アスタキサンチンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法

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栄養素

アスタキサンチンの基本情報、種類、効果・働き、過剰摂取による影響、多く含む食品、効率よく摂取する方法について解説します。

アスタキサンチンとは

アスタキサンチン(astaxanthin)とは、自然界に存在する赤い色素成分です。

天然の色素成分はカロテノイドと呼ばれ、植物や動物の色を作ります。カロテノイドは、水に溶けにくく油に溶けやすい脂溶性の性質をもっています。

カロテノイドの1種であるアスタキサンチンは、エビやカニの赤色を作る主な栄養素です。定番の釣り餌であるオキアミにも、アスタキサンチンが多く含まれています。フラミンゴの羽や鮭の身が赤いのは、アスタキサンチンの含有量が多いオキアミを主食にしているからです。

アスタキサンチンには、強い抗酸化作用や抗炎症作用があり、近年注目されている栄養素です。また、眼精疲労を緩和する効果も期待されています。

脂溶性成分のアスタキサンチンは、熱に強く壊れにくい性質をもちます。そのため、加熱調理に強く、炒め物や揚げ物など幅広い調理方法が可能です。

アスタキサンチンの分類

アスタキサンチンは、カロテノイドの1種です。カロテノイドは、カロテン類とキサントフィル類に大きく分類されます。

カロテン類にβ-カロテンやリコピンが分類され、体内でビタミンAへと変換されます。

一方、キサントフィル類の代表例は、ルテインやアスタキサンチンです。カロテン類が、体内で酸化されると、キサントフィル類が合成されます。

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アスタキサンチンの効果・働き

アスタキサンチンの効果・効能について解説します。

抗酸化作用で老化予防

アスタキサンチンは、強い抗酸化作用をもつことがわかっています。

抗酸化作用とは、老化や動脈硬化、がんの原因となる活性酵素の酸化を抑制する作用です。過剰に活性酵素が酸化されて過酸化脂質が生成されると、白髪や肌のたるみやしわなどの老化に影響を与えます。

活性酵素の酸化を抑制すると、過酸化脂質の生成も抑制され、老化の原因物質が減少します。

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脳の血管を強くして動脈硬化を予防

アスタキサンチンには、脳や体の血管を強く保つ効果も期待されています。

血管が弱くなると、血栓ができて詰まったり硬くなって血圧が上がったりします。血管壁から剥がれた血栓は、脳や肺、心臓の血管に詰まって脳梗塞・肺梗塞・心筋梗塞を引き起こす原因になります。

アスタキサンチンは、血栓の原因となる悪玉コレステロールの酸化を防ぎます。

悪玉コレステロールはLDLコレステロールとも呼ばれ、体内で増加すると動脈硬化を引き起こす仕組みです。活性酵素によって酸化され、過酸化脂質となると血栓ができやすくなります。

抗酸化作用の強いアスタキサンチンには、動脈硬化を予防し、血管を健康に保つ効果があります。

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皮膚の炎症を抑制して肌トラブル解消

アスタキサンチンには、抗炎症作用があることも知られています。抗炎症作用とは、さまざまなメカニズムによって体内で起こる炎症反応を抑制する作用です。

皮膚に起こる炎症は、にきびや肌荒れなどの肌トラブルとして現れます。炎症によって皮膚のバリア機能が弱まり、雑菌や紫外線などの影響を受けやすくなるためです。

アスタキサンチンの抗炎症作用は、皮膚の炎症も抑制し、肌トラブルを予防・解消すると考えられています。

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眼精疲労を緩和

眼精疲労の緩和も、アスタキサンチンの効果です。

目は、眼球周囲の筋肉が働いて水晶体と呼ばれるレンズを調整して、ピントを合わせています。眼精疲労は、眼球周囲の筋肉が疲労して、目のかすみや痛みなど調節に不具合が出ている状態です。

アスタキサンチンを継続的に摂取すると、眼球周囲の筋肉疲労が軽減したとの報告があります。

さらに、アスタキサンチンの抗酸化作用には、目のバリア機能でたまった活性酵素を除去する働きもあります。目のダメージを防ぎたいときにも、アスタキサンチンは効果的です。

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アスタキサンチンを過剰摂取すると起こる副作用

アスタキサンチンには、明確な摂取上限量が決まっていません。食品安全委員会によると、動物実験での副作用試験では、幹細胞の肥大が観察されたとの報告もあります。

ただし、食品やサプリメントを適量摂取する際の副作用はほとんどないと考えられています。

アスタキサンチンを過剰摂取すると起こる症状は次の通りです。

  • 便の色が赤くなる

アスタキサンチンは、赤い色素をもつカロテノイドのため、大量に摂取すると便が赤くなるケースもあります。血便と勘違いしがちですが、アスタキサンチンは便に色が付いているだけで害はありません。

血便と見分けがつかない場合は、一度アスタキサンチンの摂取をやめて医療機関に相談しましょう。

アスタキサンチンを多く含む食品

アスタキサンチンを多く含む食品は次の通りです。

  • エビ
  • カニ
  • オキアミ
  • ニジマス
  • イクラ
  • タイ

カロテノイドのなかでも赤い色素であるアスタキサンチンは、身や皮の赤い魚介類に多く含まれています。

同じエビやサケのなかでも、より赤味の強いサクラエビや紅鮭、マダイやキンメダイに多く含有される栄養素です。

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アスタキサンチンを効率よく摂取する方法

アスタキサンチンの効果を期待して、摂取する際の注意点やポイントを解説します。

食品よりもサプリメントから摂るほうが効率的

食品に含まれるアスタキサンチンは多くないため、サプリメントのほうが効率よく摂取できます。

一般的なアスタキサンチンのサプリメントには、1日分で5〜10mg程度のアスタキサンチンが含まれています。食品では100gあたりせいぜい数mgしか含有されないため、サプリメントから摂取するほうが効率的です。

油と一緒に摂取すると吸収率が高まる

アスタキサンチンは、脂溶性ビタミンのため水には溶けにくい性質をもっています。

そもそもビタミンは、脂溶性と水溶性に分類されます。水溶性ビタミンは水に溶けるため、過剰摂取しても排泄されることで、体内量は調節されるのが特徴です。

アスタキサンチンなどの脂溶性ビタミンは、水に溶けにくく油に溶けやすい性質をもちます。朝から吸収されにくい栄養素でもあり、アスタキサンチンを効率よく吸収するには油と一緒に摂取するとよいでしょう。

たとえば、アスタキサンチンの含有量が多い食品を油で炒めたり揚げたりすると、生で食べるよりも効率よく吸収されます。

毎日継続して摂取する

どの栄養素にも共通していえますが、アスタキサンチンも毎日継続して接収することで効果を発揮します。1回摂取しただけで、効果は現れないことを理解しておきましょう。

アスタキサンチンの多い食品は、赤い色素をもつ魚介類のため毎日の食事にも取り入れやすいことがメリットです。朝食に紅鮭の塩焼き、夕食にエビフライなどレシピのバラエティーも豊富にあります。

参考文献

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