ビタミンB2の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法

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栄養素

ビタミンB2の効果・働き、不足・欠乏・過剰摂取による影響、ビタミンB2の1日の摂取目安量、ビタミンB2を多く含む食品、ビタミンB2を効率よく摂取する方法について解説します。

ビタミンB2とは

ビタミンB2は水に溶けやすい水溶性ビタミンの一種で、化学的にはリボフラビンという名前の化合物です。

リボフラビンは黄みのある色素で、食品添加物としても利用されます。ビタミン剤などを摂取すると尿が黄色っぽくなることがありますが、これはビタミンB2が溶け出しているため。

ビタミンC=レモンのイメージから、ビタミンCの黄色だと誤解されやすいですが、ビタミンCは無色透明の栄養素です。

ビタミンB2は、酵素の働きをサポートする補酵素(コエンザイム)として糖質や脂質の代謝に関わっており、ビタミンB2が不足・欠乏すると、糖質や脂質がうまくエネルギーとして利用されなくなってしまいます。

ビタミンB2が不足すると起こる症状としては、肌荒れ・口内炎・口角炎などが一般的ですが、特に成長期や妊娠中に欠乏すると成長障害を引き起こすことから、「発育のビタミン」「成長のビタミン」とも呼ばれる重要なビタミンです。

ビタミンB2の効果・働き

ビタミンB2の持つ効果・効能・働きについて解説します。

成長を促進して皮膚や粘膜、髪の健康を保つ

「発育のビタミン」「成長のビタミン」と呼ばれる通り、ビタミンB2は皮膚・毛髪・爪など全身の発育を促す働きがあります。

特に成長期の子どもは、ビタミンB2が不足すると成長障害を引き起こす場合もある非常に重要なビタミンです。

口内炎・肌荒れ・ニキビなどの予防

ビタミンB2は、皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあるため、十分に摂取することで皮膚や粘膜の乾燥を防ぎ、口内炎・肌荒れ・ニキビといった諸症状を予防します。

美肌に欠かせないことから、「美容のビタミン」とも呼ばれるほどです。

糖質や脂質を消費してダイエットにも効果的

ダイエットなどで食事制限をしているとき、ビタミンB2を含めビタミンB群が不足すると、摂取した糖質や脂質がエネルギーにつくりかえられず、体に蓄積してしまいます。

食事制限によって効果的にダイエットをするためには、ビタミンB2が欠かせません

動脈硬化や老化予防にも

ビタミンB2には、細胞を傷つけ老化進行の要因のひとつとされる過酸化脂質を分解、消去する働きもあります。

過酸化脂質は動脈硬化などの原因となるほか、頭皮の毛穴に詰まりを起こせば抜け毛や脱毛の原因に、肌に詰まりを起こせばニキビの原因となります。

ビタミンB2が不足・欠乏すると起こる症状

ビタミンB2が不足・欠乏することにより引き起こされる症状としては、次のものが挙げられます。

  • 口内炎・口角炎
  • 舌炎・口唇炎
  • 肌荒れ・ニキビ
  • 眼精疲労・充血・白内障
  • 脂漏性湿疹・脂漏性皮膚炎
  • 成長停止
  • 倦怠感(だるさ・疲れ)
  • 貧血
  • 頭髪のトラブル

ビタミンB2が不足・欠乏する原因

ビタミンB2が不足する主な原因は、次の通りです。

  • 乳製品・動物性食品・豆類などビタミンB2を多く含む食品の不足
  • 激しい運動や労働による極度の疲労
  • 飲酒過多
  • 脂っこいもの、塩辛いものの摂取し過ぎ

ビタミンB2の必要量は、基本的にエネルギーの消費量に比例します。

そのため、疲れ・飲酒などによっていつも以上にエネルギーを必要としている場合、特に不足しがちです。

ビタミンB2を過剰摂取すると起こる症状

ビタミンB2は、過剰に摂取しても体内には蓄積されず、尿として排出される水溶性ビタミンです。

そのため過剰摂取による副作用などの心配はありませんが、蓄積しない栄養素であることから、毎日定期的に摂取する必要があります。

なお、ビタミン剤などを常飲していて尿が黄色くなっている自覚のある方は、一度にまとめて取りすぎているかもしれません。

分散して服用することで、より効率的にビタミンB2を吸収できる可能性があります。

ビタミンB2の1日の摂取目安量

ビタミンB2の1日の摂取目安量は、成人男性で1.6mg、成人女性で1.2mgです。ただし、妊娠中期~授乳中の方は、少し多めを心がけましょう。

これは牛や豚のレバーで摂取した場合、およそ50gで十分な量です。

なお、ビタミンB2の摂取目安量は、口唇炎、口角炎、舌炎などの予防に十分な最小量ではなく、これ以上摂取すると尿として排泄されてしまう、という飽和量から算定されています。

ビタミンB2 の食事摂取基準(mg/日)

性 別男 性女 性
年齢等推定平均必要量推奨量目安量推定平均必要量推奨量目安量
0 ~ 5 (月)0.30.3
6 ~11(月)0.40.4
1 ~ 2 (歳)0.50.60.50.5
3 ~ 5 (歳)0.70.80.60.8
6 ~ 7 (歳)0.80.90.70.9
8 ~ 9 (歳)0.91.10.91
10~11(歳)1.11.411.3
12~14(歳)1.31.61.21.4
15~17(歳)1.41.71.21.4
18~29(歳)1.31.611.2
30~49(歳)1.31.611.2
50~64(歳)1.21.511.2
65~74(歳)1.21.511.2
75 以上(歳)1.11.30.91
妊婦(付加量)+0.2+0.3
授乳婦(付加量)+0.5+0.6
特記事項:推定平均必要量は、ビタミンB2 の欠乏症である口唇炎、口角炎、舌炎などの皮膚炎を予防するに足る最小量からではなく、尿中にビタミンB2 の排泄量が増大し始める摂取量(体内飽和量)から算定。
日本人の食事摂取基準(2020 年版)より抜粋

ビタミンB2を多く含む食品

ビタミンB2を多く含む食品を、全食品・野菜・果物の順で、それぞれランキング形式で紹介します。

全食品中でビタミンB2を多く含む食品ランキング

順位食品名成分量100gあたりmg
1魚介類/(さけ・ます類)/しろさけ/めふん6.38
2肉類/ぶた/[その他]/スモークレバー5.17
3調味料及び香辛料類/酵母/パン酵母、乾燥3.72
4肉類/ぶた/[副生物]/肝臓/生3.6
5肉類/うし/[副生物]/肝臓/生3
6藻類/あまのり/ほしのり2.68
7調味料及び香辛料類/(みそ類)/即席みそ/粉末タイプ2.58
8乳類/(その他)/チーズホエーパウダー2.35
9藻類/あまのり/焼きのり2.33
10藻類/あまのり/味付けのり2.31
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

日本食品標準成分表に記載された全食品の中でビタミンB2を最も多く含むのは「めふん(鮭の腎臓の塩辛)」ですが、入手しやすさ・食べやすさを考えると最も手軽なのはレバーです。

また、毎日の食事に取り入れやすいという意味では、海苔などの海藻類と味噌を和食で取り入れると無理なく摂取しやすいでしょう。

ビタミンB2を多く含む野菜ランキング

順位食品名成分量100gあたりmg
1とうがらし/果実、乾1.4
2わらび/生わらび、生1.09
3きく/菊のり0.89
4わらび/干しわらび、乾0.46
5モロヘイヤ/茎葉、生0.42
6ぜんまい/干しぜんまい/干し若芽、乾0.41
7ブロッコリー 花序 焼き0.4
8とうがらし/果実、生0.36
9みずかけな/塩漬0.34
9しそ/葉、生0.34
9よもぎ/葉、生0.34
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

日本食品標準成分表に記載された全野菜の中でビタミンB2を最も多く含むのはとうがらしでしたが、食べやすさを考えるとブロッコリーがトップクラスです。

ビタミンB2を多く含む果物ランキング

順位食品名成分量100gあたりmg
1りゅうがん/乾0.74
2くこ、実、乾0.4
3アボカド/生0.21
3なつめ/乾0.21
3マンゴー/ドライマンゴー0.21
6ドリアン/生0.2
7きはだ、実、乾0.18
8アテモヤ/生0.12
8バナナ/乾0.12
10ブルーベリー/乾0.1
10かんきつ類/ゆず/果皮、生0.1
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

果物の中でビタミンB2含有量トップの竜眼(りゅうがん、ろんがん)は、熱帯のフルーツで国内では沖縄などでしか栽培されておらずなかなか手に入れるのは難しいでしょう。

2位のクコの実(ゴジベリー)は、杏仁豆腐などのトッピングとして添えられているものを見たことがある方は多いかもしれません。竜眼に比べるとはるかに手に入れやすく、味噌汁などに入れてもおいしくいただくことができます。

もっと日常的な食材で取り入れたいという場合は、含有量ではかなり劣りますが、アボカド・マンゴー・バナナ・ブルーベリーなどが現実的です。

ビタミンB2を効率よく摂取する方法

ビタミンB2は水溶性ビタミンのため、熱に強い一方で水に流れ出やすいのが難点です。

そのためなるべく水にさらさない調理方法を取るか、あるいは煮物やポタージュなど煮汁ごと食べられるメニューをチョイスしましょう。

またビタミンB2は光に弱く、直射日光や紫外線を浴びると分解されてしまいます。ビタミンB2を含んだ食品を保存する際は、遮光性のある容器に保存してください。

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