ウコンの栄養と効果効能・調理法・保存法
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ウコンの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、ウコンに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。
ウコンとは
ウコンは、ショウガ科の多年草です。英語ではターメリック(turmeric)と表記されます。
主に利用されるのは根の部分で、カレーなどのスパイスとして利用されるほか、天然色素として古くから活用されてきました。民間薬草として利用されてきた歴史もあります。
日本におけるウコンの主な生産地は、沖縄や九州です。原産国はインドとされ、中国南部や東南アジアでも栽培されています。
ウコンの品種・種類
ウコンにはさまざまな品種がありますが、健康に役立つと注目されているのが春ウコン、秋ウコン、紫ウコンの3種類です。ここではそれぞれの特徴についてまとめていきます。
春ウコン
春ウコンは、4月から5月に花を咲かせる品種です。別名を「キョウオウ」といいます。
苦味が強いため、そのまま食用として活用するには不向きです。主に健康食品の原料として使用されます。外見は白っぽく、中身は鮮やかな黄色です。
秋ウコン
秋ウコンは、苦味が少なく食用として使われる品種です。
中身は、春ウコンとは異なり濃い橙色。カレーやたくあんなどに使用される着色料や、衣類の染料としても利用されています。
紫ウコン
紫ウコンは、春ウコンと似た時期に花が咲く品種です。紫の花を咲かせることなどから、紫ウコンという名前がつきました。別名はガジュツです。
外見は春ウコンと変わりませんが、精油成分を多く含みます。希少価値の高い品種として有名です。
ウコンに含まれる成分・栄養素
ウコン100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。
ウコンはカリウムやリン、マグネシウムなどのミネラル類を多く含んでいます。根菜なので、食物繊維も豊富です。
品種ごとに成分含有量が異なるのもウコンの特徴。例えば、秋ウコンは春ウコンの約10倍ものクルクミンを含有しています。
クルクミンは食用色素のひとつで、機能性成分としても注目されている栄養素です。含有量が違えば、自ずと身体への作用も変わってきます。ちなみに紫ウコンには含まれていません。
調理方法や保存方法の詳細については後述しますので、そちらも合わせてご確認ください。
ターメリック(スパイス、粉)
名前 | 量 | 単位 |
水 | 12.85 | g |
エネルギー | 312 | kcal |
エネルギー | 1305 | kJ |
タンパク質 | 9.68 | g |
総脂質(脂肪) | 3.25 | g |
灰 | 7.08 | g |
炭水化物、違いによる | 67.14 | g |
食物繊維 | 22.7 | g |
砂糖、NLEAを含む合計 | 3.21 | g |
スクロース | 2.38 | g |
ブドウ糖(ブドウ糖) | 0.38 | g |
フルクトース | 0.45 | g |
乳糖 | 0 | g |
マルトース | 0 | g |
ガラクトース | 0 | g |
カルシウム、Ca | 168 | mg |
鉄、鉄 | 55 | mg |
マグネシウム、Mg | 208 | mg |
リン、P | 299 | mg |
カリウム、K | 2080 | mg |
ナトリウム、Na | 27日 | mg |
亜鉛、亜鉛 | 4.5 | mg |
銅、銅 | 1.3 | mg |
マンガン、マンガン | 19.8 | mg |
セレン、セリウム | 6.2 | µg |
ビタミンC、総アスコルビン酸 | 0.7 | mg |
チアミン | 0.058 | mg |
リボフラビン | 0.15 | mg |
ナイアシン | 1.35 | mg |
パントテン酸 | 0.542 | mg |
ビタミンB-6 | 0.107 | mg |
葉酸、合計 | 20 | µg |
葉酸 | 0 | µg |
葉酸、食品 | 20 | µg |
葉酸、DFE | 20 | µg |
コリン、合計 | 49.2 | mg |
ベタイン | 9.7 | mg |
ビタミンB-12 | 0 | µg |
ビタミンB-12を追加 | 0 | µg |
ビタミンA、RAE | 0 | µg |
レチノール | 0 | µg |
カロチン、ベータ | 0 | µg |
カロチン、アルファ | 0 | µg |
クリプトキサンチン、ベータ | 0 | µg |
ビタミンA、IU | 0 | IU |
リコピン | 0 | µg |
ルテイン+ゼアキサンチン | 0 | µg |
ビタミンE(アルファ-トコフェロール) | 4.43 | mg |
ビタミンE、追加 | 0 | mg |
トコフェロール、ベータ | 0.01 | mg |
トコフェロール、ガンマ | 0.72 | mg |
トコフェロール、デルタ | 0 | mg |
トコトリエノール、アルファ | 0.12 | mg |
トコトリエノール、ベータ | 0 | mg |
トコトリエノール、ガンマ | 0.05 | mg |
トコトリエノール、デルタ | 0 | mg |
ビタミンD(D2 + D3)、国際単位 | 0 | IU |
ビタミンD(D2 + D3) | 0 | µg |
ビタミンK(フィロキノン) | 13.4 | µg |
ビタミンK(ジヒドロフィロキノン) | 0 | µg |
脂肪酸、総飽和 | 1.838 | g |
4:0 | 0 | g |
6:0 | 0 | g |
8:0 | 0.003 | g |
10:0 | 0.848 | g |
12:0 | 0.003 | g |
13:0 | 0 | g |
14:0 | 0.394 | g |
15:0 | 0 | g |
16:0 | 0.155 | g |
17:0 | 0.335 | g |
18:0 | 0.003 | g |
20:0 | 0.097 | g |
22:0 | 0 | g |
24:0 | 0 | g |
脂肪酸、総不飽和脂肪酸 | 0.449 | g |
14:1 | 0.154 | g |
15:1 | 0 | g |
16:1 | 0 | g |
17:1 | 0.164 | g |
18:1 | 0.131 | g |
18:1 c | 0.075 | g |
20:1 | 0 | g |
22:1 | 0 | g |
24:1 c | 0 | g |
脂肪酸、総多価不飽和 | 0.756 | g |
18:2 | 0.672 | g |
18:3 | 0.084 | g |
18:3 n-3 c、c、c(ALA) | 0.003 | g |
18:3 n-6 c、c、c | 0.081 | g |
18:4 | 0 | g |
20:2 n-6 c、c | 0 | g |
20:3 | 0 | g |
20:4 | 0 | g |
20:5 n-3(EPA) | 0 | g |
22:5 n-3(DPA) | 0 | g |
22:6 n-3(DHA) | 0 | g |
脂肪酸、総トランス | 0.056 | g |
脂肪酸、全トランスモノエン酸 | 0.056 | g |
18:1トン | 0.056 | g |
コレステロール | 0 | mg |
トリプトファン | 0.17 | g |
トレオニン | 0.33 | g |
イソロイシン | 0.47 | g |
ロイシン | 0.81 | g |
リジン | 0.38 | g |
メチオニン | 0.14 | g |
シスチン | 0.15 | g |
フェニルアラニン | 0.53 | g |
チロシン | 0.32 | g |
バリン | 0.66 | g |
アルギニン | 0.54 | g |
ヒスチジン | 0.15 | g |
アラニン | 0.33 | g |
アスパラギン酸 | 1.86 | g |
グルタミン酸 | 1.14 | g |
グリシン | 0.47 | g |
プロリン | 0.48 | g |
セリン | 0.28 | g |
ヒドロキシプロリン | 0 | g |
アルコール、エチル | 0 | g |
カフェイン | 0 | mg |
テオブロミン | 0 | mg |
ウコンの効果・効能
ウコンに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。
生理活性機能を持つミネラル類
ウコンには数多くのミネラルが含まれますが、特に豊富に含まれているのがカリウムです。
カリウムは、浸透圧の調整作用によりナトリウムを排出する働きがあります。つまり、塩分の摂りすぎを調整する役割を持っているのです。
実際に2008年の論文でも、ナトリウムの多い高血圧食から高カリウム食に変えたところ、血圧の低下が見られたと報告されています。
さらに、高血圧食に比べ塩分が1.4gアップした状態でも収縮期血圧に若干の低下が見られました。実験からも、カリウムには血圧降下作用があると考えられています。
次に多く含まれるのはリンです。リンは、主に骨や歯を形成する栄養素のひとつ。ほかにも細胞の酸と塩基のバランスを整える働きや、浸透圧を保つ作用を担っています。
リンに関わりの深いマグネシウムも、骨を形成するミネラルです。代謝機能として酵素を活性化するほか、血圧の調整にも関わります。不足すると、高血圧や不整脈などにつながる恐れがありますので注意が必要です。
上記のように、ウコンはさまざまな生理活性作用を持つミネラルを含みます。健康的な体を目指すなら、積極的に摂り入れていきたい栄養素です。
便秘対策として摂り入れたい食物繊維
ウコンには、消化吸収されずに大腸まで届いて活躍する食物繊維も豊富です。
食物繊維は、セルロースやオリゴ糖、デンプンなどの成分を含み、腸内細菌のエサとなり増殖を手伝います。また、便の体積を増やすことからも、便秘解消に役立つ栄養素です。
さらに、血糖値の上昇抑制や血液中のコレステロール濃度低下作用が期待されています。
アメリカとスウェーデンの各大学で実施された研究では、低食物繊維を与え続けたマウスは血糖値の上昇が見られただけでなく、大量の腸内細菌が死滅したと発表されました。
機能性成分として注目を浴びるクルクミン
クルクミンに期待されている働きは、抗炎症作用や抗がん作用、抗酸化作用です。臨床試験はまだ少ないですが、動物実験は進められており、京都大学の研究でもその有用性が確認されました。
さらに、クルクミンには胆嚢の収縮作用や胆汁の分泌促進作用もあると言われています。そのため胆嚢に疾患を持つ患者が摂取すると、症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。
精油の健胃作用に期待
研究段階ではありますが、ウコンに含まれる精油は胃への作用も注目されています。特に多く含まれているのは、春ウコンや紫ウコンです。胃液の分泌や運動を促進する働きが期待されています。
また、2000年の琉球大学農学部による研究では、精油には食中毒の原因となる細菌に対し抗菌作用が見られたと発表されました。
ウコンの食べ方
ウコンの栄養素を損なわない洗い方や調理方法を解説します。
ウコンの洗い方
ウコンは根の部分になりますので、土をしっかり落とすために念入りに洗いましょう。筋や溝部分に土が入り込んでしまっている場合は、タワシを活用するとよく落とせます。
ウコンのおすすめ調理方法
ウコンを摂取する方法として取り組みやすいのは、薄くスライスしたものを天日干しし、煎じてお茶として楽しむ方法です。さらに天日で乾燥させたものをミキサーで撹拌すると、ウコン粉末ができます。スパイスとして利用でき、保存にも便利です。
ただし、乾燥させると揮発性のある成分が失われてしまう可能性がありますので、生でそのまま使う方法も覚えておきましょう。使い方は簡単で、生姜と同じように使うことができます。
また、スライスしたものをお好きなお酒につければ薬用酒の完成です。
ウコンを調理する際の注意点
ウコンは天然色素として使われてきたため、調理に使った器具などが黄色く変色してしまうことがあります。素手で調理する場合も色素が移ってしまいますので、なるべくビニール手袋をつけて調理しましょう。
また、衣類に汁などが飛んでしまうと、汚れが落ちない可能性があります。付着してしまった場合は、まずは台所洗剤でもみ洗いしてください。ターメリックは紫外線で分解される性質があるので、太陽光に当てるのも効果的です。
ウコンの保存方法
ウコンの栄養素を損なわない保存方法を解説します。
長持ちさせるのであれば、粉末にして保存するのがおすすめです。ただし、前述した通り揮発性の成分は抜けてしまいますので、生での保存方法を覚えておきましょう。
ウコンは熱帯植物なので、寒い環境や湿度の低い場所を嫌います。室内での保存がもっとも適していますが、短期間であれば冷蔵庫での保存でも可能です。その際、必ず野菜室に入れるようにしてください。
冷凍保存するなら、すりおろした状態で保存しましょう。栄養素を損なわないよう、袋や容器の口をぴったりと閉じて密閉することが重要です。