プラセンタの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法
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プラセンタの基本情報、種類、効果・働き、不足・欠乏・過剰摂取による影響、1日の摂取目安量、多く含む食品、効率よく摂取する方法について解説します。
プラセンタとは
プラセンタ(placenta)とは、英語で胎盤のことです。
胎盤は、妊娠中の母体と赤ちゃんの臍帯(へその緒)をつなぐ器官で、栄養を送ったり老廃物を受け取ったりといった役割を果たしています。
つまりプラセンタとは単独の成分名ではなく、動物の胎盤、および胎盤から抽出したエキスとそこに含まれる成分のことを指すのです。
プラセンタにはさまざまな種類がありますが、一般的に健康食品や化粧品の原料として利用されるプラセンタは哺乳類のもので、その多くは豚プラセンタが使われています。
ちなみに人由来のプラセンタもありますが、こちらは医薬品として用いられるため食品には使えません。
なお、プラセンタの経口摂取による健康効果は十分に証明されておらず、一部の報告では安全性への懸念も指摘されています。
プラセンタの種類
プラセンタの種類について解説します。
動物性プラセンタ
動物性プラセンタは、哺乳類由来のプラセンタのことを指します。
多くの場合、単にプラセンタと呼ばれますが、植物性プラセンタや海洋性プラセンタといった名称が定着し始めたためか、それらと区別する意味合いで動物性プラセンタと呼ばれることが増えたようです。
哺乳類由来のプラセンタは、さらに豚プラセンタ・馬プラセンタ・羊プラセンタなどに分かれ、それぞれ異なる特徴を持っています。
豚プラセンタ | 採取量が多く、安定供給が可能なためもっとも多く流通している。分子構造が人間に近いため、栄養素をスムーズに補給できると言われている。 |
馬プラセンタ | サラブレッドから採取されることが多いため希少性が高い。豚プラセンタよりも豊富なアミノ酸を含む。 |
羊プラセンタ | 北米やヨーロッパでは広く使われるが、日本では伝染病対策として使用が規制されている。 |
海洋性プラセンタ
魚類は卵生のため胎盤はありませんが、卵巣膜という部位を海洋性プラセンタ(マリンプラセンタ、魚プラセンタとも)と呼びます。
卵巣膜とは、たとえば鮭の筋子を包む表面の薄皮のことです。筋子から卵巣膜を取り除いて、一粒一粒ばらばらにした状態をイクラと呼びます。
哺乳類のプラセンタと同様、卵が育つうえで必要なアミノ酸・コラーゲン・ヒアルロン酸といった栄養素を含みます。
ただし成長因子を含まないため、哺乳類のプラセンタと同じような健康効果を期待することはできません。
植物性プラセンタ
植物性プラセンタは、野菜や果物の種が隠れている胎座(たいざ)のことを言います。
胎座とは、ピーマンやかぼちゃを割ったときに、種がびっしりとついている部分のことです。
果実(実の部分)と比較して豊富な栄養が含まれている傾向にありますが、やはり成長因子は含まれていないため、哺乳類のプラセンタの代替品としては機能しません。
プラセンタの栄養
プラセンタは、主に下記の栄養・成分を含みます。
成長因子
- HGF(肝細胞増殖因子)
- EGF(上皮細胞増殖因子)
- NGF(神経細胞成長因子)
- FGF(線維芽細胞増殖因子)
- IL-1,IL-2,IL-3,IL-4
アミノ酸
- 必須アミノ酸(ロイシン,リジン,バリン,スレオニン,イソロイシンなど)
- 非必須アミノ酸(グリシン,アラニン,アルギニンなど)
タンパク質
- アルブミン
- グロブリンなど
脂質
- コレステロール
- ラウリン酸
- ホスファチジン酸
- バルミチン酸
糖類
- グルコース
- ガラクトース
- 多糖類
ビタミン
- ビタミンB群(ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン)
- ビタミンC
- ビタミンD
- ビタミンE
ミネラル
- カルシウム
- ナトリウム
- カリウム
- リン
- マグネシウム
- 亜鉛
- 鉄
酵素
- アルカリフォスファターゼ
- 酸性フォスファターゼ
- ヒアルロニダーゼ
- そのほか100種類以上
核酸
- DNA(デオキシリボ核酸)
- RNA(リボ核酸)
プラセンタの効果・働き
プラセンタに含まれる栄養素のうち、主要な効果・効能・働きを解説します。
成長因子:細胞の成長・増殖を促す
成長因子(グロスファクター)とは、特定の細胞の成長・増殖を促進する働きを持ったタンパク質の総称です。
細胞の成長・増殖を促すほか、傷を治す、新陳代謝を促す、自律神経のバランスを整える、抗ウイルス作用を持つなど、健康面で非常に重要な役割を果たします。
アミノ酸:肌のターンオーバーを促し美肌に
プラセンタには、必須アミノ酸と非必須アミノ酸が合わせて20種類含まれています。
アミノ酸は成長因子と共に肌の新陳代謝を促し、ターンオーバーさせることで肌をスムーズに生まれ変わらせます。
またプラセンタには、色素沈着やメラニン細胞を抑制する生理活性成分も含まれているため、しみ・そばかす対策にも効果的です。
ビタミン:代謝を促進し生活習慣病を予防
プラセンタに含まれるビタミンは主に、代謝を促進するビタミンB群と、抗酸化作用を持つビタミンC・E、骨を丈夫にするビタミンDの3つに分かれます。
ビタミンB群は補酵素として働き、タンパク質・糖質(炭水化物)・脂質といったエネルギー源が、正しくエネルギーとして利用されるための代謝を促進します。
ビタミンC・Eは、抗酸化作用により各種生活習慣病の原因となる活性酸素を抑制して、美肌などにも効果を発揮。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進して骨を丈夫にするほか、免疫反応が過剰な場合に抑制したり、必要な場合に促進したりといった免疫機能の調節役としても働きます。
ミネラル:血液や体液を正常に保つ
プラセンタに含まれるミネラルのうち、マグネシウム・亜鉛・鉄は、貧血予防のためにバランスよく摂取することが重要な栄養素です。
カリウムは体内のナトリウム濃度を調節してむくみ解消に、カルシウムやリンは、骨や歯を正常に発達するうえで欠かせません。
酵素:消化&代謝を促進
酵素には大きく分けて、食べ物を消化分解する消化酵素と、生命活動全般に関与する代謝酵素とがあります。
どちらも健康を維持するうえで重要な役割を果たしており、人の体に欠かせない物質です。
核酸:生命活動の根本を支える
核酸は、DNAとRNAの2つがあり、それぞれ細胞ひとつひとつに含まれ、体を構成するうえで非常に重要な役割を担っています。
DNAは、細胞の核の中で遺伝子の本体として働き、RNAは、DNAの情報をもとにタンパク質を合成する働きを持っています。
プラセンタを過剰摂取すると起こる副作用
プラセンタを過剰摂取すると、特定の栄養素が過剰になりそれに応じた副作用が起こる可能性があります。
また一部の人において、プラセンタを摂取(経口摂取・経皮吸収含む)したことにより、アレルギーなどの副作用が生じたという報告があります。
重大な疾患につながったという報告はありませんが、摂取・利用したのちに何らかの異常が確認された場合は、ただちに使用をやめて医師に相談しましょう。
またそのほか、プラセンタ注射を受けた人のなかには、次の副作用も確認されています。
- 注射した部位のずきずきとした痛み(疼痛)
- 発疹・発熱・かゆみ
- 頭痛
- 肝機能障害
プラセンタの1日の摂取目安量
日本健康・栄養食品協会によれば、プラセンタの1日の摂取目安量は、プラセンタエキス純末(※)で100mg以上とされています。
ただし、プラセンタはさまざまな栄養素が含まれているため、そのほかのサプリなどと併用すると特定の栄養が過剰になる可能性は否めません。
普段摂取しているサプリメントと重複する栄養素がないか、よく確認しましょう。
※プラセンタエキス純末……プラセンタエキスを凍結乾燥、噴霧乾燥などの方法により、水分を除去した粉末状のもの。
プラセンタを効率よく摂取する方法
プラセンタをサプリメントとして摂取する際、サプリメントは医薬品でなく食品ですので、飲むタイミングは特に決められていません。
ただ一般的に、朝起きた直後や夜眠る前が栄養の吸収がよいとされているため、使用者の中にはそのタイミングで飲む人が多いようです。