅広く使えるので、まずは使いやすいカルダモンパウダーから試してみましょう。

カルダモンコーヒーの淹れ方

集中力を高めたいときに効果的なカルダモンコーヒーも、自宅で簡単に淹れられます。まずホールタイプのカルダモン1粒を、お湯で煮出します。あとはそのお湯でコーヒーを淹れるだけです。

もっと手軽に作りたい人は、パウダータイプのカルダモンを使いましょう。淹れたコーヒーに好きな量のカルダモンパウダーを振りかければ完成です。

油で炒めるのがおすすめ

カレーを作る際には事前にスパイスを炒めることで、よりその魅力を引き出せます。スパイスに含まれる成分は油に溶け出しやすい性質を持つためです。

スパイスを油で炒める調理法はテンパリングと言い、料理全体にスパイスの風味を移すことができます。たっぷりの油でスパイスを揚げるように加熱すると、よりその香りが際立ちます。

妊娠中は過剰摂取に気をつけて

カルダモンは服用による副作用が確認されていないため、妊娠中でも摂取は可能です。また、調味料で使う程度の摂取量では問題ないと言われています。ただしサプリメントで摂取する場合、過剰摂取の危険性が高まるため避けたほうが無難でしょう。

また、スパイスカレーをはじめとしたエスニック料理には、カルダモン以外のスパイスやハーブが含まれている場合も多いです。なかには子宮の収縮作用がある食品もあるため気をつけましょう。心配な方はかかりつけ医に相談すると安心です。

カルダモンの保存方法

カルダモンの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

スパイスは乾燥しているので、基本的にほかの乾物と同様に冷暗所で保存できます。腐る心配のない食品ですが、時間の経過とともに風味が落ちるので半年以内を目安に使い切るようにしましょう。特にコンロの近くは、熱によって劣化が進むので避けるべきです。乾燥剤と一緒に保存すれば、より風味が損なわれにくくなります。

より長期的に保存したい場合は冷凍保存しましょう。解凍いらずで料理に使えるため便利です。

参考文献

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