どうせやるなら「痩せる」ストレッチ。 気持ちいいだけでじゃもったいない!!

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ストレッチそのものに脂肪燃焼効果がないことは誰もがご存知の通り。でも最近巷で人気のダイエット法は、その多くがストレッチや呼吸法系のものばかり。ストレッチで痩せるの? ストレッチなら毎日しているけど、痩せないのはなんで? そんなこ声も聞こえてきます。そこでこでは「痩せるストレッチ」、つまりストレッチでダイエットを成功させる方法をご紹介しましょう!

ストレッチで変えたいのは体重ではなくボディライン

「ストレッチなら誰でもできるし、それで痩せられるのならそんなに簡単なことはない!」と思う人が多いのでは? でも実際のところ、ストレッチで実現したいダイエット効果とは「減量」ではなく「ボディメイク」。体重は減らないのか〜、じゃあやらない!と思った方、ちょっと待って。

見た目が変わると意識が変わり、体重を落としたくなる可能性は高いですし、見た目が変わった状態をキープすれば、代謝が変わり1ヶ月で1〜2kg程度の緩やかな減量につながることもあります。だからダイエットにストレッチを応用させるのは本当におすすめ!でもその前に、あなたのしているストレッチが気持ちいいだけの「残念なストレッチ」になっていないかチェックしてみましょう。

「残念なストレッチ」と「痩せるストレッチ」の違いは? 

以下の項目をチェックしてみてください。チェックが多いほど、あなたのストレッチは「残念なストレッチ」の可能性が高いということになります。

□ 呼吸を気にせずストレッチしている
□ どの筋肉をなんのためにストレッチしているかわかっていない
□ なんとなく気持ちいから、お風呂上がりに習慣的に前屈や開脚をしている
□ 痛いほうが効果があると思っている
□ 回数重視で「1、2、3、4…」とはずむようにストレッチしている

いかがですか? 案外どれも当てはまる人が多いのではないでしょうか。逆に全部の質問にチェックがつかないようにすれば、あなたのストレッチや「痩せるストレッチ」に変わるのです!

□ 息を止めずにストレッチすることで、老廃物が排泄させている
□ 使っていない筋肉のストレッチは筋トレ効果を狙って、使いすぎの筋肉のストレッチは疲労回復効果を狙って行っている
□ 気持ちいいだけじゃなく、ここ(ストレッチしている部位)のフォルムを変えよう!という意識で行っている
□ 痛いと呼吸が止まるので、呼吸を止めずに伸びている、筋肉の形が整っていることを重視している
□ 回数ではなく、1つのストレッチをじっくり30秒〜1分キープしている。(慣れてきたら3分キープでもOK)

いかがですか?「残念なストレッチ」と「痩せるストレッチ」の間には雲泥の差があるのです。

まずは復習!どんなストレッチでも得られる4つの健康効果

具体的な「痩せるストレッチ」をご紹介する前に、一般的なストレッチによって得られる4つの基本効果についても確認しておきましょう。

ストレッチ

  血流を改善する

まずは血流改善効果です。筋肉はそもそも血液のポンプのような役割も担っています。筋肉をジワ〜つと伸ばすことで筋肉の下にある血管も伸ばされ、元に戻るときに一気に血液が流れます。これを繰り返すことで血行が良くなり、ポカポカしたりジンジンしたりするのです。

  冷えやむくみを改善する

血行が良くなるので、当然冷えも改善されます。またむくみとはリンパの流れが滞りリンパ液が溜まった状態を指しますが、これも筋肉がポンプの役割を果たすことで流れます。つまり、ストレッチによって滞ったリンパ液も流されるので、むくみが解消しやすくなるのです。

  こりを解消する

こりとは筋肉が異常に緊張した状態を指します。肩こりだったら、肩の筋肉に負担がかかりすぎていると生じ、背中のこりも、背中の筋肉を動かさないことでまるで古いゴムのように伸びきって硬くなった状態です。これもストレッチで動かしてあげることで、弾力が戻り、こりが解消していきます。

  リラクゼーション効果がある

30分程度時間をかけて全身のストレッチを行うと、前頭葉のα波が増加し心拍数が低下するため副交感神経が優位になることもわかっています。副交感神経が優位な状態とは、血管が拡張し血流が良くなったり、消化系が活発になるので便秘改善などにも良い状態です。ストレスが少なければ、ストレス由来の過食や肌荒れなども減るでしょう。

基本効果にプラス! 注目されているボディラインを整える効果

ストレッチ

基本的な4つの健康効果にプラスして、最近注目されているのがボディラインを整える効果です。筋トレをしていたら脚が太くなったとか、ジョギングを習慣にしたら身体が逆に疲れるといった残念な経験があるダイエッターたちからは綺麗になりたいなら筋トレよりストレッチ!と言った声がすでに多く寄せられています。ではなぜ「痩せるストレッチ」にはボディラインを整える効果があるのでしょうか?

痩せるストレッチのメカニズムその①   姿勢が変わる

一番は姿勢が変わるから。これはストレッチをしなくても体感できるのでぜひやってみて欲しいのですが、鏡の前に猫背で立っているのと、背筋をピント伸ばして立っているのでは、明らかに後者の方がスリムでスタイルがよく見えるはずです。同じ体重でも、姿勢が違うと見た目は大きく変わります。

ストレッチをした後は、筋肉や骨が本来あるべき場所に戻りやすくなります。つまり、猫背だったら伸びた背骨に変わりやすくなるということです。そのためストレッチをすると姿勢が良い方向に変わり、姿勢がよくなることで痩せて見えるのです。

痩せるストレッチのメカニズムその②   使う筋肉が変わる

これはストレッチを行う「筋肉」を意識しないと難しいのですが、例えば、お腹と背中のストレッチを継続することで、日常生活では腹筋と背筋を意識して使えるようになっていきます。

背中に意識がいかない人は、いつも体が前屈みで、腹筋は縮んで圧迫された状態、背筋は頭に引っ張られて前側に伸びっぱなしの状態です。ところが、例えば万歳して天井を見上げるようなお腹のストレッチ(背反らし)をすると、お腹を伸ばすことの気持ちよさ、背筋を引き締めておくことの気持ちよさがわかるようになり、日常生活でも腹筋と背筋に意識が向き、筋肉を正しく使えるようになってくるのです。

いつも負担がかかっているところ(太いところ、硬いところ)は緩める。いつも使っていないところ(お腹や背中や二の腕など)は使う。など、意識して正しく筋肉が使えるようになると、普通の生活をしているだけでもボディラインは変わってくるのです。

痩せるストレッチのメカニズムその③  1回で効果が出るから続けやすい

姿勢を変えて、筋肉を意識するだけで、体はすぐに変わります。食事を1食抜いても体のラインに変化は出ませんが、ストレッチをして姿勢を整えるだけで見た目はすぐに変わるのです。即効性があると続けたくなるのが人間。しかも辛いわけでもなく、基本的には気持ちいいのがストレッチなので、ストレッチはダイエットに最も必要な「継続性」に貢献してくれるのです。

絶対やるべき「痩せるストレッチ」10選

それでは、具体的にやってほしい「痩せるストレッチ10選」をご紹介しましょう。全部で30分くらいかけてもいいですし、1つのストレッチを1〜3分程度、1日の中でちょこちょこ行うのも良いでしょう。ダイエット効果を高めたいのであれば、やはり鏡を見ながら行うことをおすすめします。

1.手首と足首のストレッチ

ストレッチ

手首と足首の歪みはスタイルに悪影響を与えます。手首はスマホやマウス等で現代人の多くが凝り固まり歪んでいますが、これが肩こり首こりの原因になっている可能性が高いのです。

右腕を前に伸ばし左手で手首をおへその方向に折るストレッチ、手首を自分の顔の方に折るストレッチを行いましょう。反対の手も同様に行います。目標はそれぞれ90度!こまめに手首のねじれを取るストレッチをすることで、二の腕やせや肩こり解消にも繋がります。足首は足を前に長く伸ばして座り足首を顔の方に曲げる、逆に足の親指を前方の床に着けるように足首を伸ばすストレッチを行います。

足首は左右にぐるぐる回すこともしておきましょう。足首が柔らかくなると足首がむくみみにくくなります。

2.首のストレッチ

ストレッチ

首は前に倒れっぱなしの人が多いので、首の血液の流れが悪くなり、肩こりや猫背も進みます。

天井を見るようにして首の前側を伸ばすストレッチ、頭を右に傾けて左の首筋を伸ばす、左に傾けて右の首筋を伸ばす、手で頭を前方に押しながら首の後ろを伸ばす、首をぐるりと回す、というストレッチを3分くらい時間をかけて丁寧に行いましょう。首が長くなるだけでバレリーナのように小顔で、スタイルが良く見えます。

3.胸のストレッチ

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立った状態で、両手を背中側で組み胸をぐっと開いて深呼吸。胸と鎖骨が開いていることを意識します。さらに組んだ手を斜め後ろ、お尻のした、右、左、と角度を変えて動かし、もっと深く胸を開きます。さらにそのまま両手を万歳して手を組み直し二の腕が耳寄り上にくるように意識して、軽く胸を反らします。

今度は組んだ両手を胸の前に移動させ、組んだ手をできるだけ前に引っ張りながら肩甲骨と肩甲骨の間をグッと開くようにストレッチしましょう。鏡で鎖骨を正面から見た時に、鎖骨が「V」ではなく「一」と真っ直ぐに左右に伸びているのが理想で、正しいポジションです胸のストレッチで正しい鎖骨のポジションを目指します。

4.骨盤のストレッチ

ストレッチ

立った状態で、右の骨盤を左に押して、左の骨盤を10秒くらいかけてじっくり伸ばします。反対も同様に行います。1周10秒くらいの時間をかけて、骨盤で円を描くように、大きく骨盤を回します。左右10回くらいずつを目標に。骨盤の高さの左右差を解消したり、体の傾きを解消するのに最適なストレッチの1つです。

5.背中とお腹のストレッチ

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うつ伏せの状態から、手を胸の横につき、息を吸いながら両手で床を押して胸を起こします。この時腰を反るのではなく、お腹を伸ばし、背中を縮める意識で行ってください。お腹が伸びて気持ちがいいです。

また背中はいつも猫背で伸びきっているので、この動きで縮めてあげることはとても大切です。バストアップ、背筋の強化、猫背の解消に効果的です。

6.太もも前側のストレッチ

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脚をながく伸ばして座ったら、右膝を曲げて、ふくらはぎが太ももの横にくるように、踵はお尻の横に置くようにして片脚を外側に曲げます。膝と膝の間ができるだけ離れないように意識しながら、上半身を床方向に倒して行き、いた気持ちいいところでストップして呼吸をしながら1分ほどキープ。

反対の足も同様に行いましょう。無理がなければ上半身は床に預けてしまってもOKです。腿前は硬く太くなりやすい筋肉なので、長めに緩めてあげることで細っそり太ももに近づきます。 

7.ふくらはぎ裏側のストレッチ

ストレッチ

仰向けになったら、両手で右足の後ろ側を支えながら右足が床から90度になるところを目標に天井方向に持ち上げます。膝裏の伸びが重要なので、90度でなくても伸びていればOK。

さらに足首を顔の方に向けアキレス腱・ふくらはぎのストレッチをし、足首を天井方向に伸ばすことで足の甲・脛のストレッチを行います。反対の脚も同様に行いましょう。ふくらはぎのむくみに効果的です。

8.太もも裏のストレッチ

7と同じ形ですが、今度は脚全体を顔の方に引き寄せて行くと太ももの後ろと腰が伸びていきます。ストレッチがきついと感じる人は、左脚の膝を立てると、右脚がもう少し顔の方に近づくでしょう。

一つ前のポーズはふくらはぎを中心に伸ばしましたが、太ももの後ろとお尻、腰のあたりまでストレッチを感じることが目的です。1分ほど伸ばしたら、反対の脚も同様に行います。このストレッチで腿裏を活性させ、日常生活でこの「太ももの後ろ側」を使って歩けるようになると美脚になります。

9.お尻と太もも後ろのストレッチ

ストレッチ

仰向けの状態で両膝を立てたら、右のくるぶしを左の膝上に乗せ「4」の数字を脚で作ります。左足の裏を床から浮かせ、右脛を右胸方向に寄せていくと、左の太ももの後ろとお尻の付け根あたりが伸びていきます。そのまま呼吸を続けて1分ほどキープ。

反対も同様に行います。腰痛対策、反り腰対策にも効果的です。

10.全身のストレッチ

仰向けに寝て両手はバンザイで指を組む。息を吸いながらおへそをアーモンドのように縦長にするイメージで手足を上下にぐ〜っと引っ張り、吐く息で脱力。これを3回ほど繰り返す。全身の歪みを取り除き、身長を伸ばすようなイメージで行うと効果的。

ご紹介した「痩せるストレッチ」に難しいものは一つもありませんのでぜひ毎日継続してください。確実に見た目に変化が現れます。人間の体は無意識でいるとすぐに縮んだり硬くなったりしてしまいます。その滞りを無くすだけでも、見た目体重に良い変化が簡単に起こりますよ!

この記事を書いた人

AYA ARAHARA
AYA ARAHARA
https://aya-works.com/
ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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