シナモンの栄養と効果効能・調理法・保存法

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シナモン

シナモンの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、シナモンに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

シナモンとは

シナモン(Cinnamon)は、クスノキ科ニッケイ属の木の樹皮から作られる香辛料です。生薬として利用されることもあり、漢方では桂皮(けいひ)と呼ばれます。

甘くスパイシーな香りが楽しめるシナモンは、世界最古のスパイスとも言われており、世界各国で古くから利用されてきました。

シナモンの原産地は品種により異なりますが、スリランカ・インド・中国・ベトナム・インドネシアなどで盛んに生産されています。

シナモンは主に、樹皮を丸めたシナモンスティックや、粉末状にしたシナモンパウダーとして販売されています。アップルパイ・ケーキ・パンなどの菓子類の味付けに使われるほか、肉料理やカレーの材料にもなります。

シナモンとニッキの違い

シナモンとニッキは、どちらもクスノキ科の樹皮から作られるスパイスです。シナモンの原料にはニッケイ・シナニッケイなどの樹皮が使われるのに対し、ニッキは日本産の肉桂(にっけい)の木の根の部分から作られます。

ニッキは、シナモンと比較して甘さが少なくスパイシーな香りを持っているのが特徴で、京都の和菓子「八ツ橋」にも使われています。

シナモンの品種・種類

シナモンとして販売されているのは、主に「セイロンシナモン」と「カシア」の2種類です。

セイロンシナモン

スリランカ原産のセイロンシナモンは、優しく品のある香りを持っており、「真のシナモン」と称されることもあります。

セイロンシナモンのスティックは、繊細な薄い樹皮を何層にも重ねて作られているため、非常にきめ細かく手で崩せるほどソフトです。ほかのシナモンには含まれないセイロンシナモン特有の成分として、オイゲノールというポリフェノールがあります。

カシア

カシアは、セイロンシナモンの近縁種「シナニッケイ」の樹皮から作られるシナモンです。

濃厚でスパイシーな香りがあり、肉厚なスティックは手で崩せないほど硬くしっかりとしています。セイロンシナモンより、抗菌作用のある香り成分クマリンの濃度が高いのが特徴です。

シナモンに含まれる成分・栄養素

シナモン100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

食品名単位シナモン 粉
廃 棄 率%0
エネルギー(kcal)kcal/100 g364
エネルギー(kJ)kJ/100 g1523
水 分g/100 g9.4
たんぱく質g/100 g3.6
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g-2.7
脂 質g/100 g3.5
トリアシルグリセロール当量g/100 g-1.9
飽和脂肪酸g/100 g-0.96
一価不飽和脂肪酸g/100 g-0.7
多価不飽和脂肪酸g/100 g-0.16
コレステロールmg/100 g0
炭水化物g/100 g79.6
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g-
水溶性食物繊維g/100 g-
不溶性食物繊維g/100 g-
食物繊維総量g/100 g-
灰 分g/100 g3.9
ナトリウムmg/100 g23
カリウムmg/100 g550
カルシウムmg/100 g1200
マグネシウムmg/100 g87
リンmg/100 g50
mg/100 g7.1
亜鉛mg/100 g0.9
mg/100 g0.49
マンガンmg/100 g41
ヨウ素µg/100 g6
セレンµg/100 g3
クロムµg/100 g14
モリブデンµg/100 g3
レチノールµg/100 g0
α-カロテンµg/100 g-
β-カロテンµg/100 g-
β-クリプトキサンチンµg/100 g-
β-カロテン当量µg/100 g6
レチノール活性当量µg/100 g1
ビタミンDµg/100 g0
α-トコフェロールmg/100 g-
β-トコフェロールmg/100 g-
γ-トコフェロールmg/100 g-
δ-トコフェロールmg/100 g-
ビタミンKµg/100 g-
ビタミンB1mg/100 g0.08
ビタミンB2mg/100 g0.14
ナイアシンmg/100 g1.3
ビタミンB6mg/100 g-
ビタミンB12µg/100 g0
葉酸µg/100 g0
パントテン酸mg/100 g-
ビオチンµg/100 g1.4
ビタミンCmg/100 gTr
食塩相当量g/100 g0.1
アルコールg/100 g-
硝酸イオンg/100 g-
テオブロミンg/100 g-
カフェインg/100 g-
タンニンg/100 g-
ポリフェノールg/100 g-
酢酸g/100 g-
調理油g/100 g-
有機酸g/100 g-
重量変化率%-
備考別名: にっけい、にっき
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

シナモンの効果・効能

シナモンに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

ポリフェノールなどの抗酸化物質で病気や老化を予防

シナモンには、強力な抗酸化作用を持ったフラボノイドなどのポリフェノール類が豊富に含まれています。

体内で発生する活性酸素は、免疫機能など体にとって有用な働きをする一方、増えすぎると生活習慣病・ガンなどの要因になります。

抗酸化物質には活性酸素を取り除く効能があり、あらゆる疾患のリスクを低下させると言われています。また、老化予防の効果も認められており、シミやシワなどのエイジングケアにも役立ちます。

血糖値やコレステロールを低下させる

抗酸化物質や不飽和脂肪酸などが豊富なシナモンには、血糖値やコレステロールを低下させる効果が期待されています。

実際に、糖尿病の患者がシナモンを1日あたり1~6g摂取したところ、血糖値や中性脂肪、総コレステロール値が減少したという研究報告もあります。

健康な人へ同等の効果があるかはわかっていませんが、食後血糖値の急上昇や高コレステロールは、肥満・糖尿病などの生活習慣病につながる可能性も。シナモンは肥満対策に役立つと示唆する研究もあり、ダイエット中にも取り入れていきたい香辛料と言えるでしょう。

ビタミンE(トコフェロール)で血行不良を改善

ビタミンE(トコフェロール)は血管の拡張を促す作用があり、血液の流れをスムーズにしてくれる栄養素です。

血行不良は冷え・肩こり・生理痛の原因にもなるため、ビタミンEは体の不調に悩む女性の方にとっても積極的に摂取しておきたいビタミンです。

ビタミンEはスパイス類に多く含まれていますが、シナモンのビタミンE含有量は香辛料のなかでも高いことが研究で示されています。シナモンは、血行を改善して体を温めたいときにも役立ちます。

シナモンの食べ方

シナモンの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

シナモンスティックの使い方

シナモンスティックは、樹皮でできているため硬く、そのまま食べるのには不向きです。コーヒー・紅茶・ホットワインなど温かい飲み物に入れたり、ドリンクをかき混ぜたりして、風味付けするのによく使われます。

シナモンの栄養素は加熱しても変化しづらいと言われているので、煮込み料理や温かいデザートに入れて香りを付けることもできます。

シナモンパウダーの使い方

手軽さが魅力のシナモンパウダーは、料理全体にまんべんなく香りを付けたいときや、素早く香らせたいときに便利です。

ただし、ダイエットに効果的と言われているシナモンですが、フルーツやデザートなど甘い食材と相性が良いため、結果的にカロリーの摂りすぎにならないように注意が必要です。

また、シナモンパウダーに砂糖を混ぜた「シナモンシュガー」は、シナモン単体のパウダーと比較して糖分が多くなるため、かけすぎないように気を付けてください。

シナモンを食べる際の注意点

シナモンに含まれる香り成分のクマリンは、過剰に摂取すると肝障害を誘発する恐れがあります。東京都の調査では、セイロンシナモンよりカシアに多くのシナモンが含まれていることも指摘されました。

シナモンの1日の摂取目安量は0.6~3gと言われており、通常の食事に取り入れる分には食べすぎてしまうことは考えにくいですが、サプリメントなど成分が濃縮された食品の摂りすぎには注意してください。

シナモンの保存方法

シナモンの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

常温保存

シナモンスティックやシナモンパウダーは常温で保存できます。密閉できる容器に入れて、なるべく日の当たらない、高温多湿を避けた場所に置いてください。

冷蔵保存

冷蔵庫で保存すると出し入れする際に結露が発生し、水分によってカビが生える可能性があるため、冷蔵保存はおすすめできません。

冷凍保存

シナモンスティックを一度に使い切れない場合や、長期保存したいときは冷凍しましょう。冷凍する際は、スティックを一つひとつラップに包み、密閉できる容器に入れて凍らせます。冷凍保存できる期間は1年ほどで、解凍方法は自然解凍がおすすめです。

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