私が痩せないのは、新型栄養失調が原因なの?!
3995views
ダイエットの原理原則とは「摂取カロリー<消費カロリーを継続すること」。これは間違っていません。ただ「摂取カロリー<消費カロリー」を実行しているのに年々少しずつ太っている人やなかなか痩せない人もいます。この場合、もしかすると新型栄養失調になっているのでは?
特に若い世代ほど忙しさを理由に「手軽ですぐに食べられる」おにぎりやパン、うどんやパスタなどの単品メニューに偏りがちで、こういった食事が中心になっている人は注意が必要。ここでは、現代人なら誰もが陥る可能性のある「新型栄養失調」についてご紹介しましょう。
摂取カロリー<消費カロリーを守っているのに痩せない30代女性
「ここ数年で3キロほど太ってしまった」と話す、都内で会社員をしている30代のある女性。彼女が日頃どんな食事をしているのか、二日分の食事内容を聞いてみました。
<1日目>
【朝食】(約340kcal)
スターバックスでホットコーヒーとドーナツのみ。
【昼食】(約650kcal)
お友達と会社の近くのイタリアンでサラダスープ付きパスタランチ(トマトクリームソース)。
【おやつ】(約270kcal)
同僚からもらった旅行先のおまんじゅう1個とコーヒー。
【夕食】(約550kcal)
残業が決定したので18時にコンビニでおにぎり1つと卵サンド1つ。
【夜食】(約200kcal)
21時帰宅。さすがにこの時間から食べるのは気が引けるのでノンアルコール0カロリー缶ビール1本。とコンビニで調達した焼き鳥を2本。24時就寝。
total:約2030kcal
<2日目>
【朝食】(約200kcal)
7時起床。6枚切りトースト1枚(バター付き)にホットコーヒー。
【昼食】(約900kcal)
お友達と会社の近くの洋食屋でハンバーグランチ。ご飯は少なめ。サラダスープ付き。
【おやつ】(約380ka1)
コーヒーフラペチーノグランデ。
【夕食】(約650kcal)
テイクアウトしたほうれん草カレーをナンで。 ノンアルコール0カロリー缶ビール1本。
total:約2130kcal
いかがでしょうか。
30代女性の摂取カロリーの目安は2050kcalが目安とされますので、そこまで食べすぎているわけではなく、また彼女なりに考えて食事をしています。炭水化物である主食のご飯を少なめにしたり、コーヒーはブラックで砂糖を取らないようにしていますし、サラダやスープなどは意識的にランチで食べるようにしています。しかし彼女は思うように痩せないだけでなくここ2年ほどで3キロほど太ってしまったというのです。食べている量は全く増えていないし、運動だって軽めにストレッチやヨガなどを日課にしているのに一体なぜ痩せないの?
答えは簡単で彼女は完全に栄養不足に陥っているから。彼女の食事からは圧倒的にタンパク質とビタミンミネラルそして食物繊維が摂れていません。彼女の食事のほとんどは、なんと糖質と脂質によって作られているからです。
新型栄養失調って何?こんなに食べているのに栄養不足なの?
飽食の時代に生きる私たちは栄養失調とは無縁だと思いがちですが、約8割の日本人が新型栄養失調のリスクがあるのではないかと考えられており、ここ数年でさまざまなメディアで指摘されるようになっています。市販されている食品、特に加工食品や外食から主に摂取できる栄養素は炭水化物(糖質含む)、たんぱく質、脂質ばかりで、いわゆる3大栄養素については必要量を摂取できますが、ビタミン・ミネラル食物繊維はほとんど摂取できていないことが懸念されているのです。特に食物繊維が慢性的に不足してしまうと新型栄養失調になると考えられます。
新型栄養失調になってしまうと、疲れやすい・風邪をひきやすい・イライラしやすい・便秘や肌荒れになりやすい・とにかく冷える・肩こりが取れない・目が乾燥する、といったいわゆる不定愁訴が起こりやすくなってしまうことがわかっています。
特に女性は、ビタミンミネラルの中でも「鉄」と「カルシウム」「ビタミンA、B1、B2、C」が不足していると考えら、さらに近年は女性の「タンパク質不足」も懸念されています。外食や加工食品からタンパク質を摂取しようと考えると、どうしてもカロリーオーバーになる可能性が高いので、敬遠しているせいだと考えられています。
ちなみに約8割の日本人に新型栄養失調のリスクがあるとされますが、特に多いとされる世代が、若い女性と子ども。子どもは偏食しがちなので、大人がきちんと誘導し、バランスのとれた食事を提供しなければ新型栄養失調を避けることは難しいでしょう。男性は、女性より外食が多くても、居酒屋などで案外、肉類や魚介類やサラダなどを食べていたりすることが多いとされ、女性の方がリスクが高いというわけ。
新型栄養失調のリスクチェック
他にも日常の食生活の中で以下のような特徴がある方は、新型栄養失調に陥っている可能性が高いのでチェックしてみてください。
□野菜を積極的に食べているが、お肉や魚はあまり食べない
□ ラーメンやパスタ、丼ぶりなど簡単なメニューが多い
□ アルコールを毎日摂取している(ノンアルコール含む)
□ 栄養ドリンクやスポーツドリンクをよく飲む
□ 果物を自分ではめったに買わない
□ 野菜はキャベツやレタスなど葉野菜ばかり
□ 髪の毛や爪に艶がない
□ 朝からだるさを感じてしまう
上記のチェックが多いほど新型栄養失調の可能性が高いといえるでしょう。最近はタンパク質ブームなので、お肉やプロテインを積極的にとっている人が増えていますが、外食の多い女性ほどタンパク質が不足しがちです。タンパク質が不足すると老化が早まるだけでなく、筋肉量や基礎代謝量が低下するために、どんどん太りやすい体質になってしまいます。また、体の冷えや疲労の原因にも。
目分量で、必要なタンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維が摂れるようになろう
タンパク質の摂取目安量は毎食ごとに、自分の手の指を除いた手のひらサイズ(厚みも同等)を取ることが目安とされます。さらに、理想は1日3回異なる種類のタンパク質をとること。例えば朝は納豆や豆腐などの豆製品から、昼はお肉から、夜は魚の切り身など、毎食ごとに異なるタンパク質を手のひら1枚分摂取することを意識するとタンパク質不足を回避できるとされます。
ビタミン・ミネラル・食物繊維については、やはり副菜を毎食意識して摂るしかありません。目安としては、生野菜の場合両手を合わせて作った手のひらボールに一杯分乗る程度。加熱した野菜であれば、片手いっぱい分が一食の目安です。つまり副菜は毎食ごとに片手〜両手サイズを摂る必要があるのです。
サラダだけでなく海藻や果物なども入れてOKです。野菜といっても芋類は糖質が多いので1日にゲンコツ1つ分までが理想とされます。そんなの無理!というあなたは、3食のうち1〜2食は野菜ジュースや市販のスムージーでもいいので、毎食手のひらサイズを意識してみてください。最近の野菜ジュースやスムージーは加工技術が優れていて、栄養価も生野菜を摂取するのと同等か、それ以上のものが多く、糖質が含まれていないものも多くあります。意味がないことはありません。
食事でカロリーは摂っていない、でも思わぬ落とし穴が!
今回取り上げた女性はゼロカロリーのノンアルコールを飲んでいましたが、アルコールをよく飲まれる方も注意が必要です。例えば、最近市場にぎわせている「微アルコール市場」ですが、いわゆる「缶チューハイ」には多くの砂糖が含まれているとされます。製品や味の種類にもよりますが平均して6から10グラムの糖類が含まれています。コーヒーに入れるスティックシュガー2〜3本分の糖を、缶チューハイから摂取している可能性があるのです。
甘いお酒は飲まない、アルコールでお腹を膨らませて、食事(ご飯)は減らしているから大丈夫、という考えはダイエット失敗の落とし穴になっている可能性が高いでしょう。特に空腹時に缶チューハイのような糖分が多く含まれるアルコールを飲むと、血糖値が急上昇するので注意が必要です。
アルコールでは太らない!おつまみが原因!も間違い
また「アルコールでは太らない、太るとしたらおつまみが原因」と考えている人も多くいます。しかしこれも間違いです。肝臓はエネルギーを貯蔵する働きや、体内に入ってきたアルコールなどを分解する働きを担っていますが、アルコールが体内に入ってくるその分解にばかりに注力し、エネルギーの貯蔵はおろそかになってしまいます。すると行き場をなくしたエネルギーは体脂肪に変換されて蓄積されます。もちろん、アルコールを分解する過程で、肝臓は中性脂肪の合成を促進し、肝脂肪を誘発します。
近年は、筋トレしている人がアルコールを摂取するとなかなか筋肉がつきにくいこともわかってきています。筋トレやボディーメイクによるダイエットをしたいのであればその期間はアルコールを控えた方が効果が上がるのは間違いありません。いずれにせよ、アルコールでお腹を満たして食事を減らすのは本末転倒。これも新型栄養失調に陥りやすいパターンの一つです。アルコールは食事と一緒に適量を嗜む、が正解です。アルコール摂取量が多いと感じたら、しっかり水を飲みましょう。アルコールは水に溶ける性質があるので、素早く体から出ることを助けてくれます。
食べる量は増えていない、それなりにダイエットを意識しているのになかなか痩せない、という方は、「何を食べているか」をもう一度確認してみてください。毎食ごとにタンパク質を入れるだけでも案外難しいですし、そこに両手ほどの副菜が加わるとなるとかなりの量を食べなければなりません。1日1食でも「タンパク質」と「副菜」を意識した食事をしてみてください。おそらく「空腹」を感じないことに驚くはずです。「食べて痩せる」という言葉もありますが、栄養素をバランスよく過不足なく摂取することは、脂肪燃焼させる代謝の良い体作りに役立つのです。結果として太りにくく痩せやすい、そして病気になりにくい体を作ってくれます。
この記事を書いた人
最新の投稿
- 悩み2022.05.01牛乳の便秘解消・便秘予防効果を徹底解説【悪化する理由も】
- ダイエット2022.05.01鶏肉ダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点
- ダイエット2022.05.01くるみダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点
- ダイエット2022.05.01もずくダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点