エストロゲンを増やす食べ物
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エストロゲンの性質や減少する原因について解説したうえで、エストロゲンを増やすために役立つ栄養素を豊富に含む食べ物や飲み物を紹介します。
エストロゲンとは
エストロゲンは卵巣から分泌される女性ホルモンの一種で、「卵胞ホルモン」とも呼ばれます。
女性にとって、女性らしい身体作りや肌の潤い維持に役立つ大切なホルモンです。そのほかにも、自律神経に作用したり骨の密度を保ったりと重要な作用を持ち、男女問わず心と身体に大きな影響を与える存在でもあります。
エストロゲンが低下する原因
エストロゲンの分泌が減ってしまう原因を解説します。
加齢による分泌量の減少
一般的に、エストロゲンは思春期を迎える10代から分泌が盛んになります。妊娠しやすい身体作りに関わるホルモンでもあるため、20歳から30歳付近が分泌量のピークです。その後、30代後半を境にエストロゲンの分泌量は減り始めます。
理由は、加齢に伴い卵巣の機能が低下するためです。女性が閉経を迎える前後で発症しやすい更年期障害は、このエストロゲンの分泌低下が関係していると考えられます。
身体の冷え
身体の冷えが続くと、自律神経が乱れることでエストロゲンの分泌にも支障をきたします。
エストロゲンの分泌を促すのも、自律神経をコントロールを担うのも、脳にある視床下部です。エストロゲンと自律神経は密接な関わりがあり、どちらかが崩れると片方に影響が出てしまいます。
エストロゲンを正常に分泌させるには、まずは自律神経を整える生活環境が鍵です。
睡眠不足
睡眠不足も身体の冷えと同じく、自律神経の乱れを招きます。また、睡眠不足が続くとストレスが溜まりやすくなるので、さらにホルモンバランスの乱れが加速してしまいます。
睡眠時間は、最低でも1日7時間を目安にすると良いでしょう。長く眠れば良いというわけではなく、睡眠の質を向上させる習慣が重要です。寝る時間と起きる時間を決めて規則正しい生活を心がけると、自律神経が整い眠りに入りやすくなります。
不健康な食事
栄養の偏った食事は、ホルモンの分泌を妨げる要因となります。とくにホルモンの材料となるコレステロールが不足すると、エストロゲンの分泌が減ってしまうので注意しましょう。
ダイエット目的で野菜ばかり摂取していると、動物性タンパク質に含まれるコレステロールが不足しやすくなります。食事はさまざまな食品をバランスよく食べるのが基本です。
エストロゲンに似た働きをするイソフラボン
残念ながら、エストロゲンの分泌を促進する栄養素はありません。しかし、似た働きをするものとしてイソフラボンが注目を浴びています。
イソフラボンは大豆に多く含まれ、エストロゲンの調節機能が期待されている栄養素です。体内にエストロゲンが不足しているときはエストロゲンの代わりに作用し、過剰に分泌されているときはエストロゲンの働きを抑制してくれます。
近年、このエストロゲン様作用を持つのは、イソフラボン代謝物のエクオールであることがわかりました。いまだ研究段階ですが、イソフラボンとともに水溶性食物繊維や大豆オリゴ糖、魚油を継続摂取することで、エクオールの産生を促進できると期待が高まっています。
イソフラボンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA
栄養バランスの整った食事がエストロゲンを補う
女性ホルモンの分泌を促すには、まず身体の健康状態を整える必要があります。身体の機能を正常に保つために重要なのは食事です。エストロゲンの分泌が減る更年期でも、栄養バランスの整った食事は身体を助けてくれるでしょう。
まずは以下の食品からまんべんなく栄養素を摂取するよう心がけてみてください。
- 肉類:タンパク質が豊富で、女性ホルモンの材料となるコレステロールが多く含まれます。
- 魚類:コレステロールが多いうえに、生活習慣病予防に役立つオメガ3脂肪酸も豊富です。
- 乳製品:タンパク質が多く含まれます。また、カルシウムを効率的に摂取できるので、女性ホルモンが低下する更年期に積極的に摂取したい食品です。
- 卵:コレステロールが豊富なので、女性ホルモンの材料を補うのに最適です。
- 野菜類:ビタミンやミネラルが豊富です。抗酸化ビタミンの多いかぼちゃやピーマンは老化防止にも役立ちます。
- 芋類:食物繊維が多いので、腸内環境の改善が見込めます。善玉菌の割合を増やすことで、免疫力アップも期待できます。
- 海藻類:低カロリー低脂質ですが栄養価の高い食品です。カルシウムも多く、骨粗しょう症予防にも役立ちます。
- キノコ類:ミネラルや食物繊維、ビタミンが多い食品です。低カロリーなのでダイエットにも向いています。
- 大豆製品:イソフラボンが豊富です。高タンパク質なので、健康的な身体づくりをサポートしてくれます。
- ナッツ類:ビタミンが多く含まれます。とくにビタミンEが多く含まれるアーモンドは、生活習慣病予防として取り入れたい食品です。
エストロゲンを整えるのに効果的な生活習慣
エストロゲンを整えるために心がけたい食生活や生活習慣について解説します。
身体を温める
エストロゲンの正常な分泌を促すには、自律神経を整える生活習慣が大切です。自律神経を乱す要因のひとつに身体の冷えがありますので、とくに冷え性の人は身体を温めるよう心がけましょう
身体を温める習慣としておすすめなのは入浴です。入浴はリラックス作用もあるので、自律神経が整いやすく、ストレス緩和にも役立ちます。
質の良い睡眠
寝不足はストレスを生む原因となり、自律神経の乱れも招きます。また、女性ホルモンの分泌を司る脳の機能を回復させるには、質の良い睡眠が大切です。
寝る前の行動を少し変えるだけでも、睡眠の質は向上できます。リラックスモードの副交感神経を優位にするために、就寝前のパソコンやスマートフォンの使用は避けましょう。
適正体重を維持する
女性ホルモンは体脂肪と関係が深く、痩せすぎても太り過ぎてもホルモンバランスは乱れやすくなります。適正体重を維持して、エストロゲンの正常な分泌につなげましょう。
適正体重はBMI(Body Mass Index)で簡単に知ることができます。計算式は以下です。
BMI=体重kg÷(身長m×身長m)
18.5未満は痩せ過ぎ、25以上は肥満に分類されます。18.5から25未満を目指し、体重をコントロールしましょう。
更年期に向けて栄養素を補う
更年期に向けて体調を整えるためには、エストロゲンに似た働きをするイソフラボンの積極的な摂取が効果的と考えられます。イソフラボンが豊富な、大豆製品を意識して取り入れるようにしましょう。
また、エストロゲンの低下は骨密度とも関係が深いため、カルシウムが豊富に含まれる食品も摂取することが大切です。小魚や乳製品などを取り入れて、骨を強化していきましょう。
参考文献
記事の監修
AYA ARAHARA
ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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