マンゴーの栄養と効果効能・調理法・保存法
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マンゴーの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、似た食品との違い、マンゴーに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。
マンゴーとは
マンゴー(mango)は、ウルシ科マンゴー属の果実です。原産地はインドから東南アジアインドシナ半島周辺だと言われてます。
約4,000年前から栽培が行われており、日本に導入されたのは明治時代に入ってからです。1970年代頃に国内で本格的に栽培がスタートし、現在は宮崎県、沖縄県、鹿児島県、熊本県を中心に生産されています。
国産マンゴーの旬は夏。種類によって時期は少し異なり、アップルマンゴーは6〜7月、キーツマンギーは8〜9月が旬です。
オーストラリアやタイ、フィリピンなど海外から輸入もののマンゴーが1年を通して入ってくるため、夏以外の季節も楽しむことができます。
マンゴーの品種・種類
マンゴーは世界中で1,000種以上の品種があります。その中でも、日本で出回っている代表的な品種を紹介します。
アップルマンゴー(アーウィン種)
りんごのように、果皮が赤い品種を総称して「アップルマンゴー」といいます。そしてアップルマンゴーのなかでも代表的な品種として知られているのが「アーウィン種」です。
沖縄県や鹿児島県、宮崎県などで栽培されている国産マンゴーのほとんどがアーウィン種に含まれます。
果実の大きさは400~500gほどで形は卵型、オレンジ色の果肉とジューシーでなめらかな食感が特徴です。
宮崎県独自のブランド「太陽のタマゴ」は、アーウィン種の中でも糖度が15度以上、重さ350g以上、色と形が美しい、という条件をクリアした完熟マンゴー。高級感があり、贈答品としても利用されます。
その他に、台湾で栽培されている「愛文マンゴー」もアーウィン種です。
ペリカンマンゴー(ガラパオ種)
ペリカンマンゴーは、フィリピン原産のマンゴーです。
果皮は黄緑色〜淡い黄色で形が細長く、ペリカンのくちばしに似ていることからペリカンマンゴーという名前がつけられました。
アップルマンゴーに比べて、強い酸味、まったりとした甘み、滑らかな舌触りが特徴です。
グリーンマンゴー(キーツ種)
国内産のキーツマンゴーは、おもに沖縄県で栽培されています。
特徴は、1個あたり500g~2kgにもなる大きさと、完熟しても緑色のままの果皮です。
アップルマンゴーよりも酸味が少なく、濃厚な甘みと深みのある味わいがあります。
タイマンゴー
タイマンゴーの主流品種は「ナンドクマイ種」という、果皮が黄色いマンゴーです。
「ナンドクマイ」とはタイ語で「花のしずく」という意味で、その名前のように花びらのように美しい弧を描いた形をしています。強い甘みと程よい酸味が特徴です。
マンゴーに含まれる成分・栄養素
マンゴー100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。
食品名 | 単位 | マンゴー 生 |
廃 棄 率 | % | 35 |
エネルギー(kcal) | kcal/100 g | 64 |
エネルギー(kJ) | kJ/100 g | 268 |
水 分 | g/100 g | 82 |
たんぱく質 | g/100 g | 0.6 |
アミノ酸組成によるたんぱく質 | g/100 g | -0.5 |
脂 質 | g/100 g | 0.1 |
トリアシルグリセロール当量 | g/100 g | -0.1 |
飽和脂肪酸 | g/100 g | -0.02 |
一価不飽和脂肪酸 | g/100 g | -0.04 |
多価不飽和脂肪酸 | g/100 g | -0.02 |
コレステロール | mg/100 g | 0 |
炭水化物 | g/100 g | 16.9 |
利用可能炭水化物(単糖当量) | g/100 g | -14.4 |
水溶性食物繊維 | g/100 g | 0.6 |
不溶性食物繊維 | g/100 g | 0.7 |
食物繊維総量 | g/100 g | 1.3 |
灰 分 | g/100 g | 0.4 |
ナトリウム | mg/100 g | 1 |
カリウム | mg/100 g | 170 |
カルシウム | mg/100 g | 15 |
マグネシウム | mg/100 g | 12 |
リン | mg/100 g | 12 |
鉄 | mg/100 g | 0.2 |
亜鉛 | mg/100 g | 0.1 |
銅 | mg/100 g | 0.08 |
マンガン | mg/100 g | 0.1 |
ヨウ素 | µg/100 g | 0 |
セレン | µg/100 g | 0 |
クロム | µg/100 g | 0 |
モリブデン | µg/100 g | 0 |
レチノール | µg/100 g | 0 |
α-カロテン | µg/100 g | 0 |
β-カロテン | µg/100 g | 610 |
β-クリプトキサンチン | µg/100 g | 9 |
β-カロテン当量 | µg/100 g | 610 |
レチノール活性当量 | µg/100 g | 51 |
ビタミンD | µg/100 g | 0 |
α-トコフェロール | mg/100 g | 1.8 |
β-トコフェロール | mg/100 g | Tr |
γ-トコフェロール | mg/100 g | 0.1 |
δ-トコフェロール | mg/100 g | 0 |
ビタミンK | µg/100 g | 0 |
ビタミンB1 | mg/100 g | 0.04 |
ビタミンB2 | mg/100 g | 0.06 |
ナイアシン | mg/100 g | 0.7 |
ビタミンB6 | mg/100 g | 0.13 |
ビタミンB12 | µg/100 g | 0 |
葉酸 | µg/100 g | 84 |
パントテン酸 | mg/100 g | 0.22 |
ビオチン | µg/100 g | 0.8 |
ビタミンC | mg/100 g | 20 |
食塩相当量 | g/100 g | 0 |
アルコール | g/100 g | - |
硝酸イオン | g/100 g | - |
テオブロミン | g/100 g | - |
カフェイン | g/100 g | - |
タンニン | g/100 g | - |
ポリフェノール | g/100 g | - |
酢酸 | g/100 g | - |
調理油 | g/100 g | - |
有機酸 | g/100 g | - |
重量変化率 | % | - |
備考 | 廃棄部位: 果皮及び種子 |
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
(0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
マンゴーの効果・効能
マンゴーに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。
β-カロテン:視機能の改善・目や皮膚の粘膜の健康を保つ
β-カロテンは、体内でビタミンAとして働くプロビタミンA(ビタミンA前駆体)の一種です。
視機能を改善したり、目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、免疫機能のコントロールを行ったりします。
ビタミンC:シミやシワの予防
ビタミンCは水溶性のビタミンで、骨や腱をつくるコラーゲンを生成するために必要な栄養素です。
ビタミンCは、メラニン色素の生成を抑制して日焼けやシミ、そばかすを予防したり、コラーゲンを合成してシワができるのを予防したり、抗酸化作用により細胞の老化を遅らせたり、といった美容面のさまざまな効果も期待できます。
カリウム:むくみの予防
カリウムは人体に必須のミネラルの1つです。
細胞の浸透圧を調節して血圧を下げる、筋肉や心筋の活動を正常に保つ、血の巡りを改善したり体内の過剰な水分を排出したりして、むくみを予防する、といった効果があります。
ビタミンE:生活習慣病の予防・血行促進
ビタミンEは、強い抗酸化作用を持っており、活性酸素の発生を抑制する働きがあります。
活性酸素は、大量に生まれると動脈硬化やがんなどの生活習慣病を引き起こす、細胞を老化させる、免疫機能を低下させるなどの原因になります。
ほかにも、ビタミンEは、ホルモンバランスや自律神経を安定させたり、末梢血管を拡げて血行を促進し、冷えや頭痛・生理痛といった症状の改善にも役立ちます。
葉酸:胎児の発育リスクの予防・心不全などの予防
葉酸は、水溶性のビタミンB群の一種です。葉酸を十分に摂取することで、DNAの形成に関わる物質「SAM」が増え、胎児の発育リスクを予防することができます。
妊娠を控えた女性は妊娠前から摂取することが推奨される成分です。
また、葉酸は心不全や心筋梗塞、脳梗塞や認知症などのリスクとなるホモシステインの代謝にも関わり、それら疾患の予防も期待できます。
マンゴーの食べ方
マンゴーのおすすめの食べ方や食べる際の注意点を解説します。
マンゴーのおすすめ調理方法
マンゴーは、冷凍すると細胞膜が破壊され、成分が体内に吸収されやすくなったり、ビタミンや抗酸化物質の含有量が高くなったりすると言われています。
冷凍したマンゴーは、自然解凍してそのまま食べるほか、スムージーやシェイクなどにする方法もあります。
マンゴーを食べる際の注意点
マンゴーはウルシ科の果物です。ウルシ科の植物に含まれるウルシオールが、皮膚のかぶれ、喉のかゆみといったアレルギー症状を引き起こすため、漆にアレルギーがある人は注意しましょう。
マンゴーの保存方法
マンゴーの保存方法は、未熟果と完熟果とで異なります。そのためまずは、マンゴーが熟しているかどうかを確認しましょう。
未熟なマンゴーは押すとかたさを感じ、香りが弱く、表面に白い粉上のブルームがついています。完熟したマンゴーは押すとやわらかく、香りが強くなっていて、表面のブルームがなくなって少しベタついているのが特徴です。
未熟なマンゴーは、ペーパータオルや新聞紙で包み、その上からフルーツネットをかぶせます。さらに乾燥しないようにポリ袋に入れて、直射日光を避けて常温保存してください。約1週間で完熟にまで達します。
完熟したマンゴーは、冷蔵もしくは冷凍保存が可能です。
冷蔵保存の場合、乾いたペーパータオルでマンゴーを包んでから、濡らした手でペーパータオル全体に水をつけます。フルーツネットをかぶせてポリ袋に入れ、袋の口を軽く縛ったら冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
冷凍保存の場合、皮をむいて食べやすい大きさにカットし、切り口をぴたりと密着させてラップで包みます。冷凍用保存袋に入れて冷凍庫に入れましょう。冷凍保存での保存期間は約1ヶ月です。